「国政選挙? やりたいようにやらせてもらうで」ケンカ上等、西村ひとしが帰って来た

「国政選挙? やりたいようにやらせてもらうで」ケンカ上等、西村ひとしが帰って来た

行動する保守のグループが胎動している。まるで戦車のような巨大な鉄塊の街宣カーで走り、スピーカーで言葉を爆撃する西村ひとしが突如として国政選挙の場に現れているのだ。国政選挙だろうが何だろうが、「言いたいことは言う」「やりたいようにやる」のが西村ひとし流である。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「立花孝志は時代の風を呼んで完全に右に振り切った」

2022年7月3日、銀座の数寄屋橋でNHK党の候補者である西村ひとし氏が街宣を行っているのを見に行った。

西村ひとしと言えば、行動する保守の中では知らない人はいない中心人物であり、その妥協のない活動で何度も何度も懲役を食らった筋金入りの右派社会活動家であると言っても過言ではない。

その西村ひとし氏が国政選挙を戦っているというのは、凄まじいインパクトである。日の丸の旗が波のように揺れ、旭日旗が高らかに掲げられ、これまで行動する保守を支えてきた歴戦の右派行動派が次々と演説を打つ。

繰り返すが、これは国政選挙の光景である。

「国政選挙で日の丸がはためくのは、西村ひとしだけ。つまり、西村ひとしだけはホンモノだということだ」と、この選挙活動をがっちりサポートしている人物が私に言う。

それにしても、いくつもの保守政党はすでにあるのだが、なぜNHK党だったのか。西村ひとし本人に聞いてみると、このように答えて不敵に笑った。

「NHK党の党首である立花孝志は、どんな選挙活動をしてもいい、勝手に何をやっても口を出さないと約束した。そして、立花孝志は今の時代の風を呼んで完全に右に振り切った。だからNHK党から出ることにした」

西村ひとしが重視していたのは「俺の自由にやらせろ」ということだった。国政選挙だろうが何だろうが、「言いたいことは言う」「やりたいことはやる」「反日勢力は思い切り罵倒してやる」ということだったのだ。

論より証拠で、この日も妨害活動に来た左翼活動家や、左翼の新聞記者を車上から思い切り糾弾していた。

勧進橋児童公園の事件、ロート製薬の事件、日教組の抗議などで日本を激震させた最強の右派活動家の片鱗はまったく衰えていなかった。

そして、この西村ひとしの選挙活動に、いまや北海道から大阪から神戸から、多くの人間たちが集結していたのは注目に値する。

行動する保守のグループは、人望と仲間のつながりを最重視する。その彼らが西村ひとしの元に集まっているのは、それだけ西村ひとしに大きな求心力と人望があることを意味している。

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「仕掛けているのは向こう。やられたらやり返す」

日本人は和を強調する文化に育っているので、他人の顔色を読むのは得意だ。日本人は優しく、一緒にいて心地良い人が多い。それは日本の美点である。

しかし、それが故に「他人に罵られる、他人に嫌われる、他人を敵に回す、他人の中傷を浴びる」という経験をあまりしない。そういう文化に育っていないので、それは当然である。そのため、他人に嫌われることに対して耐性のない人が意外に多い。

しかし、西村ひとしを始めとする「行動する保守」を支える層は、戦後の「人の顔色を見て自粛してしまう日本人」とは完全に異質な層であると言える。「やられたら、やり返す」のが彼らの流儀なのである。「ケンカ上等だ」と彼らは叫ぶ。

敵は明確である。中国・韓国・北朝鮮などの日本にとって非常にリスクのある、反日を剥き出しにしたグループ、そして日本国内で反日を平然と繰り広げるグループ、そうした反日と結託した左翼グループである。

「反日というのは、言うならば日本人に対する差別思想なんだよ。それは日本人に対するヘイトなんだ。だから、それに対して我々は対抗している。仕掛けているのは向こうなのだから、やられたらやり返す」

自分たちの行動原理をこのように説明してくれる人もいた。反日にも屈しないが、軟弱な体制や、口ばかりで行動しない人間たちにも迎合しない。それが彼らの信念である。

戦後教育の中で日本人は牙を抜かれて、他人に嫌われないことだけを重視して生きる民族となった。そして教育の現場からも、社会でも、ひたすら暴力性は排除されていくようになった。

その結果、日本人は上は政治家から下は国民まで「やられたら、やり返す」という当たり前の自己防衛すらも忘れて、理不尽なことがあってもひたすら忍耐し、謝罪し、弱腰に対処するようになっていった。

