北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)が二度も米朝首脳会談に出てきたのは、世界が厳しい経済制裁を北朝鮮に科して経済的に追い詰められているからだ。国内経済はすでに立ちゆかなくなっていると言ってもいい。
そうであれば北朝鮮は核を放棄すると宣言し、世界が求めている非核化を粛々を進めればいいのだが、金正恩は知られている核施設を閉鎖して、秘密の施設で核開発を進めるという「ごまかし」で乗り切ろうとした。
北朝鮮の秘密基地は、アメリカの戦略国際問題研究所が発見したものだけでも13箇所ある。これを秘密だと思っていたのは本人たちだけで、アメリカは北朝鮮の動きを衛星ですべて知っていた。
そのため、ベトナムで行われた二度目の首脳会談で、とにかく経済制裁の緩和を求める金正恩に対して、ドナルド・トランプ大統領は「非核化が十分ではない」として断り、席を立った。
北朝鮮への経済制裁はさらに続くことは確定し、金正恩は屈辱にまみれて自国に戻るしかなかった。北朝鮮がここまでして核開発にこだわるのは、核を持てば他国から攻撃を受けない確約を得られる上に、他国を核で恫喝できるからである。
北朝鮮は「核兵器を所有すれば強国になれる」と固く信じている。そこに核を手放さない理由がある。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
北朝鮮は「本物の脅威」と化した
今まで周辺国が北朝鮮の存在を許してきたのは、北朝鮮がそれぞれの国で役に立ったからだ。
中国にしてみれば、北朝鮮を存続させて「緩衝地帯」にすることで、韓国に在駐するアメリカ軍と直接対峙を避けられていた。また北朝鮮を暴発させることによって、中国の軍拡から日米の目をそらせることもできた。
韓国にしてみれば、北朝鮮という脅威があることによって、アメリカをずっと韓国に釘付けにさせ、アメリカに延々と防衛させることができた。
アメリカにしてみれば、北朝鮮という脅威があることで、韓国や日本に兵器をいくらでも売りつけることができた。北朝鮮が暴発すればするほど儲かる。北朝鮮はアメリカの兵器産業にとっても都合の良い存在だった。
そんなわけで、各国は北朝鮮という存在をそれぞれが自分の都合の良いように利用し、それによって利益を得てきた。
金正恩は、史上最悪の人権弾圧を国民に強いているのだが、別に朝鮮民族がどうなろうと誰も気にしていない。それほど北朝鮮は取るに足らない存在である。だから今まで放置され続けてきたのだ。
しかし、状況が変わったのだ。北朝鮮が核開発と弾道ミサイルの技術を向上させると、この国は「本物の脅威」と化したからだ。北朝鮮が核配備できるようになると、中国もアメリカも今までのように「緩衝地帯だ」「兵器が売れる」などと悠長なことを言ってられなくなったのだ。
本来であれば、この北朝鮮の国家破壊はバラック・オバマ時代に行わなければならなかった。しかし、「何もしない大統領」だったオバマは、北朝鮮がどれだけ傍若無人に暴れても傍観するだけだった。
ドナルド・トランプ大統領は、そのツケを払っているのである。
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完全かつ検証可能で不可逆的な非核化
トランプ大統領は好戦的な人物で固め、対立や衝突を恐れない。ベトナムで行われた二度目の首脳会談でも金正恩に対して妥協せずに、「完全なる非核化が行われなければ経済制裁を緩和しない」という方針を徹底した。
もし金正恩が非核化の約束を守らず、裏側で核ミサイルの開発を続けるのであれば、「あらゆる手段」でそれを阻止することになる。あらゆる手段というのは、当然のことながら「軍事オプション」も入っている。
元々、トランプ大統領は北朝鮮を軍事的に破壊する意志を持っていた。その軍事作戦は「ブラッディーノーズ作戦」と呼ばれていたものだが、北朝鮮を攻撃して金正恩を抹殺するものだったのだ。
米朝首脳会談はアメリカが北朝鮮を実際に軍事で破壊する意志を固めている時期に行われたものであり、もし最初の段階で北朝鮮とアメリカが決裂していたら、「ブラッディーノーズ作戦」はすでに行われていた作戦になっていた。
この作戦が行われなかったのは、金正恩がトランプ大統領と何とか意思疎通を持つことができたのと、その際に金正恩が非核化を明確に約束したからである。
トランプ大統領がこの「非核化の約束」を無邪気に信じたわけではないのは、「非核化の動きを歓迎する」としながらも、決して北朝鮮に向けられた経済制裁を緩和しなかったことでも分かる。
トランプ大統領が望んでいたのは上辺だけの非核化ではなく、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」である。complete(完全で)、verifiable(検証可で)、irreversible(不可逆的な)、dismantlement(撤去)、すなわち「CVID」がトランプ大統領が一貫して望んでいるものである。
金正恩は、口では「非核化する」とは言うが「CVID」からは逃れようとしている。そうであれば、北朝鮮は遅かれ早かれ体制崩壊を強いられることになる。
リビアのカダフィ大佐のように、金正恩も民衆に引きずり回されて殺されるかもしれない。(ブラックアジア:カダフィ大佐、撃つなと懇願するものの頭部を撃たれて死亡)
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審判の日は刻々と近づいている
北朝鮮が崩壊するのは日本にとって悪いことではない。北朝鮮は日本人を拉致し、日本人を激しく罵倒し、しかも日本を内部から侵略しようとしている危険国家である。
日本にはスパイ防止法がないことを良いことに、北朝鮮は大量の工作員を日本の内部に張り巡らせている。
そして、これらの反日の人間どもを、政治・経済・教育・報道・司法・自治体とあらゆる分野に張り巡らせて、朝から晩まで日本を貶め、日本の国益を損なうように動いている。
マスコミが激しい反日で染まり、一向に浄化できないのは、すでに日本の中枢が乗っ取られているからだ。日本の内部は、工作員にいいように振り回され、まったく為す術がない。
こうした事実を表立って指摘する人間はみんな激しく攻撃され、人格も貶められ、ワナにはめられ、引きずり降ろされ、社会的に抹殺される。
こうした内部工作を日本で進めているのが北朝鮮であり、そしてこうした活動や攪乱を最も得意としているのも北朝鮮である。北朝鮮の脅威は、核ミサイルだけでなく内部からの侵食もあるのだ。
この流れを断ち切るには、北朝鮮という国家を完全に跡形もなく崩壊させるしか方法はない。
日本に工作を仕掛けてくる北朝鮮という国家を崩壊させない限り日本の内部工作は絶対に止まらないし、日本を愛する人たちはずっと叩き潰され続ける。そして、最後に完全に日本という国は乗っ取られる。
北朝鮮の崩壊は日本にとっては悲願でもある。
北朝鮮がどのような形で崩壊に向かうのかは誰にも分からない。しかし、審判の日は刻々と近づいている。北朝鮮の崩壊と金正恩の抹殺は、日本にとっても世界にとっても歓迎すべき未来である。(written by 鈴木傾城)
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金正恩は、口では「非核化する」とは言うが「CVID」からは逃れようとしている。そうであれば、北朝鮮は遅かれ早かれ体制崩壊を強いられることになる。
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北朝鮮は「核を保有することによって他国から攻撃を受けず、体制が維持できる」と考えている。核の開発をやめないのは独裁政権の維持のためだ。しかし、北朝鮮は不可逆的な非核化を突きつけられており、それを飲まないと体制崩壊する危機にある。北朝鮮は詰んでいる。https://t.co/OEUqrFSO4O
— 鈴木傾城 (@keiseisuzuki) 2019年3月7日