株式市場は平等でも博愛でも何でもなく、競争はフェアどころか、汚い手口が何でもありのドロドロした世界である。そこに、ヘッジファンドが弱肉強食さながらに儲けを追求して他人の資金を食い荒らす。
ヘッジファンドとは、さまざまな投資手法を用いて、どのような市場環境であっても「絶対的な利益」を追求する投資ファンドを指す。
たとえば、巨大で攻撃的なヘッジファンドが、ある株式をじわじわと買い込んでいったとする。その銘柄に関して好意的な情報をがんがん流して、マスコミにも踊らせる。そうすると、多くの素人がその株式を買っていく。
そうやって十分に上がりきって「太った豚」になったところで、ヘッジファンドは一気に株式を売って利益を確定する。その利益はどこからきたのかというと、情報に乗せらた個人投資家のなけなしの投資資金からである。
あるいは、何らかのスキャンダルや決算に不備・粉飾があるような企業を見つけると、最初は「素晴らしい企業だ」と持ち上げるようなコメントを出して素人を集めて上げておいてから、一気にスキャンダルや決算の不備をあきらかにして空売りで儲けるという方法もあったりする。
よく「自分が買ったら下がる」と嘆く個人投資家がいる。そういう投資家は良いニュースを見聞きして買っているのだが、それは素人を惹きつける「撒き餌」で、そこに乗っかってワナに落ちたのかもしれない。
あからさまな市場操作は逮捕の対象だ。しかし、投資対象による評価は日々変わるわけで、そうした意見変更がワナとしてしかけたものだったのか、自然な意見変更だったのかは、いちいち実証できないことが多い。
個人投資家は純粋に自分の投資判断を間違ってしまうこともあるのだが、ヘッジファンドの攻撃的な手口に喰われてしまったものもあったりする。こんな邪悪な世界で、個人投資家が凶暴なヘッジファンドに立ち向かう方法はあるのだろうか?
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