これまでアメリカの大手ハイテク企業やエヌヴィディアを代表とする半導体セクターは順調に株価を上げていた。その上昇を牽引していたのは、いうまでもなくAI(人工知能)への熱狂である。
AIは文明を完全に変えてしまうほどのパラダイムシフトに満ちた技術だが、ここが急激に懐疑的になって市場が動揺するようになっている。とくに半導体セクターの動揺が著しい。
これにはいくつかの原因がある。
まず、バイデン大統領は中国への輸出に対して、より厳しい貿易規制(FDPR)の導入を検討すると発表した。これが実施されると、当然だが中国に半導体や半導体製造装置を売っている企業の売上が落ちる。
そして、トランプは「台湾がアメリカの半導体ビジネスを奪った」と発言し、台湾中心の現在の半導体ビジネスのありかたに強烈な異議を唱えた。誰もが知っていることだが、最先端の半導体の90%は台湾企業のTSMCが生産している。
トランプはこれに強烈な不満を抱き、アメリカがナンバーワンになるべきだと考えている。トランプが政権を取ったら現在の半導体のエコシステムがどうなるのかわからなくなる。そういう不透明性が投資家の嫌気を誘った。
さらに、インフレ圧力の減退の兆候が見られることからFRB(連邦準備銀行)は、そろそろ利下げに転じるかもしれないという観測も高まってきている。
利下げ局面に入ると、食品・資源・インフラ・エネルギーなどのオールドエコノミー企業の株が買われるようになる。金利低下でビジネスが伸びやすいし、これらの企業は総じて高配当だから買いやすくなるのだ。
この一週間で、そういうのがすべて重なった。そのため、メガテックや半導体中心の相場環境が急激に崩れる状況になっていったのだった。
もっと具体的にいうと、7月15日からNASDAQ100【QQQ】が下落して米国高配当株ETF【VYM】が上昇したのが見て取れる。ここで資金の流れが変わった。つまり、市場環境のローテーションが起きた。
では、今後のAI(人工知能)への投資はどう考えたらいいのか? 私のスタンスを話したい。
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