中国「ファーウェイ」が危険であるという認識は日本人には徹底されていない

中国「ファーウェイ」が危険であるという認識は日本人には徹底されていない

中国企業ファーウェイの作るスマートフォンは、今やアンドロイドOSが走るスマートフォンでは圧倒的なシェアを持つようになっている。

しかし、このスマートフォンは、中国が世界中から知的財産を侵害して技術を盗んだ結晶としてできあがったものであり、ファーウェイが自社で一から開発したものではない。

中国は、自国内に工場を作る企業に対しては、必ず中国側と合弁会社を作ることを強制していたのだが、その理由は言うまでもなく「技術をそっくりそのまま盗み取るため」に他ならない。

さらに中国は日米欧の企業秘密を、工作員を潜り込ませたり、ハッキングしたり、買収したりして徹底的に盗み取っていた。自社製品に一定の期間でユーザーのすべての情報を中国のサーバーに送るトラップまで用意する始末だ。

ファーウェイが「スパイ企業である」と最初に指摘したのはFBIだったが、ファーウェイのスマートフォンは「送受信したSMSの本文、連絡先、通話履歴、電話番号、端末の識別番号を72時間ごとに中国のサーバに送信する機能が搭載されていた」のだった。

それを知ったトランプ大統領はただちに軍関係者にファーウェイのスマートフォン使用を「国防権限法」で禁じて、ここからアメリカの中国貿易戦争の幕が切って落とされた。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

ファーウェイと中国共産党

ファーウェイの創業者である任正非(レン・ツェンフェイ)は人民解放軍出身であり、中国共産党とのつながりも非常に深い。習近平とも個人的につながっている。

そうした企業がスマートフォンでシェアを取り、さらに次世代通信「5G」の移動通信システムで欧米のシステムの中枢に入り込むというのは、まさに中国に全世界の情報を与えるも同然の行為である。

ファーウェイの創業者レン・ツェンフェイは、「中国共産党に支持があっても顧客情報を渡さない」と言っているのだが、そんなうわべの言葉を「そうなのか」と信じるような間抜けはどこにもいない。

それはファーウェイが今までやってきた悪行の数々を見れば分かる。ハッキング、個人情報窃盗、銀行詐欺、通信詐欺、TモバイルUSに対する企業秘密の窃盗、資金洗浄、司法妨害、他者の情報を盗んだ社員へのボーナス……。

アメリカだけでなく、ポーランドでもファーウェイの社員が他社の情報を盗もうとして2019年1月に逮捕されている。

これだけのことをやってきて「信用しろ」と言っても信用できるわけがない。レン・ツェンフェイも欧米の諜報組織からマークされており、それを知っていて中国国内から出てこないし、マスコミのインタビューもほとんど受けない。

その代わりとしてファーウェイ幹部の地位にある娘、孟晩舟(モン・ワンジョウ)に全世界の折衝に当たらせていた。

しかし、この娘がカナダで逮捕されて、パスポートを8つも所持してそれを使い分けていたことが発覚した。

当たり前の話だが、民間人はパスポートを8つも持てない。中国共産党が、ファーウェイの経営者が工作活動をしやすいように「便宜を図っていた」ということだ。

だから、アメリカは断固としてファーウェイの排除に動いているのである。アメリカがファーウェイの使用を禁止し、同盟国にも「ファーウェイ排除」を強制したのは、情報戦争を戦う上で当然のことだった。

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危険性を説明しないのは悪質

日本政府もファーウェイの締め出しを決断したが、ドコモ・ソフトバンク・AUのキャリアは今ものうのうとファーウェイのスマートフォンを売っている。さらに電通はファーウェイのコマーシャルを宣伝し、ITメディアもファーウェイのスマートフォンをまるで通常のスマートフォンのように売っている。

日本のITメディアはどうかしている。今もなおファーウェイの危険性にまったく触れず、ただファーウェイのスマートフォンの提灯記事ばかりを書きまくっている。

ファーウェイは以前一眼レフで取った写真をいかにもファーウェイのスマホで撮ったかのように細工しているのがバレたのだが、それ以外にも2018年9月にはベンチマークテストのスコアを水増しするモードが搭載されていることもバレている。

バレていないところでは「何をやっているのか分からない」という不気味さがある。

そういった陰湿極まりない消費者への「騙し機能」を搭載しているのがファーウェイのスマートフォンなのに、日本のITメディアはそれを絶賛したりして提灯をつけているのだから救いようがない。

要するに、日本のITメディアは広告料をもらうために読者にファーウェイの危険性を知らせないようにして、さらにはIT系のライターもカネを稼ぐために何食わぬ顔でファーウェイの提灯記事を大量生産しているということだ。

そして、それを日本のキャリアが「アップルのアイフォーンよりも安い」と言って、若者や中高年に売りつけているのである。

危険が分かっていても中国共産党に自分の個人情報を与えたいと考える赤く染まった人間もいるだろうからファーウェイを買う人間がいてもいいが、売り手がファーウェイの危険性をまったく説明もしないで売るというのは悪質だ。

ファーウェイを売るなら、「中国共産党にすべての情報を抜かれる可能性があります」と危険性をきちんと消費者に伝えて売る必要がある。

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それは、まさに「危険物」である

ウィルバー・ロス商務長官は「中国企業は何年も前から、わが国の輸出法を破り、制裁に違反し、自分たちの違法活動の便宜のために、米金融制度を利用してきた。それはもう終わりだ」と言い切っている。

世界中がファーウェイを排除している。アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、日本は比較的早くそれを決断したが、その後もフランスの通信大手オレンジ、ドイツテレコム、イギリスのBTが続いた。

今もこうした動きは世界中で起きており、2019年2月5日には、デンマークでコペンハーゲン駐在のファーウェイ社員をスパイの疑いで国外追放しているし、ノルウェーも情報機関が国民に対して「ファーウェイは危険だ」と警鐘を鳴らしている。

「ファーウェイは何もやっていないのに、アメリカがファーウェイを潰したいから勝手に騒いでいる」と批判するファーウェイ擁護者は数ヶ月前までいたが、ファーウェイ社員が相次いで「スパイ工作」で逮捕されたり国外追放されている現実を見て、擁護者もいなくなった。

このように見ると、ファーウェイだけが危険な企業のように見えるかもしれない。しかし、そうではない。中国の巨大化したハイテク企業はすべてファーウェイと同様の危険性があると考えて間違いない。

たとえば、レノボは「スーパーフィッシュ」というプログラムで顧客の情報を盗み見ていたことが発覚して糾弾された過去があるし、百度(バイドゥ)も日本語変換アプリ「Simeji(しめじ)」で顧客情報を盗み取っていたことが発覚している。

また最近になって急激に台頭しているアプリに「TikTok」があるが、アメリカのピーターソン国際経済研究所は、このソフトが「ユーザーの個人情報」と「位置情報」を中国のサーバーに送っていると報告してこのように述べている。

「TikTokは中国の情報機関の為に情報収集をしている」

ファーウェイだけではない。中国のルーター、スマートフォン、アプリ、IoTは意図的かつ徹底的に私たちの個人情報を盗んでいく危険性があるということだ。それは、まさに「危険物」であると言っても過言ではない。

しかし、ファーウェイを筆頭に中国のハイテク企業すべてが危険であるという認識は日本人には徹底されていない。ここに問題がある。(written by 鈴木傾城)

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ファーウェイの創業者である任正非(レン・ツェンフェイ)は人民解放軍出身であり、中国共産党とのつながりも非常に深い。習近平とも個人的につながっている。

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