日本は、中国・韓国・北朝鮮に「悪魔化」されたという意識を持つ必要がある

日本は、中国・韓国・北朝鮮に「悪魔化」されたという意識を持つ必要がある

中国政府は、日本を「悪魔化」することによって、日本を攻撃したり侵略したりする大義名分を手に入れることができるようになる。言うまでもなく、「悪魔を打倒するのは善」だからである。そのため、中国で様々な国内問題がこじれればこじれるほど、中国共産党政権はその怒りを悪魔・日本にそらす「問題のすり替え」を意図的に行う。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

アメリカは戦争を避け、北朝鮮は存続した

トランプ大統領は2017年の一時期、本気で北朝鮮に対して武力行使を考えていたことがマクマスター前大統領補佐官の口から明らかにされている。対話への方向転換がなければ、アメリカは北朝鮮を攻撃していた。

アメリカと北朝鮮が戦争したら、当然だが北朝鮮は勝てるわけがないので、北朝鮮は今ごろは崩壊していたことになる。

北朝鮮が信用できない国であることは、強硬派のジョン・ボルトン氏が繰り返し語っていたことだが、結局はトランプ大統領はジョン・ボルトンの意見を退けて対話路線に舵を切った。

その結果、北朝鮮は今も存続しており、いつもの通りミサイルを好きな時にぶっ放して国際社会を嘲笑っている。

北朝鮮という国は世界最悪の独裁国家であり、人権侵害国家であり、犯罪国家であり、ならず者国家である。この国は持続不可な独裁体制を敷いているので、いつか崩壊しても不思議ではない。

しかし、その過程で追い詰められた政権は何をするのか分からない。北朝鮮の時間稼ぎが成功して核兵器を所有することになると、もはや北朝鮮を外部から崩壊させることも不可能と化す。

この危機の中で日本はどうすべきなのか。言うまでもない。一刻も早く日本も「自分の国は自分で守る」という当たり前を急いで実現しなければならないのだ。どう守るのか。もちろん日本も核武装するのである。

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中国の強引で横暴な領土拡張主義

北朝鮮は危険な国だが、問題は北朝鮮だけではない。日本には明確に敵を3つ持っている。それが中国・韓国・北朝鮮の「特定アジア」である。

この中で最も危険で最強なのが中国だ。

中国は領土拡張政策を取っている。そのため尖閣諸島から南沙諸島で、日本・フィリピン・ベトナム・マレーシアと激しく対立している。また、西側ではチベットや新疆ウイグル自治区で「民族浄化」というべきほどの弾圧を敷いている。

ウイグルの人権侵害は、現代のアウシュビッツである。しかし中国は、これを指摘されると「内政干渉だ」と激しく抵抗するので、ウイグル人に対する人権侵害は完全放置の状態になっている。

ウイグル人の書籍は根絶やしにされ、ウイグル語のメディアも発行停止となり、それに抵抗する知識人も次々と投獄されている。ウイグル文化研究家もまた行方不明になったり強制収容所にぶち込まれたりしている。

ちなみに中国・韓国・北朝鮮の歴史プロパガンダ紙である朝日新聞は、このウイグル人の叫びを一切報じていないのはいつもの如くだ。朝日新聞は自分の都合の悪いニュースは「報道しない自由」を行使する。

こうした中国政府の同化政策は香港にも向かい、いまや香港の「一国二制度」は危機に瀕するようになっている。香港人は必死でこれに抵抗しているのだが、中国は締め付けを厳しくしており、状況は悪化するばかりとなっている。

日本のマスコミは中国共産党政権の「体質」をきちんと報道することもない。激しい弾圧が中国国内で起きていることも報道しないし、香港の抗議デモの意味も報道しないし、中国が領土拡張で他国と激しい圧力を起こしていることも報道しない。

しかし日本のマスコミが報道しなくても、それは現実に起きている出来事である。中国は絶対に領土拡張を止めない。この強引で横暴な領土拡張主義が、いまやアジア全域を不安定化させている。

世界中が中国を警戒し、批判するが、それでも中国がこの動きを縮小させることは決してない。むしろ、さらにエスカレートすることになる。北朝鮮も、言ってみれば中国の鉄砲玉として機能しており、その鉄砲の矛先は日本に向いている。

