独裁国家のトップが機能不全になっている今こそ北朝鮮を崩壊させるチャンス

独裁国家のトップが機能不全になっている今こそ北朝鮮を崩壊させるチャンス

北朝鮮は日本人も拉致している。だから、日本人はもっと強い憎悪を持って北朝鮮を見つめてもいい。北朝鮮の指導者が自ら指揮して普通の日本人を拉致してきたのだから、このならず者国家を激しく糾弾するのは当然の帰結である。なぜ日本人は他国を憎むのをそれほど恐れるのだろうか。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

金正恩は外科手術後に重篤な状態にあるのか?

北朝鮮関連のニュースは真偽が確認されない以上、それが本当なのか嘘なのかは誰にも分からない。場合によってはニュース自体がプロパガンダであったりするし、意図的なフェイクであったりする。北朝鮮国内のニュースであれば、なおさら外部の人間には分からないのである。

その上で話すと、アメリカのCNNは2020年4月20日に「金正恩(キム・ジョンウン)が心臓血管手術を受けた」との報道をしている。

『平壌から動員された医師団は経過が良好だと判断し、4月19日までに大半が平壌に引き上げた』ということなのだが、一方で『外科手術後に重篤な状態にあるとの情報を米国が注視している』という報道もある。

「回復」と「重篤」では状況はまったく違うのだが、これを分析しても意味がない。どのみち真実は誰にも分からないことだからだ。

何らかの外科手術を行ったというのは事実かもしれないが、そもそも心臓血管手術だったのかどうかも分からないのだから経過を注視するくらいでちょうどいい。

私が望んでいるのは、世界各国の政治家が北朝鮮を崩壊させるために、さらなる強力な圧力や経済制裁を加えて、この異常で危険な独裁国家を自滅させるために一致団結することである。

金正恩という独裁国家のトップが「何らかの事情」で不在である今こそが、体制を崩壊させる千載一遇のチャンスだ。アメリカは2017年には北朝鮮を本気で攻撃しようとしていたが、斬首作戦は遂行されずに北朝鮮はのうのうと生き残った。

そろそろ、北朝鮮の体制を崩壊させるべきではないだろうか。

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豚のように肥えて健康に問題が起きていた金正恩

北朝鮮は世界最悪の暗黒国家である。この国の体制は異常であり、政権崩壊は遅かれ早かれ起きる。しかし、どのように政権崩壊するのかは誰にも分からない。

金正恩の健康悪化で自壊に続くのか、中国発コロナウイルスによる封鎖で経済死して自滅するのか、それとも体制転覆(クーデター)が発生するのか……。どれもあり得るシナリオでもあるが、他にも予想外な自滅があるかもしれない。

北朝鮮は極貧国家だ。経済で行き詰まって麻痺しているのであれば、どのみち戦争しなくても北朝鮮は勝手に自壊する。戦争しないで北朝鮮が勝手に自壊するのであれば、それは国際社会にとって最も手間のかからない解決方法である。

さらに国際社会は金正恩を軍事作戦で排除しなくても、金正恩(キム・ジョンウン)は高度の肥満で健康状態に問題を抱えて死にかけているわけで、今回の「外科手術」で助かっても、先行きが短い病人であるのは間違いない。

もともと太っていた金正恩は現在もさらに太って風船のようになっており、専門家によると体重は130キロに達しているのではないかとも推測されている。高度肥満を通り越して、超高度肥満になったのだ。ほんの少し力を入れても顔面が紅潮するほど血圧も高く、成人病の兆候も見られていた。

成人病と言えば、まだ今のように肥満でなかった2014年の段階から金正恩は成人病の疑念が出されていた。2014年7月8日、金正恩は金日成の死去20周年の追悼大会に出席したが、このときに足を引きずって歩いていた。その映像は世界中に公開された。

北朝鮮の人民は栄養不足で苦しんでいる中、指導者が肥満で歩けなくなっているのだから実にシュールな話ではある。毎夜毎晩、酒を浴びるほど飲んで、北朝鮮でたたひとりの超高度肥満になった。

超高度肥満の原因は、暗殺されるのではないかという不安とストレス、アルコールの飲み過ぎ、あるいはスイスチーズの食べ過ぎであると韓国メディアは報じている。北朝鮮の人民は得体の知れないゴミのような食料を食べて身体全体に寄生虫がうごめいているのだが、その指導者だけが贅沢三昧で肥え太っていた。

