三島由紀夫は1970年に「憲法改正せよ」と訴えていたが日本人は応えなかった

三島由紀夫は1970年に「憲法改正せよ」と訴えていたが日本人は応えなかった

戦後75年経った今、日本は「中国・韓国・北朝鮮」という策略と反日を剥き出しにした危険な国家に囲まれている。尖閣諸島は日々侵略され、竹島は実効支配され、沖縄や対馬は侵略されつつある。北朝鮮には常々ミサイルで恫喝される。そんな中でも日本は何もできない。「武力を永久に放棄する」と謳った憲法第九条が、明確に国防の足かせになっているのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

憲法第九条が、明確に国防の足かせになっている

2019年12月9日、安倍首相は「憲法改正は決してたやすい道ではないが、必ずや私の手で成し遂げていきたい」と決意を述べていた。そして、2020年1月16日も「現行憲法も制定から70年余りが経過し、時代にそぐわない部分は改正を行っていくべきではないか。その最たるものが9条だ」と述べている。

憲法第九条はこのように書かれている。

『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』

しかし戦後75年経った今、日本は「中国・韓国・北朝鮮」という策略と反日を剥き出しにした危険な国家に囲まれている。尖閣諸島は日々侵略され、竹島は実効支配され、沖縄や対馬は侵略されつつある。北朝鮮には常々ミサイルで恫喝される。そんな中でも日本は何もできない。

「武力を永久に放棄する」と謳った憲法第九条が、明確に国防の足かせになっているのだ。

中国・韓国・北朝鮮は、憲法第九条によって「日本は侵略しやすい国家だ」と認識するに至っている。歴史プロパガンダを仕掛けて来ているのも、言うまでもなく「侵略」の一貫である。それによって日本を永久に責め立て、叩きのめし、悠々と侵略工作を進めているのである。

憲法第九条を守り、真心を持って謝罪し、相手に歩み寄れば友情が築けると思っているお花畑の平和ボケの日本人は相変わらず多い。

実態はそうではない。国家間に友情などない。国益を巡る駆け引きと謀略と争いで成り立っている。うかうかしたら侵略される。だから、国防のために「憲法改正」は急がなければならないのである。

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対立する国家に契約を守らせるには方法がある

「国家間に友情などない」と言ったのは、マキャベリである。愛と友情が人類にとって美しいものであることくらいは誰でも知っている。

しかし、マキャベリは徹底した現実主義者だった。現実という非情な存在は、愛と友情で動いているわけではないと読み切っていた。

駆け引きと謀略と争いは、日本人にとっては非常に苦手なものだ。策略や謀略によって基本的に相手をワナにはめるというのは、日本人の国民性と相容れない。

そのため、日本人は一方的に策略を仕掛けられて窮地に陥るような目に遭っている。何度も何度も侵略国家に仕掛けられ、カネを毟り取られている。策略を見抜けず、後でワナにはめられたと知って臍をかむ。

裏切られないように契約を交わしても、ただそれだけでは何の意味もないことを日本人は分かっていない。本質が分かっていないから、安倍政権のように「不可逆的に解決」という言葉を入れて日韓合意をすれば問題が解決すると思い込んだりする。

対立する国家に契約を守らせるには方法がある。

それは、周辺に強大国家に囲まれているイタリアで辛酸を嘗める思いをして、そこから数々の洞察を生み出したマキャベリがすべてを知っている。

マキャベリが何を言っているのか、日本人や日本の政治家はもう一度よく学習する必要がある。マキャベリはこのように言っている。

「歴史に残るほどの国家なら必ず、どれほど立派な為政者に恵まれようとも、二つのことを基盤においた上で種々の政策を実施した。それは、正義と力である。正義は国内に敵を作らないために必要であり、力は国外の敵から守るために必要であるからだ」

日本が欠けているのは「力」の部分、すなわち武力である。契約が守られなければ武力が出てくると分かった時点でのみ、対立する国家の契約は順守される。

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「恩恵によって怨念が消える」は大間違いだ

契約が「力」によって拘束力を生み出すというマキャベリの理論を具現化しているのがアメリカである。

アメリカの力の源泉はドル通貨基軸にあるのだが、世界中でドル決済を守らせることによって、アメリカは大量にドルを発行して世界中の富を吸収している。

実質的な富を吸い上げ、紙切れとしてのドルを相手国に渡して繁栄しているのである。

私たちが資本主義と呼んでいるのは、何のことはない「アメリカ一極集中資本主義」である。現代の資本主義で儲けるには、最終的に「アメリカに投資しなければならない仕組みになっている」のである。

