類は友を呼ぶのか、それとも私がそういう人物が好きなので自然にそうなるのか、あるいは単なる偶然なのかどうかはわからないのだが、私のまわりはだいたい世の中に対して激しい反発心や敵地《アウェイ》感を抱いている人が多い。
話を聞くと、だいたい子供の頃から「エラそうな人」や「体制(学校・規則・常識など)」が死ぬほど嫌いで、何かあるごとにいちいち反発していたということなので、おそらく持って生まれた性格がそのような感情にしているのだろう。
そういう人の多くは、まずは最初の「体制」である学校や教師を憎んで憎んで憎みきっているので、ほとんどの人が学校をどこかでドロップアウトしてしまう。そのため立派な学歴は持っていないことが多い。
反骨精神のためにドロップアウトしたのではなく、家庭環境が貧しかったこともあって低学歴を余儀なくされてしまった人たちもいる。本人が勉強を続けたいと思っても、貧しい家庭で育った人は、義務教育以後は経済的な事情でいけなかったりする。
現代は学歴社会なので学歴がないと「もう這い上がれない」と悲観し、自暴自棄になってしまう人もいる。犯罪者になるような選択をする人もいる。
しかし、資本主義にはいろんな裏道や獣道が用意されているのだ。それを考えると、別に悲観する必要はないのではないか。
そもそも、私自身も社会から早々にドロップアウトした人生ではあった。それでも、別に経済的に困ったことは一度もなく、今までほぼ働かないで暮らしてきたし、死ぬまでぶらぶらしながら暮らしていくだけの資産は持っている。
私自身は資産家の家庭で生まれたわけでもないし、個人的に高度な頭脳を持っているわけでもないし、何か素晴らしい技能《スキル》を持っているわけでもない。事業の才覚を持っていたわけでもない。人脈も、ほぼ皆無だ。カネを作るために粉骨砕身の努力をしたわけでもない。
しかし、ひとつだけ気をつけていたことがあった。
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