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北朝鮮という異様な国家は、存在する価値がない

考えなければならないのは、この北朝鮮という異様な国家は「存在する価値がない国家である」ことだ。いや、存在させてはいけない国家だと言ったほうが正確だろうか。

この国は国際社会のルールをまったく守らず、常に周辺国を振り回し続けてきた。思うようにならないと、すぐに「火の海にする」とか「海に沈める」とか言って周辺国を恫喝し、非を責められたら逆ギレして火が付いたように大声でわめき立てる。

異常に虚栄心が高く、息を吐くように嘘を吐き、国が危機に陥るとミサイルを飛ばして「支援しろ」と威嚇し、支援しても恩を仇で返す。

物事を常に自分の都合の良いように誇張し、嘘であっても100回言えば真実になると言わんばかりに嘘を言い続ける。真実よりも、その場の損得だけしか頭にない。

契約や原理原則よりも自分の感情だけで動いており、約束をまったく守らない。互恵関係は最初から頭になく、自分の利益のためなら嘘でも裏切りでも詐欺でもゆすりたかりでも何でもする。

都合が悪くなると国際社会に向かって泣き叫び、被害者を装って謝罪と賠償を要求する。これが北朝鮮の正体である。そして、それを具現した存在が金正恩という肥え太った異常者だ。

ちょっとした体制批判をしても連行して強制収容所に放り込んで、拷問や射殺をしてしまうような指導者が、今もなお権力を持ち続けるのは異常だ。「心臓病でも何でもいいから、さっさと死ね」と世界中から吐き捨てられる指導者というのは、そうそういない。

北朝鮮が崩壊したら救済コストがかかるので、国際社会はこれまでこの異常国家に素知らぬ顔をしていた。しかし、そんなくだらない理由で、この国家が延命していいわけがない。そうやって人権蹂躙を続けさせる国際社会もまた激しく糾弾されて然るべきだ。

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誰も「朝鮮総連を制裁しろ」と声を上げない異様さ

北朝鮮は日本人も拉致している。だから、日本人はもっと強い憎悪を持って北朝鮮を見つめてもいい。北朝鮮の指導者が自ら指揮して普通の日本人を拉致してきたのだから、このならず者国家を激しく糾弾するのは当然の帰結である。

なぜ日本人は他国を憎むのをそれほど恐れるのだろうか。何をされても我慢するのが正しいことなのだろうか。あらゆる国家は自国民が誘拐されたら全身全力で解決に奔走する。

アメリカであれば、戦争さえ辞さない。

ところが日本は、相手国を憎むことさえ憚れるような雰囲気がある。日本には北朝鮮の体制を賛美する組織があり、北朝鮮を擁護する政治家やジャーナリストがごろごろ存在する。

そのため、日本人が北朝鮮に批判的な言動をすると、すぐに工作員とそのシンパが「差別だ、人種差別主義者だ」と問題をすり替えて、個人攻撃を始めるのである。

こうしたこともあって、日本の政治家はまったく敵対しようとせず、むしろ譲歩の上に譲歩を重ねてきた。これだけ北朝鮮への制裁をかけなければならない時期に、誰も「朝鮮総連を制裁しろ」と声を上げないし、マスコミも取り上げないことにその異様さを感じなければならない。

朝鮮総連は北朝鮮の工作活動の拠点だ。それなのに、誰も何もしないでいる。何もできない政治家に存在価値があるのか。こうした保身しかない政治家は、何ら国民の役に立っていない。

崩壊させなければならない国家「北朝鮮」をいかに崩壊させるのかが国際社会の責務なのだ。日本の政治家はいちいち北朝鮮の分析なんかしていないで、体制崩壊に向けて動かなけなければならないはずだ。

政治家はいつまで「北朝鮮が崩壊するのか、しないのか」を分析するつもりなのだろうか。今の政治家がしなければならないのは、「北朝鮮をいかにして崩壊させるのか」である。いずれにせよ金正恩は死にかけている。だから、今こそ体制崩壊させる千載一遇のチャンスなのだ。

『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて(五味 洋治)』

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