出版社が海賊版サイトを駆逐するためにやるべき唯一のこと

出版社が海賊版サイトを駆逐するためにやるべき唯一のこと
最近、マンガを勝手にスキャンしたデータをタダでばらまく海賊版サイトが問題になり、政府まで乗り出してこうしたサイトをブロックするという方針を決めた「事案」があった。

ところが、この政府のサイトブロッキングに対して各所から大きな懸念と反対声明が出され「本当にそれがベストな解決方法なのか?」と事態が紛糾した。

なぜ、サイトブロッキングという対処が問題なのか。そして、それはなぜ反感を呼ぶのか。

それは「何が良くて何が悪いのか?」を政府が勝手に決めることになり、表現の自由が制限されるからである。

たとえば、民主系(民主党・希望の党・立憲民主党)が再び政権を取るような悪夢の事態が発生して反日と売国の政治に走って日本を破壊するような事態が起きたとする。こうした中で民主系の政権に批判を加えたとする。

その時、政府に「我々を批判するサイトはレイシストサイトなのでサイトをブロックしてやる」と言い出したら、言論の自由はたちまちにして崩壊する。

日本は反日国家の工作員とそのシンパが大量に存在して、リアルタイムで倒閣工作を推し進めている国だ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

広告代理店を告発するという手が最も有効であった

マスコミ・野党・活動家の三位一体で倒閣工作を進めている現状を見ても分かる通り、日本はいつでも反日・売国政権が誕生する確率の高い国家である。

だから「言論の自由を守る」というのは、いざというときのためには必要なのだ。政府が勝手にサイトブロッキングすると言い出すのはマズいと考える人が多いのはそのような理由があるからである。

私自身も政府に「ブロックする、しない」を決めて欲しいとは思っていないし、それが正しいとは思えない。

しかし、海賊版サイトの存在を「ブロックしても潰さなければならない」と思う心境は非常によく分かる。実際、それはきちんと対応されなければならないのは当然のことだ。

マンガ家も食べていかなければならないし、出版社も権利を守ってもらえないとビジネスが成り立たない。海賊版サイトは大々的に出版社の正当なビジネスを侵食している。

政府が出版社やマンガ家の権利を守ろうとしているのは評価して良い。ただ、サイトブロッキングするという手法が問題なのである。

海賊版サイトは国外にサーバーを設置して日本の法律を巧みに逃れている。サーバーの所有会社に問い合わせようが抗議文を送ろうがまったく対処してくれない。出版社がやられっぱなしで手も足も出なかったのは、ここに原因がある。

そんな中、「広告を止めればサイトの命運は絶たれるのでは」という意見が出されて実際にネットメディアが広告代理店を突き止めたり内部告発が相次いだ結果、この海賊版サイトに対する広告が停止してサイトは消滅した。

つまり、海賊版サイトを潰すには広告代理店を告発するという手が最も有効であったことが分かった。今後、この手の海賊版サイトを崩壊させるために広告代理店を攻めるという手法は一般的になっていくはずだ。

しかし、それで問題が解決したわけではない。

なぜなら類似サイトは短期間でも稼げればいいわけで、今後は似たようなサイトが雨後の筍のごとく生まれては消え、消えては生まれる混沌が発生する可能性があるからだ。

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ソフトウェア業界は海賊版をいかに駆逐したのか?

この海賊版との戦いを見ていると思うことがある。

今、日本はマンガでこの問題に焦点が当たっているのだが、海賊版との戦いで言えば、音楽業界も必死で海賊版と戦っているし、かつてはコンピュータのソフトウェア業界も海賊版と戦ってきた。

たとえば、マイクロソフトは主力製品のウィンドウズやオフィスの海賊版がばらまかれてずっと被害を受け続けてきた企業である。

またアドビもフォトショップやイラストレイターの海賊版が出回って甚大な被害を受けてきた。

マイクロソフトやアドビの旧バージョンが今でも使われているのは、実は過去の製品は海賊版として使いやすいからに他ならない。「タダで使いたい」と考える層が一定数いて、彼らが離れないのである。

