中国を崩壊させるには、単純に情報を開放させればいいだけ

中国を崩壊させるには、単純に情報を開放させればいいだけ

2017年1月22日、中国当局はVPN(仮想プライベートネットワーク)に対する規制を強化し、より厳しくインターネットの検閲・遮断を行うことを発表した。

今後、中国はアメリカのドナルド・トランプ政権と激しく対立することになるが、トランプ大統領の歯に衣着せぬ攻撃は中国当局を激しく動揺させる。

こうした中で、中国はより情報封鎖を強化して中国政府がアメリカから攻撃されていることをあらゆる方法で隠蔽する決意をしたのだろう。

習近平は中国に不利な情報が漏れるのを非常に恐れており、狂気のようになって都合の悪い情報を削除して回っている。

中国はいつでも自分の都合の悪い情報は封鎖し、都合の良いニュースだけを自画自賛して報じる自分勝手な国だ。この傾向はますますひどいものになっている。

都合の悪いニュース、自由なニュースを規制しなければ、中国共産党は持たない。

国が汚職にまみれていることや、格差の解消が不可能であることや、習近平が無能であることや、環境破壊で人民は死にかけていることや、世界が中国を嫌っていることが自由に報道され、人民が中国共産党を批判し始めると、政権はあっと言う間に崩壊する。

情報は隠蔽され、告発しても消されていくのが中国

中国共産党はたとえ現実を知らしめないことで人民が深刻な問題を抱えたとしても、それでも情報隠蔽を止めることは絶対にない。

たとえば、環境汚染や大気汚染の正確なニュースひとつ取ってもそうだ。これらは現在「情報規制」されており、詳しい現状は誰も分かっていない。

数十万人が肺疾患で病院は膨れ上がる患者で順番待ち、さらには乳幼児の患者の3割が呼吸器系に問題を抱えていると言われている。

もう誰もが末期的で致命的であると分かっているのだが、情報は隠蔽され、告発しても消され、誰も責任を取らない。

2017年1月1日の汚染物質は基準値の20倍以上だった。

大気汚染が原因の死者はここ数年は毎年30万人いるとも言われている。現在も、大気汚染はまったく収束しておらず、日本にまでその汚れた大気が流れ込んできている。

これほど危機的な人災を情報規制することが許されるのだろうか。中国では許される。

2017年1月22日のVPN規制もそうだが、情報規制は年々強化されており、状況が悪くなればなるほど規制はますます強くなっていくのだ。

しかし、中国が情報規制すればするほど、その実態に人々は反発し、不満を持つようになっていく。

インターネットはすでに全世界に普及して誰もが使うことができるものである。「インターネットは人類全体のインフラ」である。インフラが整備されていないのであれば、文明は成り立たない。

つまり、いくら時代に抗っても、大きな波が何もかも飲み込んでいく。強大な中国と言えども、その影響下から逃れることができない。

情報統制が当たり前の中国にもインターネットが入り込んでいったが、インターネットは良く言えば自由、悪く言えば無法地帯のような性質がある。

この無法地帯は、容赦なく中国共産党の政治的矛盾や腐敗や隠蔽を暴き出す。

中国や北朝鮮のような独裁政権の国では、インターネットを解放した瞬間に政府に対する罵詈雑言が莫大に飛び交って政権の基盤が揺れ動く。

都合の悪いところは一切合切を隠蔽する当局の姿勢

中国では腐敗した中国共産党に対する人民の恨みは非常に強い。他の国と違って人民の世論を野放しにしたら、その瞬間に中国という国は騒乱に巻き込まれてしまう。

しかも、中国の場合は共産党の一党独裁なので、共産党が崩壊するというのは、中国が崩壊するということと同じなのだ。

インターネットが中国に浸透していった過程を見ていたとき、こんなものを認めるとは、中国共産党も相当「一党独裁」への自信があるのだろうと人々は考えた。しかし、違った。

結局は「都合の良いところだけを取って、都合の悪いところは一切合切を隠蔽する」という中国の現実にインターネットを従わせることで折り合いをつけていた。

中国は2010年にグーグルを追い出した。自由に検索させないためである。検索結果にも検閲された結果しか出してはならないのだが、グーグル社の検索エンジンは何でも出す。

だから、中国政府は国家崩壊しないためにグーグル社を従わせるか追い出すしかなかった。グーグルは検閲に反対し、中国から出て行った。

このグーグル社の問題は、本質的にお互いに相容れない思想と思想の衝突だった。

中国は共産党一党独裁のために社会を「束縛」したいが、グーグル社はインターネット発展のために社会を「自由」にしたい。

束縛と自由。まったく違う世界、光と闇のようなものである。

インターネットの権化であるグーグル社が、隠蔽大陸の中国とこのような対立が生まれるようになったというのは、お互いの立場上、当然のようにも見える。

情報の統制を行いたい中国にとっては、情報を全面開放することは最初から認められないことだ。中国にとっては体制の存続がかかっているのである。

「自由なインターネット」など認めるはずがない

欧米がどんなに批判し、市民団体や企業がどんなに正当な権利を主張しても、中国はこれからも頑として「自由なインターネット」など認めない。

中国は情報統制をしなければ国が存続できないのだ。それほど、中国共産党というのは「弱い」体制なのである。強大に見せているが、情報開放すれば倒れるくらい弱いのだ。

だから、規制を緩めるどころか厳しくして言論を封鎖したいと中国当局は思っている。

検閲はこれからも続く。反体制派に対する攻撃やハッキングも続く。もし一企業がそれに納得できないのであれば、中国から撤退しなければならないのは当然だ。

しかし、逆に言えば、情報の自由化が中国共産党のアキレス腱であり、巨大な弱点であるということだ。

一党独裁の中国では、その一党さえ崩壊したら終わりだから、強固に見えて非常に脆弱な国家体制である。一点が崩されればもう後がない。

もし、何らかの状況変化で不都合な情報が封鎖できなくなってしまったらどうだろう。

今後、インターネットの世界で技術的なブレイクスルーが起きたとき、中国の検閲は一気に無意味になるかもしれない。そうなれば、中国は終わりなのだ。

中国の情報封鎖を無効にするような新技術が生まれる可能性はゼロではない。

中国の人民がこぞって「真実の情報」に触れてしまうと、やがてはそれが国家そのものを追い詰めていくことになる。中国を崩壊させるのは周辺国の軍事力ではなく、周辺国からなだれ込んで来る「情報」である可能性がある。

そう言った意味で、ドナルド・トランプが中国と敵対して中国を攻撃しようとするならば、中国の情報封鎖を朝から晩まで責め立てて、情報封鎖を止めさせるようにありとあらゆる方法を試せばいい。

情報が解放されたら、中国共産党は自滅するのだから、情報の開放はトランプ政権の大きな武器となる。

中国の人民がこぞって「真実の情報」に触れてしまうと、やがてはそれが国家そのものを追い詰めていくことになる。中国を崩壊させるのは周辺国の軍事力ではなく、周辺国からなだれ込んで来る「情報」である可能性がある。

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