あまりにも「従順な羊」過ぎる今の日本人。果たして日本人は目が覚めるのか?

あまりにも「従順な羊」過ぎる今の日本人。果たして日本人は目が覚めるのか?

政府のやりたい放題を止めるには、選挙に行くことも重要だし、政府に対して強めの抗議デモを行なって、民意を激しく叩きつけることも重要だ。何もしないのなら、日本人はボロボロになるまで搾取され、酷使され、不幸にされていく。日本人はどこかで目が覚めるのだろうか……。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com

フランス人よりも日本人の方がむしろ暴動を起こす時期

フランスでは年金支給年齢が62歳だったのが64歳になったとして、国民総反発となって大規模抗議デモが止まらなくなった。

抗議デモの一部は暴徒化して、放火も発生した。数百万人がデモに参加して、ストライキ・ボイコットが経済を揺るがして、政権を動揺させている。(年金制度の改悪に激しく抗議するフランス人。しかし何をされても黙っている日本人

日本では「やりすぎ」「こんなことで暴動を起こすとは」「暴れる必要があるのか?」と言う、いかにも日本人らしい感想も聞かれるのだが、このあたりの意識の差が興味深い。

フランス人は「我々は従順な羊ではない」と抗議デモをやっているのだが、日本人はどんな理不尽なことをされても「従順な羊」であることを第一に考えるようだ。

しかし、私から見たら、フランス人よりも日本人の方がむしろ暴動を起こす時期に来ているような気もする。

日本政府は景気が悪いのにどんどん消費税を引き上げて国民を困窮化させている。さらに新しい税金も次々と設置しようとしている。インボイス制度のような「税率は上げないけれども実質的な増税」をも目論んでいる。

税金とは言われていないものの、欧米では「payroll tax」と呼ばれて間違いなく税金として捉えられている社会保険料も国民の審判もなく引き上げられる。一方で、外国のばらまきはどれだけ批判されても続いていく。

【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)

岸田政権がやっている許し難い横暴の数々とは?

外国のばらまきが問題視されると、必ず「あれは外貨準備金だから日本では使えない」みたいな誤った認識をSNSにばら撒いて財務省と日本政府を必死で擁護する工作員みたいなアカウントが湧く。そして、「外国にばら撒くな」という声をつぶそうと必死になる。

自民党でも伊藤達也衆院議員のように、外為特会に積み上がる外貨準備高を償還して円に戻そうと頑張っている議員もいる。

あるいは、国民民主党の玉木雄一郎代表のように日本の成長に外為特会を使うべきだという主張をする議員もいる。しかし、日本政府はこの外為特会を日本人のために使おうとはしない。

そして岸田文雄首相は当初は「令和の所得倍増」を主張して総理大臣になったのに、現在11ヶ月連続で実質賃金が下がるようなことになっている。

公約を果たしていないというのも問題だが、私がもっと問題だと思うのは、岸田文雄は首相になったら「倍増というのは言葉通りの意味ではない」と言ってこの公約をスルーしてしまった点である。これは本当に許し難い。

今は「異次元の少子化対策」とか言い出しているのだが、蓋を開けてみたら、ただ単に社会保険料を引き上げるだけの方策のように見える。

岸田政権だけでなく、歴代の自民党の首相は安倍首相も含めてみんな少子高齢化の対策に失敗している。それだけでなく、陰では粛々と隠れ移民政策を推し進めてきた。この点、岸田政権は非常に露骨である。

岸田首相は「外国人留学生は国の宝です」と言う。河野太郎は「二重国籍をしっかりと認めていく」と言う。茂木敏充は「外国人参政権は賛成」と言う。日本を構成している日本人の国益をまず優先するという思考は完全に抜けている。

まさに隠れ移民政策を進めて、日本を変質させているように見える。

【ここでしか読めない!】『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』のバックナンバーの購入はこちらから。

