韓国のホワイト国除外は日本の素晴らしき一歩。これが対韓国外交の正常化

韓国のホワイト国除外は日本の素晴らしき一歩。これが対韓国外交の正常化

2019年8月2日。日本は輸出管理上の「ホワイト国」から韓国を正式に除外する閣議決定をしている。公布は8月7日、施行は8月28日となる。

ホワイト国とは、政府がきちんと輸出の管理を行っており、世界の平和を脅かす貨物を出さないことを徹底している国を指している。ヨーロッパの多くの国、そしてアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドがこれに該当してきた。

アジアでは唯一、韓国が日本政府が認めた「ホワイト国」だったのだが、とうとうこの韓国がホワイト国から除外された。

ただし、ホワイト国から除外されたとしても、別に日本と韓国の間で輸出ができなくなるわけではない。それぞれの貨物について、契約ごとに個別許可を取得すればいい。やましいところがなければ許可は下りる。

たとえば韓国が、中国や北朝鮮やイランのような国に戦略的物質を横流ししているのであれば、もちろん許可は下りない。

韓国は軍事にも転用できる物質を日本から問題のある国に横流ししているのではないかという「疑惑」を自ら晴らそうとしなかった。だから、ホワイト国から除外されることになった。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

化学物質の行き先が分からない

日本は意味もなく韓国をホワイト国に指定していたのだが、韓国が北朝鮮に融和的であり、かつ中国にも中東にも戦略的物資を横流しする可能性があることを考えると、なぜホワイト国に指定していたのか、そもそもそこから問われることになる。

自民党の萩生田(はぎうだ)幹事長代行は、BSフジのプライムニュースの中で「化学物質の行き先が分からないような事案が見つかっている」と述べているのだが、この化学物質がどこに消えたのか韓国は説明してこなかった。

「ある時期、今回のフッ素関連の物品に大量発注が急遽入って、その後、韓国側の企業で行方が分からなくなった。今回のフッ素関連のものは毒ガスとか化学兵器の生産に使えるもの」という話もある。

経済産業省の幹部は、「化学物質の管理をめぐる日韓の対話が文在寅政権下になってからは行われなくなっていた」「韓国側が一方的に対話を延期してきた」と話しており、こうした状況から見ると文在寅政権は意図的に「横流ししているのではないか」という疑念が浮かび上がる。

・化学兵器に転用できる物質が発注された。
・韓国は行方が分からなかった分の説明をしない。
・対話を意図的に延長。

こうした軍事転用可能な物資は「北朝鮮に横流しされている」という懸念もある。北朝鮮は国際社会から極めて強い経済制裁を受けているのだが、そんな中で韓国は経済制裁に協力するどころか逆に北朝鮮に対して闇で支援している可能性が高い。

その一端として、2018年12月20日に能登半島沖の日本海において起きているのが「韓国海軍レーダー照射」である。

この事件は海上自衛隊のP-1哨戒機に対して韓国の韓国海軍の駆逐艦が火器管制レーダーを照射したことばかりに焦点が当たっているのだが、実際のところ韓国の駆逐艦は北朝鮮の船と接触して「何をしていたのか」が問題なのだ。

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対日戦略は基本的に被害者コスプレのみ

韓国は北朝鮮「瀬取り」の取り締まりに積極的ではない。積極的どころか、むしろ北朝鮮へ瀬取りしている張本人の可能性がある。

さらにそこに、従軍慰安婦問題や徴用工問題やレーダー照射問題が重なっており、積もり積もった不信感が累積している。これで、韓国をホワイト国に指定し続けるというのは無理がある。

韓国は、自ら招いた事態悪化をすべて日本に転嫁して、激しく日本を罵っている。ホワイト国除外を受けて文在寅はこのように言っている。

『外交的な努力を拒否し、事態を一層悪化させる極めて無謀な決定だ。深い遺憾の意を表する』

『状況を悪化させた責任が日本政府にあることが明白になった以上、これから起きる事態の責任も全面的に日本にあるという点をはっきりと警告する』

『加害者である日本が居直り、大声を上げる状況を決して座視しない。日本政府の措置状況に応じて、私たちも、段階的に対応措置を強化していく』

要するに韓国の中では「我々は被害者で日本は加害者」という意識がこびりついていて、被害者である韓国は何をどうやっても優遇を受ける権利があり、日本はそれに答える義務があると思い込んでいるのが分かる。

「化学兵器に転用できる物質が発注されたが、行方が分からなくなったことの説明をしなかった」とか「化学物質の管理をめぐる日韓の対話を文在寅政権はずっと避けてきた」ということの説明や改善はそこにはない。

ただ、「日本が悪い、日本にやられた、日本は加害者、我々は被害者、日本は我々の要求に応えよ」といつもの被害者コスプレがあるだけだ。韓国という国の対日戦略は基本的に被害者コスプレのみというのが分かる。

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いよいよ日本が変わってきた兆しがある

今回の日本の「韓国のホワイト国除外」という決定は、日本という国が韓国という国を特別視しなくなり、韓国の被害者コスプレにはもう関わらないで切り捨てる「第一歩」であると捉える人も多い。

日本と韓国は隣国だが、軋轢はあまりにも強く価値観はまったく共有していない。実際のところ、韓国と日本の問題は「従軍慰安婦問題」「徴用工問題」「レーダー照射問題」だけではない。

韓国は日本の領土である竹島を実効支配し、自分たちの領土であると言い張っている。韓国は靖国を「戦犯神社」と言って侮辱してやまない。韓国は日韓合意で記された慰安婦像撤去をしない。しないどころか、どんどん増やしている。

韓国は旭日旗を「戦犯旗」と言って日本を侮辱している。日本海も東海と言い換えて、国外のメディアが日本海と言おうものなら怒濤の如くクレームを付けている。さらに韓国は日本の天皇陛下を「日王」と呼び捨てにした挙げ句に「戦争犯罪の主犯の息子」と言ってみたりする。

これらは、韓国がやっている反日の一例であり、細かいものを上げると枚挙に暇がないほど莫大にある。

そして、韓国は「日本は加害者の国であり、常に我々に謝罪しろ。被害者良いというまで何回も何回も謝れ」と言い放ち、上から目線で賠償を要求する。

今まで日本はずっとこうした韓国の傲慢不遜な論理に従って、事なかれ主義と先延ばし主義と不要な忍耐で対処してきた。しかし、この1ヶ月に韓国がいかに日本を恫喝しようと日本政府は毅然として「韓国のホワイト国除外」を譲らなかった。

いよいよ日本が変わってきた兆しがある。

もちろん、これから多くのことが起こって元の「駄目な日本」に揺り戻される可能性もあるのだが、不信感しかない韓国に対して毅然として拒絶できる強さを日本が取り戻しつつあるのは素晴らしいことである。

韓国のホワイト国除外は日本の素晴らしき一歩だ。ある意味、これが対韓国外交の正常化であると言っても過言ではない。(written by 鈴木傾城)


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日本はずっとこうした韓国の傲慢不遜な論理に従って、事なかれ主義と先延ばし主義と不要な忍耐で対処してきた。しかし、この1ヶ月に韓国がいかに日本を恫喝しようと日本政府は毅然として「韓国のホワイト国除外」を譲らなかった。いよいよ日本が変わってきた兆しがある。

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