変われないと生き残れない。今の日本が必要としているのは新しい人間だ

変われないと生き残れない。今の日本が必要としているのは新しい人間だ

至極当たり前のことだが、これから高速大容量の「5G」の時代に入ると、ますます世の中のスピードは加速されていくのだが、その中で見捨てられるのは、紙に依存したビジネスモデルであるのは間違いない。

「紙に情報を印刷してそれを売る」というのは、制作に時間がかかり、コストがかかり、運搬の労力もかかる。

いまだに「紙でないと読んだ気にならない」という人間もいるが、昔ながらの慣れがそう思わせているだけであり、人間は紙で何かを読もうがディスプレイで何かを読もうが、理解はそれほど変わらない。「紙でないと」と固執するのは、時代遅れも甚だしい。

紙はコストは保有するにも面倒で、場所も取り、資源も莫大に浪費される。今の時代に合っていない。だから、「紙に情報を印刷してそれを売る」というビジネスは次第に見捨てられ、縮小し、消えていく。

完全にはなくならないし、最後の最後まで紙にしがみつく人間がいるのは当然だが、彼らは次第に少数派に転じていき、新しい情報がすべてインターネット経由になることで時代にも遅れていく。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

先駆者もカリスマも現れない日本

最近、久しぶりに都内の大型書店に行ったのだが、大量に並べられている莫大な書籍を見て私が思ったのは、「日本にはまだ紙の書籍を必要とする人たちがこれほどいるのか」ということだった。

本を愛するのは構わないのだが、紙の本に依存する人は少数派でいい。すでに人類のインフラはスマートフォンの中にあるのだから、欲しい書籍はスマートフォンで手に入れるようにすべきだ。

別に出版社を潰そうという意図は私にはない。逆だ。出版社は、全力で電子書籍に向かい、電子書籍で生き残りをかけ、日本人が電子書籍中心になるように、読者を啓蒙しなければならないのである。

紙に未来などないのだから、電子書籍で未来を作っていかなければならないし、そのためには紙と電子書籍の掛け持ちではなく、もっと抜本的な動きを加速させていかなければならない。

それをしないで紙にこだわっているから凋落していく。

さらに今の日本の不幸な状況は、若者からも文学者からも「電子書籍を啓蒙するカリスマ」が生まれないことだ。日本を高度情報化社会にふさわしい国に作り変えようと身を粉にして訴えるカリスマがいないことだ。

後ろを向いている人間はおびただしくいるのだが、将来のあるべき姿を予見して、時代を前に進めようとする人間が登場しない。

日本人は高度情報化社会についていく素養もあれば技能もある。そして、それに親しむことのできる人口もある。

しかし、「紙なんかにこだわっていたら駄目だ。そんなことをしていたら日本全体が時代に遅れてしまう。紙を捨ててインターネットで本を読もう」と強く訴える先駆者もカリスマも現れない。

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誰も出てこないで硬直化

放っておいてもいずれ時代は古いものを淘汰する。それは事実だ。しかし淘汰が遅れると、世界に置いてけぼりにされて日本に莫大な損失が生まれる。

「先駆者もカリスマも現れない」というのは、些細な点に見えるかもしれないが実は今の日本社会の問題点である。

今の日本は、家電メーカーもソフトウェア企業も世界が驚き求める製品を出していないが、なぜそんなことになったのか。

なぜ小さく精密なものを作れるはずの日本が、スマートフォン市場で世界を席巻することができず、どんどん敗退してしまっているのか。

日本には技術もある。人もいる。資金もある。

しかし、日本には「将来のあるべき姿を予見して、時代を前に進めようとする人間」が、あらゆる分野に足りていない。

すでにスマートフォンの時代に入って久しいが、最初にスマートフォンが登場したとき、不幸なことにそこに凄まじい可能性を見い出し、「日本はここに注力しないと大変なことになる」と強烈に訴えて日本社会を変えようとする先駆者が業界から現れなかった。

キャリアも、ソフトウェアメーカーも、折りたたみ式の古臭い「ケータイ(フィーチャーフォン)」の小さな世界で得られる売上と利益に固執して、すべてを捨ててパラダイム・シフトに乗り出そうというカリスマが日本に声を轟かせなかった。

その結果、世界はさっさとスマートフォンに乗り換えて、そこで文明を変革するイノベーションを次々と生み出したのに、日本だけが相変わらず昔ながらの「ケータイ」に固執して「ガラパゴス化」してしまった。

なぜ日本は大きく出遅れたのか。時代が変わったのに、未来を見通して「このままでは駄目だ、変わらなくては」と気づいて声を上げる業界の人間が出てこなかったからだ。

あらゆる業界で、ビジョンが見通せる人間が登場しなければならないのに、あらゆる業界で誰も出てこないで硬直化してしまっている。

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変われないと日本が終わる

日本には、将来を見通してビジョンを持って業界を揺さぶるカリスマが、それぞれの業界に必要だ。出版社には出版業界のカリスマが、ソフトウェア企業にはソフトウェア企業のカリスマが必要になる。

そして、将来のビジョン云々とはまったく関係のないように見える業界である銀行の世界でもフィンテックに揺さぶられているのを見ても分かる通り、ビジョンを指し示すことができる人間が必要なのだ。

銀行は、従来の紙幣や小銭を扱うビジネスが行き詰まって、もうこのままでは生き残れるかどうかの瀬戸際になる。

だからこそ、「紙のカネをなくせ」「日本人はキャッシュレスに移行しろ」と社会を啓蒙し、「我々はこのイノベーションで日本を変える」と訴えるカリスマが業界から登場してすべての日本人に熱く訴えなければならないのである。

テレビ業界も、証券業界も、建設業界も、製造業界も、不動産業界も、保険業界も、医療・福祉業界も、飲食店業界も、教育界も、あらゆる業界が今のままでいられずに「変わる」ことを求められる。

これから、人工知能・ロボット化・ドローン・仮想現実・IoT・5G……と新しいイノベーションが次々と時代を変えていくことになる。変われないとその業界が終わると同時に日本も終わる。

こうしたイノベーションを取り込んで、人々を驚かせる製品やサービスを作り出した企業が世界を制覇し、そうしたテクノロジーを縦横無尽に使いこなす先駆者が次の時代のカリスマになる。

ビジョンを見通して社会を変えるカリスマは、経団連のような老人クラブからは生まれない。経団連は既得権益を守る団体であり、新しいものを生み出す団体ではない。そして政府は新しいものを生み出すのが仕事ではなく、規制してそこから税金を取るのが仕事だ。

だから、社会を変えるのは、今の日本社会で既得権益を持たない「新しい人間」であるのは間違いない。

イノベーションに遅れた社会、人々を揺さぶる人間が、あちこちの業界で登場するようになって、初めて日本は次の時代に移ることができる。

では、もし新しいカリスマが登場しないのであればどうなるのか。その業界は、変わることができず静かに朽ちていくのである。生き残れない、ということだ。(written by 鈴木傾城)

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イノベーションに遅れた社会、人々を揺さぶる人間が、あちこちの業界で登場するようになって、初めて日本は次の時代に移ることができる。では、もし新しいカリスマが登場しないのであればどうなるのか。その業界は、変わることができず静かに朽ちていく。

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