北朝鮮と「対話」するというのは、まったく意味のない行為

北朝鮮と「対話」するというのは、まったく意味のない行為

(アメリカが北朝鮮の攻撃を決断したのを知った金正恩は必死になって平和・対話と言い出し、経済封鎖から逃れるために韓国を懐柔して生き残りを図っている。日本は騙されてはダメだ。北朝鮮は平和は考えていない。自分のことしか考えていない)

2018年4月27日、韓国と北朝鮮が首脳会談を行っている。北朝鮮の金正恩はこの中で「完全な非核化の意思」を韓国の大統領である文在寅に伝えたと報道されている。

これをもって韓国や北朝鮮は「民族の和解団結と平和繁栄の新時代を開く歴史的出会い」と自画自賛している。

なぜ北朝鮮が「対話、平和」と言い出しているのかというと、日米が徹底的な経済制裁を行っており、これによって北朝鮮はもはや瓦解の危機に陥っているからだ。

さらに核開発に邁進していることによってアメリカは北朝鮮への先制攻撃をも示唆しており、それが脅しではないことに金正恩は震え上がった。

戦争になったら北朝鮮という国は勝利する確率は0%であり、今の体制は完全に消えてなくなるからである。アメリカがやってきたら、一瞬にして自分の首が転がるというのは金正恩は分かっているので、絶対に自分から戦争を仕掛けられない。

だから、急に「対話だ、平和だ」と言い出して必死になっているのである。北朝鮮は生き残りのために必死になっている。状況が自分たちに有利になるように、「しばらく」は平和路線を守るだろう。

それしか自分たちが生き残る方法は残されていないからだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

約束を守らない人間との約束は破られる運命にある

しかし当たり前だが、北朝鮮みたいな国を信じることは意味がない。

北朝鮮とは数十年に渡って実際に「対話」してきた米中も日韓も、みんな北朝鮮の嘘に振り回されてきた。嘘の平和宣言を信じて「対話」や「支援」を続けて、北朝鮮にいいように騙されて今の状況に至っている。

北朝鮮は約束を守らない国であることは誰もが知っている。約束を守らない人間と、だらだら関わるのは危険なのだ。

何を約束しても守るのは最初だけで、時期が来たら約束をひっくり返す。そんな国と対話して成果が引き出せると思う方がどうかしている。約束を守らない人間との約束は、最初から破られるものなのである。

北朝鮮はすべきことをせず、物事を自分の都合の良いように捉えて他人を激しく恫喝し、相手の責任にして何かを成し遂げる性格を持った国である。

北朝鮮と対話するというのは、北朝鮮の都合の良いように翻弄されるということであり、現にこの国と関わった周辺国はいつも北朝鮮に翻弄されていた。

北朝鮮は自分の主張ばかりで、他人の事情など考えるような多角的かつ合理的な判断など一切しない。そのため、北朝鮮と対話するというのは、北朝鮮の要求だけを飲むのと同じ行為になってしまう。

そもそも、北朝鮮はテロ国家であり、犯罪国家である。

飛行機を爆破してみたり、日本人を拉致してみたり、他国で重要人物をVXガスで殺してみたり、ミサイルを飛ばしてみたり、国家事業で偽札を作ったり、覚醒剤を作ったりして他国にばらまくような国家だ。

基本的には犯罪国家なのだ。こんな国と対話して、何か誠実な結果が引き出せると思う方がどうかしている。誠実ではない人間と関わっても、誠実ではない結果しか返ってこないのは当たり前のことだ。

