クラウドを制した4つの超巨大ハイテク企業はすでにモンスターである

クラウドを制した4つの超巨大ハイテク企業はすでにモンスターである

2018年8月15日、グーグルは「Google One(グーグル・ワン)」においてクラウドの料金を引き下げている。

これによって、アップル、マイクロソフト、アマゾン等のライバルにアドバンテージを手に入れることを画策しているのだが、こうした動きがあると他社もまた値下げ競争に果敢に立ち向かうことになるはずだ。

ストレージはどんどん安くなっていき、クラウド競争は激甚化していく。

すでに世の中は、スマートフォンのデータをクラウドに保存するスタイルが一般的になっている。デバイスを渡り歩いてもクラウドにデータが保存してあれば、どのデバイスでも自分のデータにアクセスすることができる。

一度、こうした利便性を手に入れたら人は決して後戻りすることはないので、クラウドの重要性はこれからも当面は続いていくことになる。

だから、グーグル、アップル、マイクロソフト、アマゾン等のハイテク産業の巨人は、こぞってクラウドに莫大な投資を行ってユーザーの囲い込みを行っているのだ。

いったん、囲い込みに成功すれば、そこからは継続的な「日銭」が入って収益は安定することになる。クラウドは今や巨大ハイテク企業にとっては欠かすことのできない最重要分野なのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

「インターネット、自分撮り、クラウド」で悲劇が

私自身は2012年頃はクラウドのセキュリティに懐疑的で、自分のデータをクラウドに保存するのをためらった。クラウドに関しては、遅かれ早かれセキュリティ関連から大きな問題が引き起こされると見ていた。

それが的中したのが2014年だった。

この年、アップルのクラウドである「iCloud」にデータを保存していたハリウッド女優たちのアカウントがハッキングされて、彼女たちのヌードが大量にばらまかれるという大惨事が引き起こされた。(ブラックアジア:プライバシー皆無。地獄のような大量流出の時代に入った

インターネット、自分撮り、クラウド。この3つが大量流出を生み出したのである。

甘いパスワードを使用していると、ハッカーの「ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)」の手口で簡単に破られる。ブルートフォースアタックとは、ウィキペディアではこのように説明されているものだ。

『暗号や暗証番号などで、理論的にありうるパターン全てを入力し解読する暗号解読法。例としては、自転車のチェーンロックやトランクのダイヤル錠を、全ての番号の組み合わせ(4桁なら0000から9999まで)を片っ端から試す方法と同じで、この「片っ端から」で、いずれ正解に行き着こうというもの』

自分の名前、生年月日、あるいは「password」やら「12345」のような甘すぎるパスワードをクラウドに設定して、そこに自分のプライバシーのすべてをありったけ保存しているというのは、鍵をかけていない自分の家に現金すべてを置いておくに等しい。

アップルのクラウドにプライバシーのすべてを保存してハッキングされた2014年のハリウッド女優ヌード流出事件は、クラウドの危険性を如実に示すものとなった。

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やっと私もクラウドを使うようになっていった

この流出事件ではヌードが大量流出してしまった女優たちが最も衝撃を受けたはずだが、それに劣らず大きなダメージを受けたのはクラウドを運用していたアップルだった。

以後、アップルはクラウドに関しては神経質なまでにセキュリティ重視とプライバシー保護に突き進むようになり、大きな問題を引き起こすことは次第になくなっていった。

今や警察当局すらもアップルのクラウドに保存されたデータにアクセスすることができなくなってしまっているほど、そのデータは頑丈に守られている。

フェイスブックが、ユーザーのデータを簡単にのぞいて切り売りしているのとは対極の姿勢になったのは、こうした悲劇的な事件があったからでもある。

この事件以後、グーグル、マイクロソフト、アマゾンもセキュリティをかなり強化するようになり、やっと私もクラウドを使うようになっていった。

私の場合は、過去に撮りためた写真から、差し障りのないものをバックアップ代わりにクラウドに保存するのがメインになっている。

その差し障りのない写真だけでも数ギガ分あるわけで、これをクラウドに保存しておけば、自分が所有しているハードディスクが故障して読めなくなったとしても、いつでも取り戻せるので安心感はなかなかのものだ。

今までは、物理データの破損や紛失でさんざん重要データがなくなったが、クラウドはその点「大手ハイテク企業が細心の注意で保管してくれる」わけで自分がやるより確かではある。

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いまややモンスター化しているという認識を持て

私ですらもクラウドに移行しつつあるわけで、割り切っている人ならば、もはやプライバシーのほぼすべてをクラウドに移行していたとしても不思議ではない。

同じクラウドに大事なデータを保管するというのであれば、誰もが考えるのが「絶対にサービスが止まらず、ハッキングにも強く、名の知れた安心できる企業に預けたい」ということだ。

自分のデータを預けるのだから、聞いたこともないような新興企業であれば躊躇してしまうし、思い切って預けたとしてもサービスがいつしか停止したり、データが吹き飛んでしまうような重大事故が起きたりすることもある。

またユーザーが増えれば増えるほどアクセスのスピードが落ちたり、サービスの質が悪くなることもある。

そう考えると、クラウドにデータを預けるのであれば「大手に預けたい」と考えるのは当然のことだ。クラウドは、ある意味「巨大な大手が圧倒的なアドバンテージを得る世界」であると言える。

すでにクラウドでは大手が大手同士で苛烈な価格競争を行っているので、巨大なスケーラビリティを持った企業でないと太刀打ちできない領地になっている。

だから、グーグル、アップル、マイクロソフト、アマゾンの4大巨頭は互いに競争しながらも4社独占の世界になるはずだ。

クラウドと言えば、他にもIBMやオラクルやアドビ等も独自のクラウドを用意しているのだが、スケールや質で言えば先頭にいる4大巨頭に敵わない。

クラウドはいったん独占できれば長きに渡ってユーザーを囲い込めるので大きな利益が転がり込んでくることになる。そのような観点から見ても、4つの巨大ハイテク企業は突出した影響力を持ち続けることになる。

グーグル、アップル、マイクロソフト、アマゾンは、いまや規模においても影響力においても社会的重要性においてもモンスター化した特別な企業と化しているのだ。(written by 鈴木傾城)

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