中国共産党政権の標的にされている日本も、中国の影響力の排除に乗り出した

中国共産党政権の標的にされている日本も、中国の影響力の排除に乗り出した

中国の膨張は日本人の考える以上の破壊力を持っている。工作が複合的に重なりあって全世界で危険を増している。超限戦という騙しの手口をありったけ駆使して、中国共産党は世界を乗っ取っていこうとしている。日本は菅政権になって、やっと対応を始めたところだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

売国奴の炙り出しと中国の工作員

菅義偉(すが・よしひで)政権が誕生してから、早くもいくつかの動きがある。

ひとつは日本学術会議で推薦候補6人の任命を拒否して「政治介入」だと批判されている事案だ。(ダークネス:日本にとって有害な学者が日本学術会議で政府に政策提言をする方が恐ろしい

菅政権が任命を拒否した教授は筋金入りの反日教授なのが判明しているのだが、日本学術会議はこのような反日の教授が大量に紛れ込んでおり、中には中国の千人計画に協力したり、北朝鮮の核開発に協力したりしている教授もいるようだ。

売国奴の教授を菅政権は炙り出している。

そして、もうひとつは留学生ビザの審査厳格化だ。アメリカは明確にグローバル経済から中国を排除しようと動き出しているのだが、日本政府もこれに歩調を合わせるように、大学への留学生や外国人研究者のビザ発給を厳格化する方針を固めている。

読売新聞は『国家安全保障局や外務、法務、経済産業、防衛各省などが疑わしい人物についての情報を共有し、ビザ発給業務を担う在外公館でも活用できるシステムを構築する方向』と報じている。

中国共産党政権は、全世界から技術や機密を盗み出している。「研究者・留学生」という身分で工作員(中国軍所属)を送り出している。これについては、アメリカのヒューストン中国総領事館の閉鎖事件を見れば分かる。

中国の軍所属の工作員がテキサス医療センターに潜り込んでいたのだが、指示を出していたのはヒューストン中国総領事館だったという事件だ。(ダークネス:アメリカと中国はすでに戦争状態に入ったのだ。日本人は早くそれを理解せよ

ファーウェイもまた中国軍所属の社員が潜り込んでいて、工作員として暗躍している企業である。(マネーボイス:ファーウェイ、中国軍関係者大量在籍の事実が判明。世界の個人情報を盗み放題だった=鈴木傾城

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中華思想という馬鹿げた思い込み

実のところ、これが中国のやり方だ。盗む。騙す。侵略する。中国が盗んで「ただ乗り」し、ダンピングして利益を独占する。自国で何か開発するわけではない。盗んで成長するのだ。それを批判すると、激しく逆ギレして相手を責める。

今、世界を混乱させているのは中国だ。「中国の傲慢なる膨張」は、世界各国の重大問題と化した。

民族大虐殺にまで発展している「チベット・ウイグル問題」だが、これも中国共産党政権の膨張主義が引き起こしている問題だ。

さらに最近では内モンゴル自治区でも、モンゴル人からモンゴル語を奪うという手法でじわじわと侵食を始めている。(ブラックアジア:民族浄化の嵐が吹きすさぶ。習近平のチャイナ・ドリームは実現するだろうか?

フィリピン・ベトナムとの南沙諸島問題、親中派によって属国化を目論む台湾問題、日本との尖閣諸島問題、沖縄問題、アフリカの資源を根こそぎかっさらっていく資源問題。

あるいは、世界中で自然環境を根こそぎ破壊していく開発問題、軍拡によって対立構造になりつつある米中問題、全世界の重要施設のハッキング問題……。

これらはすべて「中国の膨張」が生み出している重大な問題だ。中国一国ですべてを引き起こしている。

このため、全世界が中国を嫌うようになっているのだが、それでも中国の膨張主義の流れは今後も止まらない。むしろ加速していく可能性のほうが高い。

中国がここまで強気で膨張を推し進めているのは、中国に金があるからである。その金は、言うまでもなく全世界が中国に投資することによって生み出された。

世界各国は、市場としての中国に着目して、とどまることを知らない中国投資を続けてきた。それによって経済力をつけた中国は、「中国こそが世界の中心である」という「中華思想」を前面に押し出してくるようになった。

中華思想というのは「中国が宇宙の中心だ。そして、その文化・思想は神聖なものである」「中国以外の国は中国に従え、中国に染まれ」と勝手に思い込んでいる馬鹿げたものである。