しかし、NHK党から立候補している西村ひとしと彼の仲間たちは違う。野生を剥き出しにして、「やられたら、やり返す」を実践していったのである。

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日本人がいくら謝っても「もっと謝れ」と言うだけ

「和を大切にする」というのは日本人同士の間だけで通用する美しい理念だ。特定のアジア諸国にはそんなものは通用しない。これらの国々は嘘でも何でも主張し、相手を大声でねじ伏せたら勝ちだという概念しかない。

要するに価値感はまったく共有されておらず、日本人の美しい心など理解することもない。

特に韓国や北朝鮮はそうだ。日本人がいくら謝っても、彼らは「もっと謝れ」と言うだけだ。100回でも200回でも謝れと言うのが彼らの特徴だ。そして、それに飽き足らず「カネも出せ」と言い始める。

謝罪と賠償はセットになっており、捏造だろうが何だろうがそれを主張してカネを毟り取ることで溜飲を下げる。「誠意を見せろ」は「さっさとカネを出せ」なのである。

従軍慰安婦は戦場で行われていた売春ビジネスであり、これを性奴隷というのは朝日新聞が広めた下らない捏造だ。徴用工の問題も、ただの募集工である。彼らはカネをもらって「奴隷化された」と言っている。

しかし、その捏造を繰り返し大声でわめき立てると日本の政治家が恐縮して面白いように謝ってくれるので、韓国は何度も何度も蒸し返して「謝れ、賠償しろ」とわめき立てているのである。

日韓合意も日本人にしてみれば「慰安婦問題を不可逆的に解決するためのもの」であったのかもしれないが、韓国にしてみれば「脅したらうまくカネが手に入った事例」のひとつにすぎない。

日本はこれによって、「やっぱり脅せばカネを払うじゃないか」という弱みを相手に見せたということなのだ。糾弾されても仕方がない外交である。

「不可逆的に解決する」というのであれば、もっと簡単な方法がある。「蒸し返すのであれば報復措置を取って国交断絶してやる」と言って実行すればいいだけだ。しかし、日本はそれをしなかった。だから、日韓基本条約も蒸し返された。

軟弱な対応と、弱腰な姿勢と、事なかれ主義が問題をこじらせてきたとも言える。

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「ケンカ上等の日本人」が表舞台に立ってもいいのでは?

これは今の政治家の限界であり、今の日本人の限界であるとも言える。和を強調する文化のため、自分が折れて場を丸めようと無意識に考えてしまうのだ。

和を尊ぶのは別に悪い話ではないのだが、主張しなければならない時、ケンカしてでも護らなければならないものがある時も、戦わずに謝罪して弱腰に対応してしまうほど牙が抜かれているというのが問題なのだ。

政治家も日本の国益のために身体を張って外国の要人とケンカする人は見たことがない。今もこの「場を丸く収める」「事なかれ主義で対応する」という姿勢は、まるで日本人の政治家だけに課せられた十字架のようになっている。

国民も社会の理不尽に対して声を上げることはなく、ただ黙って涙を飲む。日本政府にどれだけ税金・社会保険料を上げられても、馬鹿な政策を押しつけられても、暴動どころか抗議デモすらも起こさないで自分が折れてやり過ごす。

この大人しい日本人のアンチテーゼとして生まれたのが、まさに2000年代から生まれた「行動する保守」の潮流だったと言える。

彼らは日本に対する理不尽な対応に黙らない。懲役に行くことになろうが怯まない。「やられたら、やり返す」という野武士のような荒々しさで、2000年代の日本社会を切り裂いたのだ。

そして今、その活動からさらにランクを上げて国政選挙に現れたのが西村ひとしである。まるで戦車のような巨大な鉄塊の街宣カーで走り、スピーカーで言葉を爆撃する西村ひとしが突如として国政選挙の場に現れている。

すでに日本社会は弱腰の仕事をしない政治家たちのせいで30年も成長せず、国民を貧困に突き落とすだけである。外国に対してもいまだ弱腰で戦うこともできなくなっている。

しかし、もう「和」の時代は終わって「乱」の時代がきているのだ。

かつて日本には戦国時代があったし、戦いに明け暮れたサムライもいた。「和の日本人」をかなぐり捨てて「ケンカ上等の日本人」が表舞台に立ってもいいのではないか。今の時代は、そういう日本人が必要なのではないか……。

西村ひとしの銀座の数寄屋橋の日章旗と旭日旗がはためく街宣を見ながら、そう思った。

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