次の時代はないのか? 日本は「時代遅れの毒」が回っている

次の時代はないのか? 日本は「時代遅れの毒」が回っている

本当に音楽が好きな人は、もうCDを買うこともなければ気に入った曲をダウンロードすることもない。

なぜなら本当に音楽が好きな人は、好きな音楽、聞きたい音楽、気になる音楽、勉強のために聞く音楽、体系的に聞きたい音楽が山ほどあって、そのたびにCDやダウンロードしていたら、いくら金があっても足りないからだ。

本当に音楽が好きな人は、すでに「定額制の音楽配信(聴き放題)サービス」に移行している。1曲ごとの購入ではなく、1か月ごとのプランで「無限」とも言えるほどの膨大な音楽を楽しむことができるのだ。

音楽はもう所有するものではない。電気ガス水道料金と同じように、毎月一定額を払って好きなものを好きなだけ聞くという方式に転換した。

蛇口を開いたら水が流れるように、デバイスを合わせれば音楽が流れる。そのような環境に変化している。世界的に見ると、月にだいたい1000円前後である。

世界最大の音楽配信サービスを所有しているのは「Spotify(スポティファイ)」だが、「アップル・ミュージック」が猛追している。そして、例によってグーグルやアマゾンが後を追っている。(鈴木傾城)

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

新しい社会が到来しているのに扉を閉めてしまう?

現在、全世界が凄まじい勢いでキャッシュレスに向かっているのは疑いもない事実だ。(ダークネス:日本の未来のため、恐れずにキャッシュレスの波に飛び込め

いずれ、全世界はキャッシュレスになる。

つまり、紙幣や銅やアルミで作った小銭のような古臭いものは消滅する。なぜなら、それは使い勝手が悪く、非効率で、コストがかかり、管理にも手間がかかるからだ。

また、全世界を瞬時に移動するスピード感の中で紙幣や小銭は常に置いてけぼりだ。紙幣や小銭はもう「時代遅れ」の存在と化してしまったのである。

当然の話だが、時代がキャッシュレスに移行しているのに、いつまでも紙幣や小銭にこだわっていたら、その人のみならず、国全体が時代遅れになって次世代に乗り遅れる。

もはやキャッシュレスになることが決まっている以上、紙幣や小銭にこだわるべきではない。変わらなければならない。そうしないと個人も国も生き残れない。(ダークネス:現金にこだわって日本を時代遅れにするのはもうやめるべき

事実、日本人がいつまでも紙幣や小銭にこだわっているので、日本の銀行はこれを管理するためのATMの機械や紙幣や小銭を1枚2枚と数える人員を抱えて莫大な経費を背負い込んで、経営が悪化している。

変わろうとしない時代遅れの経営者と、変わろうとしない日本人が、よってたかって日本の銀行の競争力を引き下げて沈没していこうとする姿がここにある。(ダークネス:想像以上の環境の悪化で苦しむ日本の銀行は生き残れるか?

かつて日本人は最先端を常に走っている気鋭の民族であったはずなのに、この感度の鈍さはいったいどうしたことなのか。

最先端に転換できないこの鈍さは、言うまでもなく高齢化してしまった社会が生み出しているものであると言える。

高齢層は新しいものに手を出さない。高齢層は古いものにこだわる。高齢層はイノベーションに怯えて拒絶する。だから新しい社会が到来しているのに扉を閉めてしまう。

少子高齢化がもたらす「時代遅れの毒」に気付け

こうした高齢層が増えて、新しい時代を切り拓く若年層が減っている。それが少子高齢化の弊害であるとしたら、いよいよ日本は少子高齢化という毒に蝕まれているということでもある。