「騙される方が悪い」と他人を騙して金儲けし、汚職に染まり、環境を破壊し、食品を偽造するような堕した文化が神聖だと言って他国を侵略していくのだから、どうかしている。

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中国に騙されたアメリカ

グローバル経済が、中国というモンスターを生み出した。グローバル経済とは、国際間の競争の中で、利益を上げることが至上命令の世界だ。極端に言えば、利益を上げるためには「何でもあり」の世界になる。

各企業はグローバル化した企業の競争に打ち勝つために、コスト削減をとことんまで突き詰める必要にさらされた。コストを下げるために、メーカーは人件費の高い国を避けて人件費の安い国へと移動する。

人件費が安い国、物価が安い国は、後進国であるのは自明のことなので、勢い先進国の企業は「後進国」を「新興国」と言い換えて、そこになだれ込んで行った。

そのうち中国については、人口も非常に多く、人々の購買力もついたことから、工場だけではなく、市場としても俄然注目された。だから、世界中の企業や国家が中国になだれ込んでいき、これが中国の地位を一気に押し上げたのである。

GDPの伸びで判断すると、現在の中国は10年前の中国の3倍も大きくなったのだ。世界中の企業がこれを見逃すはずがなく、成長率の高い中国へと投資を繰り返してきた。13億人の巨大市場にすべての企業が中国になびいたとも言える。

多国籍企業はすべてそうだった。先進国は、やがて巨大になった中国から実を刈り取るつもりでいた。

しかし、気がついてみれば、その中国自体がモンスターのようになっていて、先進国を振り回し始めているのだった。先進国が中国を刈り取るのではなく、中国が世界を包み込むような形になってしまっている。

当初はオバマ前大統領も中国と手を組んでより経済的な高みにアメリカを引き上げようと画策していた。しかし中国は、すり寄って来たアメリカを「落ち目」と判断して、ただアメリカの技術や資本を盗み取ることだけに腐心して、アメリカを振り回すようになった。

トランプ大統領になってから、アメリカは明確に中国を敵視するようになったのだが、それでも中国は今までのやり方を変えるところまでいっていない。むしろ、膨張主義もより先鋭化している。

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中国が最も手強い敵となる

かくして「中国の膨張」と「中華思想」は、もはや全世界が無視できない大きな問題になった。

一帯一路戦略による途上国の経済植民地化によって、すでにアフリカや中南米に対する中国の影響力は、非常に大きくなっていき、東南アジアもまた中国の「裏庭」のような存在になりつつある。

タイ・カンボジア・フィリピン・マレーシア・インドネシアは、華僑の力が伝統的に強い。そのため、中国政府は華僑を通して中国の属国化を裏側で推し進めている。

政治的に密接に関わっているミャンマー・ラオス圏も、開発を通して中国に取り込まれようとしている。金で中国に依存させ、親中派の政治家を取り込み、いつしか国家全体を中国が飲み込む。

カンボジアの独裁者フン・センも金をばらまいて独裁体制に目をつぶってくれる中国の言いなりになって、保身で国を売りかねないような状態になっている。(ブラックアジア:カンボジアで今後もフン・セン首相の独裁が続く理由とは?

伝統的に中国本土の政治や人間を信じていない香港も激しい締め付けが行われ、反政府の人間は片っ端から公安に拉致されて恫喝されたり行方不明になったりしている。そのため、香港も萎縮し人々は絶望の中にある。

これらをすべて含めると、中国の膨張は日本人の考える以上の破壊力を持っていることに気付くはずだ。「中華思想」は複合的に重なりあって全世界で危険を増している。

かつて、経済発展すると中国共産党も民主化されて香港のようになっていくと思われた時代もあったが、今は誰もそんな楽観的なことを考えている人はいない。

「超限戦」という騙しの手口をありったけ駆使して、中国共産党が世界を乗っ取っていこうとしているのだ。日本も中国のターゲットにされていることを、いい加減に日本人は気づくべきだ。

中国は尖閣諸島の侵略をますます鮮明化させ、沖縄も取り込み、そして日本の政治家、マスコミを取り込んで内部からも侵食していこうとしている。侵略は虚構ではない。今、私たちの目の前で起きている。

日本人も目を覚ますべきだ。

日本には3つの敵がある。中国・韓国・北朝鮮だ。中国が最も手強い敵となる。菅政権はアメリカに歩調を合わせるように中国人の規制を始めているのだが、日本人はまだ世界で起きていることをよく把握できていない。

日本はそれに対抗する能力があるのだろうか?

『わが敵「習近平」 中国共産党の「大罪」を許さない(楊逸)』

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