本当に日本の景気を良くしたいのであれば、消費税を上げるべきではない

本当に日本の景気を良くしたいのであれば、消費税を上げるべきではない

日本でバブルが崩壊したのは1990年からだ。しかし、1991年のチャートを見ると、興味深いことが分かる。大幅下落を打ち消すように、株価は上昇機運に入っていたのだ。

1992年になると再び暴落の中に落ちていくのだが、1991年の上昇は何を意味していたのだろうか。それは、バブルが崩壊しても、しばらくは「崩壊した」と認めなかった人も多かったということだ。

つまり「これは一時的な踊り場で、すぐにまた右肩上がりになる」と勘違いした人が多かったのである。

だから、バブルが崩壊しても、しばらくは惰性で社会がバブル時代のように振る舞う。夢から醒めるのは一瞬ではない。1985年から続いたバブルに踊った日本人の一部は、「日本は強い。また戻る」と信じていたのだ。

しかし、数年経って地価も株式市場も戻るどころか半値以下に落ちても止まらないのを見て、やっと強気派は自分たちがハシゴを外されたことに気がつく。

多くの強気派は莫大な借金をして土地転がしをしていたから、買ったときよりも地価が下がると、それですべてを失って死んでいった。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

どん底に落ちていった日本経済の動きが再現される

『1997年の増税は、戦後最大の経済危機をもたらし、その後の長期デフレーションをもたらした』とマクロ経済専門家の野口旭氏は言っている。

バブルが崩壊し、何もかも耐えきれずに全面降伏が起きたのが1994年あたりである。「自殺」の急増も、そこから始まっている。こうした日本の苦境をどん底にまで突き落としたのが1997年の消費増税だった。

「自殺者の急増はバブル崩壊後、急速に景気が悪化した時期と重なっている。当時、雇用状況の悪化に伴ってリストラなどで失業者が増加した」

この当時から日本企業はグローバル化の波に洗われるようになっていき、終身雇用を捨てて非正規雇用を増やすようになっていくのだが、この中では今も続いている。雇用が劣化し、リストラが当たり前の世の中になった。

消費増税がそれを引き起こしたのだ。

以後も消費税は上がっているのだが自殺者は減っっている。どうして減ったのか。希望が見えているから減ったのではない。生まれながらに劣悪な就労環境なのが常態なので、それで自殺することがなくなっただけの話だ。

格差が広がり、持たざる層も増え、社会保障費も着実に微細に削り取られている。しかし、人々はもう、それが当たり前だと感じて受け入れている。

消費税は、そんな中で10%にアップしようとしている。

いくら政府が消費税の軽減税率制度を実施すると言っても軽減税率はやがて消えて消費税10%という事実が残るのだから、国民の生活の質は増税で悪化するのは間違いない。

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消費税が上がれば、消費がダイレクトに減退する

景気が破滅的に悪くなって自殺者が急増した1995年以降に消費税をアップさせていたのは橋本龍太郎だ。

バブルをハードランディングさせたのは1990年から1991年まで続けられた総量規制だが、この大蔵大臣も橋本龍太郎だ。

日本は経済的に暗転していた。にも関わらず、日本は反日に邁進する中国に莫大なODAをしていた。言うまでもないが、ハニートラップを引っかかって個人的都合でODAをしていたのも橋本龍太郎である。

橋本龍太郎は日本の災厄でしかなかった。

この頃から自殺者が急増して、1年間で3万人が自殺する自殺大国となり、その3万人の自殺が14年連続高止まりすることになったのも、橋本龍太郎が総量規制をして消費税をアップしたからだ。

消費税が数%アップしたというのは、大したインパクトではないと政治家は思ったのかもしれない。しかし、現実には社会が収縮して巡り巡って人々に悪影響を与えていたのだ。

消費税が上がれば、消費がダイレクトに減退する。

すると企業がコストダウンの必要性に迫られて、結果的に人件費を減らす。正社員を非正規雇用者に置き換え、給料削減やリストラに走る。物価も上がる。仕事は見つからない。そして給料は下がる。

節約しながらつつましく生きている人たちには、それが死活問題となっていく。だから、日本経済は低迷し、自殺者も増え、どん底に落ちていったのである。

愚かなことに不景気の最中に消費税を上げるという悪例を安倍政権は2014年4月に繰り返し、さらには2019年10月にも再度消費税をアップしようとしている。

日本経済を復活させたいのか、それとも凋落させたいのか、どちらなのか分からないが、このままいくと1990年代の再来となり、内需は減少し、日本の成長率はさらに低下していくことになる。

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アベノミクスは消費税を引き下げることで復活できる

この後に及んで消費税を10%に引き上げるというのは、日本経済の首を絞めるのも同様である。

ただ、安倍政権も消費税を8%にしたことによって景気も株式市場も苦境に落ちたという因果関係は把握しており、だからこそ10%にしたインパクトを少しでも薄めようと軽減税率を検討している。

しかし、本当に日本の景気を良くしたいのであれば、消費税を上げるべきではないのである。消費税は延期すべきだ。さらに言えば、現在の消費税は景気回復のために、逆に段階的に引き下げていくべきなのだ。

それによって日本の落ち込んだ消費は復活し、消費増税で落ち込んだ税収も戻ってくる。アベノミクスは消費税を引き下げることで復活できると言っても過言ではない。

そして、バブル以後の日本の失敗を巻き返すことができる。

ただし、現実的には消費税が引き下げられる確率はかなり低く、むしろ将来的には引き上げられる確率の方が高い。そのため、日本経済は相変わらずじり貧から抜け出せない方向で考えていかなければならない。

今のままでは経済は良くならないし、消費税引き上げ以後はどんどん悪化する。おまけに日本は売国する政治家やマスコミに蝕まれており、政府は機能不全になりやすい。

世界経済が激しく動揺しているのと同じく、日本もまた非常に苦しい戦いになる。そんな中で、私たちはサバイバルしていかなければならないということだ。

消費増税のインパクトは甘く見るべきではない。場合によっては日本の致命傷にもなりかねない。(written by 鈴木傾城)

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消費税を引き下げることによって日本の景気は復活することができる。日本の景気が復活したら、歳入も増えて政府は助かる。しかし政府は消費税を上げる予定でいる。今のままでは経済は良くならないし、どんどん悪化する。

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