2024年8月5日、日経平均株価は歴史的な急落を記録した。終値は前週末比で4,451円28銭(12.4%)安の3万1,458円42銭であった。これは、1987年のブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅だった。
この急落を引き起こしたのは日銀だ。7月31日、日銀は金融政策決定会合において、政策金利を0.25%程度引き上げる追加利上げを決定した。それだけでなく、今後も利上げをするとも述べた。
現在、アメリカは景気悪化の兆候もあり、FRB(連邦準備銀行)による利下げも噂されている。日本が利上げしてアメリカが利下げするのであれば、単純に考えても利上げする側の通貨「円」は上がり、利下げする側の通貨「ドル」は下がる。つまり、ドル安円高となる。
それを察した投機筋が一気にドル売り円買いに走った。金利ゼロの円を借りてレバレッジをかけ、高金利のドル資産を買い漁る「円キャリートレード」も手じまいとなるので、これもドル安円高をエスカレートさせた。
その結果、7月31日時点では152円台だった円が一時は141円台にまで動いた。7月の半ばまでは160円台であったのだから、20円もの為替変動があったことになる。
円高は日本の輸出企業には不利な環境となる。そのために日本の企業もいっせいに売られて、これが1987年のブラックマンデーを超える過去最大の暴落となったのだった。
この暴落では、新NISAで投資に足を踏み入れた人々も泡を食って売っている。8月7日には投資信託の解約が殺到して、1600億円以上もの流出があったという報告もある。素人に人気だった「オルカン」も売られた。
新NISAは「長期で資産を増やす」という大義であったはずだが、ひとたび大暴落が発生すると、人々はあっという間に恐怖に飲まれて株を売却し、長期投資をやめてしまう。それが今回の暴落でも観察できた。
しかし、今回の大暴落でもっとも大きなダメージを受けたのは、新NISAでやってきた人たちではなく、信用取引で株式を買い上げていた投資家たちだ。手っ取り早く、大きく儲けようとして足下をすくわれた。

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