2025年4月2日、アメリカのトランプ大統領が再選後初となる大型政策を発表した。「アメリカの雇用を守る」と称して、すべての輸入品に対して10%の一律関税を課すと発表した。
加えて国ごとに関税率を数十パーセントに引き上げ、たとえば中国からの輸入には34%、EUには20%、日本には24%という追加関税を設定している。この一連の政策は「リベレーション・デー関税」と命名された。
その発表は仰々しく、米国第一主義に基づいた政治的パフォーマンスとも受け取れるものでもあった。
当初「トランプ大統領は関税については交渉の道具として使い、実際にはそれほど大きな関税をかけないのでは?」と思われていたのだが、トランプ大統領は本気だった。楽観的な予想をしていた市場はショックを受けて即座に反応した。
S&P500は当日3.4%下落し、ナスダックは6%近い急落、ダウ平均は1,600ポイント以上を失った。これはパンデミック初期の2020年3月以来の暴落幅である。為替市場も混乱し、ドルは主要通貨に対して大きく下落している。
特にリスク回避の動きが強まり、ドル円も1日で4円以上円高に振れた。投資家が安全資産へ資金を移し、円や金への需要が高まったことが背景にある。
これらの動きは「一時的なショック」ではない。これから長らく続く混乱と不透明感と低迷のプロローグだ。
今回の関税発動で輸入コストが上昇していくのだから、アメリカ国内の物価は上がる。すでに米国のインフレ率は前年比2.3%上昇しているのだが、さらに家庭1世帯あたり年間で約3,800ドルの追加負担が発生するとの試算が出ている。
これにより、当然のことながら消費は冷え込む。すると企業の売上と利益が減少し、設備投資も抑制される。加えて、報復関税として他国も輸入規制を強化するため、輸出企業の業績も悪化する。
景気が悪化していくのであれば、株価が致命的なまでに下落するのは子供が考えてもわかる話でもある。

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