しかし、最新バージョンに限って言えば、海賊版が出回る余地はほとんどなくなってしまっている。アドビやマイクロソフトは海賊版の問題を解決した。

使用者を自社のサーバーで正規のライセンスを持っているかどうかを認証処理させるシステム(アクティベーション)を取り入れて、海賊版で使っている人間はソフトウェアを立ち上がらせないというやり方をするようになった。

もちろん古い海賊版を使うことは今もできる。しかし、最新のイノベーションと機能が詰め込まれた新バージョンは正規版のユーザーでしか使えない。

音楽業界もまた音楽がタダでダウンロードされることによって業界が壊滅的なダメージを受ける「MP3」問題があった。ナップスターがP2Pで音楽をばらまいていた。

しかし、アップルが正規のダウンロード販売の場を用意して音楽ファイルにアルバム(ジャケット)をきちんと埋め込み、高音質化し、ラインナップを拡充させ、ダウンロードを手軽にスピーディーに安全に行えるようにすることによって、海賊版よりも正規版の方にユーザーを移行させることに成功した。

つまり、海賊版を駆逐するためには「訴訟して叩き潰す」だけでなく「正規版を買った方が得だ」という環境を作り出すことによって海賊版を駆逐することができたのだ。

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出版社が海賊版サイトを前にして取り組むべきこと

もし、マンガの海賊版を駆逐したいと業界が本気で思っているのであれば、「正規版を買った方が得だ」という環境を作り出すのが唯一のソリューションであると私は考えている。

たとえば、今後新しく出すマンガはアクティベーション(認証機能)付きの特別なアプリケーション(ZIPファイルではない)として配布した方がいい。

その認証機能付きの特殊アプリケーションのみで使える充実した機能を多数取り入れ、その機能によって「紙をスキャンしたものよりもずっと得だ」とユーザーに思ってもらえることができるようになれば海賊版は一掃できる。

さらにアクティベーションさせることによってユーザーの情報が出版社に集まるわけで、ユーザーが好む「提案」や「新作の紹介」なども効果的にできるようになっていく。

(1)海賊版の原資となる紙の出版をなくす。
(2)配布はアプリ化して機能と付加価値を付ける。
(3)アプリは認証機能で海賊版を弾く。

マンガ業界の生き残る道は「紙」にあるのではなく、「インターネットによる高付加価値化」にある。

したがって、出版社がこれから生き残る道があるとすれば、コンテンツを配布するインフラ企業になるかソフトウェア企業になるのが一番だ。

マンガの海賊版サイトには多くの利用者が集まっていた。代表するサイトの訪問者数は少なく見積もっても約1500万人、訪問件数に至っては約1億6000万件にのぼっていたと一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は報告を出している。

もうマンガは紙ではなくスマートフォンやタブレットやコンピュータで読む時代がとっくに到来している。にも関わらず、出版社は未だに紙にこだわっている。

インターネットで見せるにしてもスキャンしたものを並べているだけで何の付加価値もない。つまり今起きている事象は、出版業界の「時代遅れ」が海賊版サイトを増長させている動きである。

だとすれば、出版社のやるべきことは紙に注力するのはやめてインターネットに資源とアイデアを投入して、そこで付加価値を追求するのが正しい道であると言える。

それができなければ淘汰される。できれば次世代の生き残りが可能になる。

マンガをアプリケーション化できれば、たとえばマンガを動かすことも検索することも音声を付けることもできるわけで表現の拡張性や機能性は一気に広がる。

出版社が海賊版サイトを駆逐するためにやるべき唯一のことはイノベーションを起こすことである。時代は容赦なく変わっている。紙にこだわっている限り道は拓けないことに、いい加減に気付くべきだ。(written by 鈴木傾城)

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出版社が海賊版サイトを駆逐するためにやるべき唯一のことはイノベーションを起こすことである。

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