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「仕方なく」日本にすり寄っている中国

中国は元々「自分たちが世界の中心である」という中華思想に取り憑かれている異常国家なので、国力が増せば常に膨張主義を取る。膨張主義というのは、他国を中国に同化させて飲み込むという意味である。それを意図的にする。

中国は広大な国家だが、それでも人口が多すぎて資源が不足し、水も不足し、食料も輸入が増えているので、膨張主義を取って資源獲得の競争で勝たないと自ずと崩壊してしまう。

さらに中国共産党政権は環境悪化を無視して生産に邁進したので、中国全土が汚染大陸となっていった。水も、大気も、食品も、何もかもが汚染されて健康被害は今も止まることがない。あまり報道されなくなったが、中国大陸の汚染は今も続いているのである。

こういった問題は、すべては経済成長のためであった。しかし、この経済成長すらも深刻な格差と、凄絶な汚職と、巨大な不動産バブルを生み出して社会に大きな歪みを与え、次々と新たな社会問題を引き起こしている。

もし、米中新冷戦による中国経済のダメージが深まっていくと、格差は完全に定着して中国の市民の社会不満はマグマのように沸騰していくことになる。この社会不満は、中国の社会のあり方を根本から変えなければ解決できないものだ。

しかし、中央政権はもはや諸問題については解決するつもりはなく、都合の悪い問題については弾圧と監視と情報隠蔽で乗り切ろうとしている。そして、それでも抑えきれない人民の鬱積は、中央政権に向かわないように、すべてを「日本」に向かわせるように世論操作を行っていく。

今、中国はアメリカに貿易戦争を仕掛けられて「仕方なく」日本にすり寄っているのだが、中国はいつでも自分の都合で手のひらを返す。

そもそも、中国が日本と本気で友好関係を結ぼうとしていないのは、日本との雪解けを演出しながら、裏では尖閣諸島にたびたび領海侵犯して尖閣諸島を奪取しようとしているのを見ても分かる。

さらに中国は、核弾頭搭載可能なミサイルを日本に向けている。2006年の段階で『中国のミサイル約800基のうち約100基は日本を照準としている』と元海上自衛隊第5航空群司令の川村純彦氏が述べたこともあった。

日本はいつでも中国に100発の核ミサイルを撃ち込まれる状態なのである。

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日本が何をしなければならないのかは明白

中国はすでに反日思想を教育によって中国の人民に植え付けており、日本を「悪魔化」することに成功している。産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏は2016年にこのように述べたことがあった。

『小中高校用の歴史教科書は日本について戦時の「残虐行為」だけを誇張して教え、戦後の平和主義、民主主義の特徴はなにも教えない。日本が賠償の意味もこめて中国に供与した巨額の政府開発援助(ODA)など戦後の対中友好外交も教えない』

中国政府は、日本を「悪魔化」することによって、日本を攻撃したり侵略したりする大義名分を手に入れることができるようになる。言うまでもなく、「悪魔を打倒するのは善」だからである。

そのため、中国で様々な国内問題がこじれればこじれるほど、中国共産党政権はその怒りを悪魔・日本にそらす「問題のすり替え」を意図的に行う。

中国政府が率先して中国人民の怒りを日本に向けて、日本との軋轢と対立を燃え上がらせて人民の一致団結を画策するのだ。そうであれば、いずれ中国と日本は物理的な衝突が起こっても何ら不思議ではない。

中国と同じ反日国家である韓国・北朝鮮の為政者もまた「日本の悪魔化」戦略に共鳴し、同じ戦略を使っている。だからこそ、中国・韓国・北朝鮮という特定のアジア諸国と日本は救いようのない対立の道を進んでいるのである。

教育によって日本を「悪魔化」した中国・韓国・北朝鮮は、必ず日本の侵略に動く。これらの国の政治経済が混乱し、問題が深刻化すればするほど「すべて日本が悪い。日本のせいだ」という主張がなされる。

政府がそのようなすり替えを行えば、これらの特定アジア諸国で「日本を滅ぼしてしまえ」「日本を破壊してしまえ」という声が巨大なものになっていく。

そこに核ミサイルがあればどうなるのか?

日本が何をしなければならないのかは明白だ。核の脅威から国を守るためには核武装しかない。一刻も早く「自分の国は自分で守る」ために、核武装しなければならないのである。

『世界から追い出され壊れ始めた中国 各国で見てきたチャイナパワーの終わり(宮崎正弘)』

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