「バイ・アンド・ホールド」とは、株式やその他の資産を購入したあと、長期にわたって保有し続ける投資戦略である。日本語で言うと「買って保有し続ける」となるが、これはまさに長期投資の王道でもある。
「バイ・アンド・ホールド」は、短期的な市場の変動に左右されず、資産価値が時間とともに成長することを前提としている。たとえば、S&P500のような広範な市場インデックスに投資し、数十年間そのまま保有することで、歴史的なデータに基づく年平均7%から10%のリターンを期待できる。
実際、1928年から2023年までのS&P500の年間平均リターンは約9.8%であり、インフレ調整後でも約6.5%を記録している。この数字は、長期的な視点で見れば市場が成長を続けることを示している。
ところが、この「バイ・アンド・ホールド」の戦略がきちんと機能することがわかっていても、多くの投資家それを継続できない。
たとえば、2020年のパンデミックに起因による市場暴落では、S&P500がわずか数週間で34%下落した際、多くの個人投資家がパニックに陥って保有資産を売り飛ばした。その後、同指数は2021年末までに急回復して過去最高値を更新したが、株を売ってしまった投資家はその恩恵を受けられなかった。
「市場は成長するのだ」という事実を理解し、ただ「それを保有し続けるだけ」で、投資家はリターンが得られたはずだった。それなのに、大半は短期的な価格変動に振り回され、冷静な判断を失ってよけいなことをした。
「バイ・アンド・ホールド」の有効性が理論的には証明されていても、実際には人間心理としてそれを貫徹できない。ただ「保有し続けるだけ」でいいのに、それができない。下落を前にして、人々は発狂して保有株を売り飛ばす。
これこそ、投資家が直面する最大の課題であるともいえる。

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