あまりにも「従順な羊」過ぎるのが今の日本人の姿

日本を変質させていると言えば、岸田政権は国連の下請け団体か何かのように「SDGsを進めろ」と命令されたら下僕のように「SDGs」とか国内で言い出し、「昆虫を食え、コオロギを食え、うじ虫を食え」と国連が言い出したら、日本で「コオロギを食べましょう」とか世論誘導をする。

米農家や酪農家が食べられないような政策を行ったり、こうした本当に重要な部分には支援をしなかったりして事実上の「見殺し」にしておいて、コオロギを食えとかうじ虫を食えとか馬鹿馬鹿しくてやってられない。

こういうのを見ると、日本人こそフランス並みの暴動を起こしてもおかしくない、いやむしろ日本人こそが暴動を起こさなければならないのではないかと思う。

ところが、日本人は暴動を起こす気配もないのである。

フランスで国民が自分たちの権利を守るために一致団結で立ち上がっているというのに、そのフランスを見て「こんなことで暴動を起こすとは……」と斜に構えて気取っている日本人も多い。

言うまでもないが、フランスは個人主義の国である。個人主義の国がこれくらいの暴動を「一致団結」で起こす能力がある。一方で日本は集団主義が色濃く残った国である。にもかかわらず、日本人は抗議デモに一致団結ができない。

この矛盾はいったいどうしたものなのか。日本人が本気になって巨大な抗議デモをして日本政府にモノを申す必要があるのに、日本人は静かに黙って不条理を受け入れて、静かに貧困化し、静かに自殺していく。

あまりにも「従順な羊」過ぎるのが今の日本人の姿でもあるように見える。日本人がそうである限り、日本政府や財務官僚は「まだまだ搾取できる」「まだまだ増税できる」と増長していくことになるのだろう。

ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』

どこかで目が覚めるのか。それとも永遠に目が覚めないのか

昨今の統一地方選挙を見ると自民党は局地的に敗北があったとしても、やはり多くの国民に支持されており、「与党」としての地盤はまったく揺らいでいないということが分かる。

関西圏では日本維新の会が躍進しており、ローカル政党から脱皮しつつある胎動が見られるようになってきているのだが、全体としては「やはり自民党はまだまだ強い」という結果が如実に現れている。

しかし、もっと注視しなければならないことがある。

それは、不投票率がどんどん増えているということだ。2023年4月9日の統一地方選挙の前半戦で言うと、9道府県知事選に関しては53%が不投票、41道府県議選で言えば58%が不投票であった。要するに「半分以上が選挙に行っていない」のである。

この選挙に行かない人たちというのは大半が若年層なのだが、バブル崩壊で痛めつけられた若年層たちは、もはや「日本を完全にあきらめてしまっている」ので、選挙に行ったところで世の中は変わらないと考えている。

実は選挙にいかないことで若年層の声はまったく政治に届かなくなっており、それが社会の「若年層切り捨て」「見殺し」につながっているのだが、そうなるとますます若年層は政治的な影響力を喪失して、自分たちの不利な社会になっていく。

その結果として、政治が国民にどんな不利を押し付けても国民はまったく抵抗しない「従順な羊」と化した。このまま日本人が「従順な羊」のままでいると、日本社会はもっと日本人にとって生きにくい社会になってしまいそうだ。

政府のやりたい放題を止めるには、選挙に行くことも重要だし、政府に対して強めの抗議デモを行なって、民意を激しく叩きつけることも重要だ。何もしないのなら、日本人はボロボロになるまで搾取され、酷使され、不幸にされていく。

どこかで目が覚めるのか。
それとも永遠に目が覚めないのか。

私は日本人がどちらを選ぶのか分からない。もし、目が覚めないで永遠に「従順な羊」なのであれば、日本は終わってしまうのだろうとは思っている。

亡国トラップ─多文化共生─
『亡国トラップ─多文化共生─ 隠れ移民政策が引き起こす地獄の未来(鈴木 傾城)』

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

政治カテゴリの最新記事