北朝鮮のブタのように肥え太った指導者、金正恩(キム・ジョンウン)が自分の首が飛ぶのが嫌で「平和・対話」と言い出したら、韓国や日本の「識者」なる人間たちが涙を流さんばかりに喜んでいる。
中には「金正恩にノーベル平和賞を」と推す動きさえも出てきている。
金正恩(キム・ジョンウン)が自国民を大弾圧し、邪魔者を次々と粛清してきた。2017年2月13日には異母兄である金正男(キム・ジョンナム)をマレーシアの空港で毒殺した。
人々はなぜ簡単に忘れることができるのか。
他国の空港で工作員を放って毒殺する人間が「平和賞」の候補に推す人間がいるということ自体が異常だが、推しているのも工作員であると考えれば分かりやすい。
アメリカや日本は北朝鮮のこうした動きを冷ややかに見つめていて、言葉だけでは制裁解除に乗らないので北朝鮮も苛立ち、「相手を意図的に刺激する行為は対話ムードに冷や水を浴びせ、情勢を白紙に戻す危険な試みだ」と威嚇している。
これは「我々が対話してやるのだから妥協しろ」という恫喝なのである。「白紙になったらお前たちのせいだ」とテロ国家が叫ぶのだからどうかしている。北朝鮮は対話するのではない。対話させられるのだ。(鈴木傾城)
北朝鮮は、もう中国にとってもお荷物になっている
いくら金正恩が「人間味」を見せたところで実態が変わるわけではない。
私たちが知るのは、北朝鮮の現政権は人々を黙らせ、邪魔者を消し、抹殺し、そうやって生き延びている史上最悪の独裁国家であるということだ。
「平和・対話」と言い出している金正恩の姿に騙される日本人が知る必要があるのは、「北朝鮮はいくらでも手のひらを返す信用できない国家」という実体だ。
国際常識もなく、民主主義もなく、言論の自由もない国が日本のすぐ近くにあり、こうした国家が「朝鮮総連」みたいな組織を持って日本にも侵入しているというのを私たち日本人は知る必要がある。
北朝鮮は今も暴走している最中なのである。北朝鮮の傲慢さはとまらないし改まらない。
北朝鮮問題の落としどころがどこにあるのか、自滅したいのか、戦争したいのか、ただ食料援助と経済援助してもらいたいだけなのか誰にも何も分からない。
だから、これから何が起きるのか、この恫喝外交の果てに何が待っているのかも誰にも分からない。
今までのアメリカは戦争するつもりはまったくなく、東アジアのこの面倒事を中国に何とかしろと押し付けていた。しかし、肝心の中国も北朝鮮の暴走にはとっくの昔にお手上げの状態になってしまっている。
「中国は北朝鮮政権の崩壊を心配して今まで我慢してきたが、今は考えが変わっている」のではないかと指摘するアメリカのシンクタンクもある。
北朝鮮の背後には常に中国がいた。しかし、たび重なる北朝鮮の核実験を境に、数年前から中国と北朝鮮の不協和音が取り沙汰されるようになり、トランプ大統領の登場から北朝鮮が中国にとってもお荷物になっている。
もし、中国が北朝鮮を見放しているのであれば、すでに金正恩政権は命運が尽きているということになる。
クズのような国家を維持させる必要性はない
しかし、実際に後になってみないと本当に中国が北朝鮮を見放していたのかどうかなど状況判断はできない。
今後はじまる米朝会談に中国は自分たちを同席させろと北朝鮮に圧力をかけているのだが、これを持って「中国は北朝鮮側にある」と分析する人もいる。
しかし、米朝会談に中国が同席したいのは、北朝鮮のためではなく中国自身のためでもある。北朝鮮がアメリカと妙な取引をして中国の手綱から離れるのを警戒している。
中国もまたまるっきり北朝鮮を信用していない。だから、こんなことになっている。
北朝鮮は暴走しているのか、暴走を演じているのか。中国は背後にいるのか、見放したのか。それによって北朝鮮の運命は変わっていく。
アメリカのトランプ政権の内部には、もう北朝鮮を信じている人間はいなくなった。強硬派ばかりである。だから、この米朝会談が失敗に終わったら、次のステージに入る。
次は、戦争の準備だ。ただ、実際に戦争になるのかどうかもまた状況は流動的なので何とも言えないところがある。起きると見る人もいれば、起きないと見る人もいる。
幅広い見解があるのは、流動的な状況の中で北朝鮮に関わる当事国がどのように動くか分からないからである。
何が起きてもおかしくないし、逆に何も起きなくてもおかしくない。暴発によって北朝鮮情勢は一気に流れが変わる可能性もあるが、各国が自制し合って暴発も起きない可能性もある。
しかし、ただひとつ言えることがある。
北朝鮮の金正恩政権は、世界中で最も政権を維持させる価値のない独裁政権であるということだ。
国民を強権と凄まじい圧政で追い詰め、軍事増強に走り、政権を批判する人間は片っ端から強制収容所に送る。
覚醒剤や偽札や武器を製造して他国で売りさばき、周辺国の国民を拉致し、スパイを送り込んで情報を盗む。
恫喝外交で食料支援を強制し、それを批判されるとミサイルを飛ばして威嚇する。
このようなクズのような国家体制を維持させる必要性はまったくない。本来であれば金正日時代に崩壊させなければならなかった国家なのである。
日本は政治家ですらも北朝鮮の息がかかっている
逆に言えば、北朝鮮が誰にとっても「邪魔」な国家になりつつある今こそが北朝鮮というクズ国家を完全に壊滅させるチャンスであるとも言える。誰もがそれを願っている。
元来、北朝鮮がここまで生きながらえてきたのは、北朝鮮がアメリカと中国の緩衝材の役割になっていたからである。
韓国には在韓米軍基地があり、中国は明らかに中国に近すぎるこの基地を嫌っていた。北朝鮮が崩壊すると、北朝鮮を中国が取るにせよ、アメリカが取るにせよ、国境は米中の直接対峙となる。
それを避けるために中国は北朝鮮を緩衝材として利用し、アメリカもまた北朝鮮の存在を日韓に武器を売るための方便として利用してきた。
しかし、そうやって北朝鮮を放置した結果、今やこの危険な独裁国家は周辺国にとっては思った以上に危険でコントロールできない存在になっていった。
そうである以上、日本は北朝鮮という東アジアの「癌」を取り除くために働きかけなければならないし、日本自身も防衛のためにより強い武器を持たなければならない。
平和への試みが尽きたら、次は戦争しかない。戦争であれば日本も攻撃の危機にさらされる。
これは日本にとっては緊急の課題である。なぜなら、反日国家である北朝鮮が暴発するとしたら、真っ先に日本にミサイルを撃ち込むに決まっているからだ。
またミサイルだけが危機なわけではない。日本には北朝鮮の工作員がうごめいている。北朝鮮が追い詰められれば追い詰められるほど、日本の国土は危険になっていく。いつでもテロは起こされる。
最も適切な解決方法は何か。
それは、言うまでもなく北朝鮮が崩壊することである。「北朝鮮の崩壊なくして平和なし」と政治家は言わなければならない。しかし、それを言える政治家はほとんどいないだろう。
なぜなら、日本は政治家ですらも北朝鮮の息がかかっているのだから……。(written by 鈴木傾城)