犯罪国家と対話しても意味がないというのは、そういうことなのである。北朝鮮とは対話しても仕方がない。相手のワナに落ちるだけだ。

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常識や妥協が、異常な北朝鮮に通用するはずがない

北朝鮮の指導者は異常だ。金日成も、金正日も、金正恩も、みんな自己陶酔型で、国民に自分を崇拝させて、崇拝しない人間を許さない。

自分を崇拝しない人間に憤怒し、嫉妬し、怨念を持ち、強制収容所にぶち込むか、処刑する。そうやって独裁を敷き、君臨し、人民を踏みにじる。

そんな指導者と「対話」して何か実が得られると思う人の方がどうかしている。

独裁者は自分の都合の良いこと以外は絶対に認めないから、独裁者なのである。そんな人間と「対話」しても、相手の都合を押し付けられる以外の結論はない。

言ってみれば、北朝鮮と対話するというのは、北朝鮮の都合を押し付けられることを意味しており、常識や妥協が北朝鮮に通用するはずがない。

では、北朝鮮を刺激しないで温かく見守ればいいのか。

韓国はいくつかの政権が「太陽政策」と言って、北朝鮮に媚びを売る政策を取ったこともあったが、その結果は北朝鮮の傲慢さが増長しただけだった。

なぜそうなるのかというと、北朝鮮のメンタリティに対等といった概念がなく、「自分よりも強いか弱いか」しかないからだ。

相手がへりくだると「自分よりも弱い」と判断して、弱い者に対しては徹底的に傲慢になり、威圧的に命令し、いじめ抜き、従わせようとする。そして、無制限の譲歩を要求するようになっていく。

では、北朝鮮を突き放せばいいのか。

突き放すと、今度は激しい「恨み」を持ち、怒りが抑えられなくなり、憤怒を爆発させ、汚い言葉で相手を罵り、ところ構わずミサイルを撃って威嚇する。

それが後で自分の首を絞めることが分かっていても、病的で火のような憤怒を抑えることができない性格なので、どこまでも暴走する。

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対話を捨てて北朝鮮を崩壊させる時期にきた

北朝鮮みたいな国と対話したところで意味がないというのはそういうことなのだ。

対話したところで何も解決しない。解決するどころか、北朝鮮のペースに飲まれてより状況が悪化する。

北朝鮮とは「対話」してはいけないのである。

北朝鮮の現体制は、存続してはいけない体制である。今どき、一族が権力を継承して崇拝させて独裁体制を敷くような時代錯誤な政権が存在していることがおかしい。

そんな指導者が国民を弾圧しているだけなら、民族もろとも滅びようとそんなことは知ったことではない。国民をひとり残らず殺害したとしても、それは北朝鮮の国内問題だから好きにやればいい。

しかし、北朝鮮が周辺国家に対してもミサイルや核で恫喝するのであれば、「独裁でも人民弾圧でも勝手にしろ」と言っている場合ではなくなってしまう。危険な国家である。

「対話」で問題が解決しないのであれば、対話に固執したところで意味がない。

やらなければならないのは、北朝鮮の現政権を崩壊させることであるのは言うまでもない。本来であれば、金正日の時代に崩壊させるべきだった。

中国はアメリカとの緩衝地帯として北朝鮮を存続させ、アメリカは日韓に兵器や防衛システムを売るために北朝鮮を存続させてきていた。(簡単に壊滅できる北朝鮮をアメリカが壊滅させない理由とは

しかし、北朝鮮が核ミサイルを所有するようになると、北朝鮮自身が中国やアメリカの脅威になっていく。

一線を超えるのであれば、北朝鮮という国家は必要ないとアメリカは考えるようになっている。だから、アメリカは北朝鮮の攻撃を決断し、それに驚いた金正恩が必死になって命乞いをしている。

韓国の文在寅大統領はもともと北朝鮮の傀儡のような人間だ。金正恩体制を「守る」ために経済制裁されている北朝鮮を助けて延命させようとするが、日本は徹底的に距離を置いておく必要がある。(written by 鈴木傾城)

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相変わらず北朝鮮の金正恩は「核には核で報復する」と威勢のいいことを言っているのだが、戦争したら一瞬にして自分の首が転がるというのは分かっているので、絶対に自分から戦争を仕掛けられない。だから工作員に「対話が重要だ」と言わしめて必死になっているのである。

 

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