少子高齢化は「社会保障費をパンクさせる元凶である」という視点でしか語られることはない。

しかし本当に恐ろしいのは、少子高齢化によって国全体が時代遅れと化して次の時代に生き残れなくなってしまうことだ。

今の日本では、スマートフォンですらも使えない人間もいるし、「スマートフォンを使ったら馬鹿になる」と馬鹿のようなことを真面目に主張している馬鹿もいるのである。

主に時代遅れの高齢者がそんなことを言っている。今やスマートフォンによって文明が再構築されようとしているのに、それに背を向けるのだからどうかしている。

しかし、高齢層というのはだいたいこのような時代遅れの発想をするし、そこから抜け出せないのが常だ。しかも本人が時代遅れになっているということに気付かない。

それだけでなく、「スマートフォンを使ったら馬鹿になる」みたいなことを主張して、時代の流れについていこうとしている若年層の足を引っ張る真似すらする。

本当のことを言えば、若年層は馬鹿になっているどころか、知能指数は上がっているのである。

知能指数が向上する環境が文明に組み込まれており、若年層は高齢層よりも知能指数が高い。(ダークネス:自分の知能を向上させたければ、その環境を取り入れるべき

しかし、日本は高齢層の意見が大きくまかり通る社会である。少子高齢化がそれを増幅している。

そういう時代遅れの人間の話を聞いていたら一緒に時代遅れになるので急いで離れるべきだ。影響されたらいけない。時間が無駄になる。(ダークネス:スマートフォンは使いたくないという高齢層が日本を滅ぼす

少子高齢化によってもたらされている日本社会の「時代遅れの毒」は、今や危険なものになっている。にも関わらず、ほとんどの日本人がまったくこの少子高齢化がもたらす「時代遅れの毒」に気付いていないのは不幸なことだ。

それに気付いていないということが一番の恐怖

この「時代遅れの毒」を象徴する中で起きていたのが漫画の海賊版サイトの問題だったと言える。

出版社は時代遅れの紙の本にこだわって業界をすべて取り込んだ電子書籍のサイトや「定額制の漫画配信(読み放題)サービス」を作らなかった。

さらに、電子書籍でも音声を付けるとか効果音を付ける等の付加価値をつけることもしなかった。今もイノベーションに背を向け続けている。(ダークネス:出版社が海賊版サイトを駆逐するためにやるべき唯一のこと

音楽業界もかつては海賊版の問題で壊滅的打撃を受けたのだが、この音楽業界を救ったのがアップルのダウンロード販売であり、さらにアップル・ミュージックの「定額制の音楽配信(聴き放題)サービス」だった。

今どき「紙の出版物」にこだわっているような企業は淘汰されても仕方がないし、同時に「紙の出版物」にこだわっているような個人も淘汰されても仕方がない。

かくいう私も、恐らく他の誰よりも本を多く読んでいる人間であり、好きになった本は倉庫に保管して、今やその倉庫にも入りきれないほどの量になっているほど書籍を愛している。

私はこの所有する書籍をすべてPDF化することを決めているのだが、そうすることによって私は手のひらにおさまるスマートフォンの中に今や400冊以上もの書籍を常時持ち歩いている状況になっている。

物理的な紙の本を400冊持ち歩くというのは不可能だが、PDFや電子書籍であれば1万冊でも2万冊でも問題ない。上限はない。完全なる無限だ。

こうした事例は夥しいイノベーションのうちの、ほんの小さなひとつにしか過ぎない。

今や文明はインターネットというインフラに収斂するようになっており、金融・経済・流通・文化のすべてを飲み込んで文明を変えている。

ところが日本は遅れている。あまりにも遅れていて「このままではいったいどうなってしまうのか」という恐れもある。ほとんどの日本人が「時代遅れの毒」に気付いていないということが一番の恐怖でもある。

「時代遅れの毒」を排し、日本を次の時代でも最先端にするためには、全身全力で現在のイノベーションに飛び込んでいかなければダメだ。

そうしなければ「日本の時代」はもうない。(written by 鈴木傾城)

 

このサイトは鈴木傾城が運営し、絶えず文章の修正・加筆・見直しをしています。ダークネスを他サイトへ無断転載する行為は固くお断りします。この記事の有料転載、もしくは記事のテーマに対する原稿依頼、その他の相談等はこちらにメールを下さい。

「時代遅れの毒」を排し、日本を次の時代でも最先端にするためには、全身全力で現在のイノベーションに飛び込んでいかなければダメだ。そうしなければ「日本の時代」はもうない。

一般カテゴリの最新記事