それに反旗を翻すとどうなるのか。アメリカは、軍事力でもってその国を破壊していく。ドル通貨基軸という約束事は「力」によって拘束力を持たせている。

それであれば、日本が韓国ごときの国で日韓合意みたいなものですらも守らせることができないというのは「何が足りないのか」は明白だ。

「守らなければ力で粉砕する」という現実があって初めて契約は拘束力を持つ。それがないから、日本は中国・韓国・北朝鮮に好き勝手にやられているのだ。

誠意で物事は動かない。誠意で相手の怨念は消えない。これについても、マキャベリは『君主論』でこのように言う。

「最近に与えた恩恵によって、以前の怨念が消えるなどと思う人がいたならば、その人は取り返しのつかない誤りを犯すことになる」

日本は韓国に賠償金を与え、中国にODAという無償援助を行い続けてきたが、それで相手の怨念は消えたのか。まったく消えていない。恩恵を与えて和解が生じると思う方がどうかしている。

憎悪・怨念・恨みと言ったものは消すことができない。消せないものを求めるのは理性ある判断ではない。消せないのであれば、別に消す必要がない。

「好かれる必要がない」ということだ。マキャベリはこのように強調する。

「たとえ一般には美徳のように見えることでも、それを行うことによって破滅につながる場合も多い」

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「力は国外の敵から守るために必要である」

マキャベリが言う「力」は、傭兵によって成り立っている軍事力ではなく、自国民によって成り立っている軍事力であることが『君主論』では何度も言及されている。

なぜか。それはマキャベリが自分の指揮する数年に及ぶ戦争が国益のために本気で戦う気のない傭兵によって無残にも敗北したことに端を発している。

傭兵は本当の軍隊ではない。いざとなったら逃げる。「自国の軍を持つ必要性」は、勝つための必須条件だということをマキャベリは骨身に染みて知ったのである。だから、このような言葉が記されたのだ。

「自らの安全を自らの力によって守る意志を持たない場合、いかなる国家と言えども、独立と平和を期待することはできない。なぜなら、自ら守るという力量によらずに、運にのみ頼るということになるからである」

そして、このように結んでいる。

「人間世界では、自らの実力に基礎をおかない権勢や名声ほど頼りにならないものはないというのは、いつの世でも応用可能な賢い人々の考えであり、評価であったと思う」

戦後75年、日本はずっと軍事力をアメリカに依存してきたのだが、それが今や日本に大きな問題を引き起こしている。その問題とは日本の外交力の低下に尽きる。

日本を軽んじても契約を履行しなくても構わないと思われているのは、結局のところ単純な問題に行き着く。

「自らの安全を自らの力によって守る意志を持たない場合、いかなる国家と言えども、独立と平和を期待することはできない」というマキャベリの洞察がそのまま日本に当てはまっているのだ。

これを1970年に喝破していたのが三島由紀夫だ。三島由紀夫はこのように訴えていた。

「今、日本人がだ、ここでもって立ち上がらねば、自衛隊が立ち上がらなきゃ、憲法改正ってものはないんだよ。諸君は永久にだね、ただアメリカの軍隊になってしまうんだぞ」

三島由紀夫は「アメリカの属国のままでいる日本」という存在が許せなかったので、自衛隊を蜂起させて「独立していて、強く、自尊心を持った侍としての日本」を再び取り戻したかったのである。

三島由紀夫は真の憂国の人であった。

しかし、自衛隊は突如として現れてバルコニーで演説する三島由紀夫と共に蜂起することを拒絶、三島はクーデターが失敗したことを知ると自ら切腹して侍のように死んでいった。

日本は三島由紀夫に応えなかった。マキャベリの思想の本質も知ろうとしなくなった。そして今、日本は「力は国外の敵から守るために必要である」という当たり前のことを忘れて今もまだ苦しんでいる。

安倍首相は日本人の悲願である憲法改正を成し遂げられるだろうか。いよいよ正念場に来ている。私は固唾を飲んで状況を見つめている。

『若きサムライのために 〜 日本人よ、高貴たる野蛮人たれ!昭和元禄と斬死した、孤独なサムライからの遺言(三島 由紀夫)』

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