グローバル化と多文化共生の「強制」は社会を混乱と破壊に導くのだ

グローバル化と多文化共生の「強制」は社会を混乱と破壊に導くのだ

グローバル化と多文化共生の「頭の中がお花畑の理想主義」が現実に生み出したもの。それは、社会に対する強烈な対立と不満と憎悪だった。

グローバル化を推進し、多文化共生を「強制」させたのはエリートとエスタブリッシュメントである。彼らはそこから莫大な儲けを手にする。そのため、グローバリズムを心から愛している。

しかし、こうしたエリートやエスタブリッシュメントは、人口から見るとほんの1%に過ぎない。残りは非エリートであり、グローバル化した社会の中で支配される側の階級だ。

その支配される側の人々は、別に今の社会を心から愛しているわけでもない。グローバル化によって恩恵を受けているわけはない。

むしろ彼らは社会の底辺に押し込まれ、エリートに歯車扱いや使い捨てにされて怨嗟を抱き、ブラックな仕事を強制されて不満が鬱積し、低賃金で怒りが爆発しそうになっている。

エスタブリッシュメントにとっては企業を成長させ、利益を生み出すためにグローバル化は非常に大切な動きだが、労働者にとってはそんなものはどうでもいい。

むしろ、グローバル化は支配される側の労働者にとっては敵である。なぜか。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

それを破壊したいという意識的・無意識的な感情

グローバル化することによって、企業は新興国との激しい価格競争に巻き込まれる。その結果、コストの削減が必要になっていく。コストの大半は賃金なので、賃金は下げられていく。

あるいは合理化が徹底的に追求されて労働者は削減されていく。さらに激甚化していく競争に企業が敗れたら、一気にリストラされてしまう。

グローバル化は労働者にとっては、賃金引き下げと身分不安定を生み出すものだったのだ。

当初、労働者はグローバル化が何をもたらすのか分からなかった。だから、企業やマスメディアがそれを推進しても労働者は「自分たちには関係ない」と考えただけだった。

そして、それが自分たちの仕事や賃金を破壊するものであることに気付いた時は、もうすっかりグローバル化は突き進んで後戻りできない状況と化していたのである。

さらにグローバル化によって移民や難民が大量にやってくるようになると、欧米先進国の労働環境はもっと悪化していった。

外国からやってきた人々が低賃金で働くので、自分たちの仕事が奪われていったのだ。しかも彼らは福祉にただ乗りした。その上、自国の文化に馴染まないので社会の底辺での軋轢は非常に増えていった。

一方で移民・難民たちもまた自分たちが公平に扱ってもらえないことに苛立ちを感じ、社会に怒りを爆発させて社会を破壊していく。

それが欧米先進国に起きたことだった。

グローバル化はやることなすことすべてが、労働者を犠牲にしてしまう。

その結果、欧米先進国の多くはグローバル化に激しい憎悪を抱くようになり、それを推進するエリートやエスタブリッシュメントにも激しい怒りを感じるようになっていった。

欧米では反移民・難民の政党が躍進し、アメリカでは反グローバリズム、反エスタブリッシュメントのアウトサイダー、ドナルド・トランプが登場したのはそんな背景があった。

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隠そうと思っても隠せない負のエネルギーが噴出

怒り、恨み、憎悪……。それがグローバル化と多文化共生を「強制」された社会の底辺で生まれ育っていた感情である。

マスメディアは「暴力の感情」がグローバル化によって膨れ上がっていることに気付かなかった。しかし、それは今やマスメディアが隠そうと思っても隠せない負のエネルギーとして表側に噴出している。

グローバル化によって生み出された歪みに、人々は耐えられなくなってきている。そして、「暴力の感情」はどんどん膨れ上がり、次第にその言動が無視できないものとなっていったのである。

「なぜエリートどもが信じられないほど儲けて、我々が貧困に堕ちないといけないのか?」

「なぜ外国から知らない人間どもがやってきて我々の国に住み着いて大きな顔をしているのか?」

「なぜ政治家は貧困に喘いでいる自国民を放置して、外国の方ばかりを優遇するのか?」

グローバル社会など普通の人は求めていない。にも関わらず、グローバル化はどんどん推進されていく。

既存の政治家はみんな大企業から献金を受けてグローバル化推進主義になっており、誰も自分たちの不満を代弁してくれない。完全に無視されてしまっている。

そんなグローバル化第一の風潮に人々は不満を隠せなくなり、爆発的で危機的な怒りを感じている。こんな社会を破壊したいという意識的・無意識的な感情が渦巻いていく。

そんな中でインターネットが多数派の層に開放されて誰もがSNSで発言し、思いをぶちまけるようになっていったのである。

そうなれば、今の社会に対する強烈な罵詈雑言と憎悪と対立がそこに発生しても何ら驚くに当たらない。

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最後は、リアルな世界で物理的な暴力を生み出す

誰もが、突き進んでいくグローバル化に対して激しいストレスを抱えている。どんなに真面目に働いても、どんどん合理化や賃金削減やリストラによって犠牲にされてしまう。

そんな時代に生きているのだから、そのストレスは既存のエスタブリッシュメントに向けられていく。今や、エスタブリッシュメントは労働者の敵になったのだ。

だからグローバル企業は攻撃され、傲慢な経営者が攻撃され、忌々しいセレブが攻撃され、金持ちの味方でありグローバル化を賞賛するマスコミが攻撃される。

さらに、グローバル化によって自国に入り込んできた自分たちとは価値感の違う人種、宗教、文化、哲学を持った人間との激しく実りのない攻防も生まれる。

外からやってきて好き勝手に振る舞って権利だけを主張する人間と、今まで大切に自国文化を守って来た人間とがうまくいくはずがない。価値感があまりにも違い過ぎるからだ。

だからインターネットでも、こうした人々はみんな相互憎悪で対立する。それは無限の罵詈雑言と中傷となって吹き荒れていき、暴力の言葉が積み上がっていく。

理解も和解もない。どちらも激しい言葉には激しい言葉で返すようになり、罵詈雑言と中傷と差別の応酬と化してインターネットはどんどん荒廃していくのが現実なのだ。

インターネットは怨念と怨恨で荒廃し、対立と衝突の温床になっていく。これから起きるのは社会の果てしない荒廃であるのは約束された未来だ。

それは止めることができない。なぜなら、すでにグローバル化というバスは暴走しており、それは行き着くところまで行くしかないのである。グローバル化は止まらないし人間の本性も変わらない。最後まで暴走する。

では、どこに行き着くのか。

もちろん、インターネットで噴き出して止まらない言葉の暴力は、リアルな世界で物理的な暴力を生み出す。これで、名実ともに「暴力の時代」に入る。主義主張や立場や人種や宗教の違う人々が、互いに殺し合う時代がやってくる。

実際、ヨーロッパではすでに移民・難民たちと白人たちが路上で、罵り合い、殴り合い、殺し合いをしているのである。(written by 鈴木傾城)

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「アメリカ第一」を訴えて、既存の枠組みを次々と破壊していくドナルド・トランプ大統領。トランプの登場は、グローバル化への怒りから生まれてきているのは間違いない。

フランスで大暴れする移民・難民たちと暴動を収めようと苦慮する警察。

 

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