菅義偉(よしひで)政権は、あらゆる問題を乗り切ることができるだろうか

菅義偉(よしひで)政権は、あらゆる問題を乗り切ることができるだろうか

韓国は恐らく真っ先に菅義偉政権に「謝罪しろ、賠償しろ」といつものように攻撃してくることになる。韓国はそういう国だからである。菅義偉がここで下手な妥協や弱腰を見せると、日本国民はすぐに菅義偉政権を見限る。さらに習近平を「国賓待遇で日本に呼ぶ」みたいなことを言うのであれば、その瞬間に多くの日本人は菅義偉政権を見捨てるだろう。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

叩き上げでのし上がった人物

2020年9月14日。自民党の新総裁に菅義偉(すが・よしひで)氏が選ばれた。

獲得票数は377票だった。次点は岸田文雄で、獲得票数は89票。マスコミが狂ったように推していた石破茂は最低の68票であり、人望も人脈も人気もないことが露呈した。

菅義偉(よしひで)氏が選ばれたのは、7年8か月に及ぶ官房長官の役職でしっかりと安倍晋三首相を補佐していたことや、自民党内の派閥のボスとうまく関係を保ち続けていたことにある。

特に、幹事長の二階俊博氏や公明党の支持があったことも大きかった。ちなみに二階俊博は勝ち馬に乗って政界を渡り歩く人物であり、菅義偉が勝ち馬であると理解した瞬間に強く菅義偉支持に回ったのは興味深い動きだった。

大多数の国民は、問題がいくつもあるとしても、今もなお安倍首相を支持しているのだが、菅義偉こそがこの安倍首相の方向性を継続する人物であると見ており、その点からもこの結果は望んでいたものでもある。

菅義偉は岸田文雄や石破茂と違って世襲ではない。叩き上げだ。

父親は農家、母親は教師、高卒で秋田から上京してからは板橋区で段ボール工場に入ったが、二ヶ月でそこを辞めて、底辺の仕事を黙々と行いながら大学進学を目指したという人物だ。

政治家を目指すようになったのは27歳。政治家になったのは、それから12年後。スタートは神奈川県の横浜市会議員だった。1996年にはいよいよ衆議院選挙に勝ち上がって国政に入り、以後とんとん拍子で出世していくことになった。

親の地盤も人脈もなく、叩き上げで世襲議員がうようよする自民党内でのし上がっていったわけで、並みの人間ではないというのがこの経歴で分かる。

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日本の首相職は回転ドアなのか?

自民党は長期政権が続いた後は決まって政治が混乱するジンクスがある。たとえば、「不沈空母」の中曽根長期政権が終わった後、政治は大混乱して竹下登、宇野宗佑と短命政権が続いた。

海部政権でやっと何とか安定を取り戻したと思ったら再び駄目になり、その後の宮澤喜一、細川護煕、羽田孜と政治が混乱したまま、どんどん短命政権になっていた。

そんな混乱する自民党を「ぶっ潰す」と言って登場したのが小泉純一郎だった。異端の総理ではあったが、小泉政権は長期政権となった。

しかし、小泉政権が終わった後は再び政治は混迷期に入り、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎と政治が混乱したまま推移して、ついに2009年には自民党が下野するという事態に陥った。

ところが、自民党を打ち倒した民主党政権もまた短命政権の連続で、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と呆れるしかないほどの悲惨な政権が泡のように浮かび上がっては消えた。

2000年代後半の日本はそれこそ短命政権の連続だったのだ。

毎年のように首相が代わり、「日本の首相職は回転ドアなのか?」と国外から馬鹿にされるほどひどかった。

そんな中で日本の国際的発言力も影響力も地盤沈下するばかりで、「もう日本は終わりなのではないか?」と日本人の誰もが覚悟した。特に民主党政権時代の約3年は日本にとって紛れもない「悪夢」でしかなかった。

マニフェストはことごとく反故にした上に売国政策を次々と進め、円高を放置して日本の産業を壊滅状態にして、東日本大震災の処理でも混乱を増長させるばかりで、日本のためになることは何ひとつしなかった。

それを終わらせてくれたのが第二次安倍政権である。

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歴代政権と比べると、かなりマシな政権

第一次安倍政権は閣僚のスキャンダルだらけで足を取られて安倍首相自身も病で倒れてしまうという悲運にあった。

しかし、第二次安倍政権はまるで救国政権であるかのように日本の大混乱を鎮め、そして日本人が心から望んでいた政治的安定や経済的安定を「やっと」取り戻した。安倍晋三首相は言葉通り、力強く日本を取り戻していった。

中国や韓国にも「歴代政権に比べれば」の話だが、毅然と対処して下手に妥協したりしなかった。そして、何よりも力強く親米路線を貫いた。

私自身はこの時に安倍首相が登場しなかったら、日本は亡国の道を歩んでいたとしてもおかしくなかったと思っている。

たしかに第二次安倍政権も完璧ではなかった。深刻な政策ミスはいくつもある。野党はモリカケだとかサクラだとかで騒いでいたが、それよりも問題だったことが他にある。

安倍政権は消費税を引き上げて経済を悪化させた。韓国を信用して日韓合意みたいなものを結んで騙された。習近平におもねって国賓で呼ぼうとした。コロナの真っ最中にインバウンドを止めなかった……。

国民が最も安倍政権に失意を抱いたのは消費税10%の引き上げだった。これによって経済と共に安倍政権の支持も同時に失速して、コロナによるダブルパンチもあって、とうとう安倍政権も「末期」のような状態を呈するようになった。

今回、安倍首相は健康上の理由で職を辞すことになったのだが、そうでなくても政権は支持を失って崩壊していた可能性もあった。

このように、第二次安倍政権には言いたいことはたくさんあるが、それでも「歴代政権と比べると」かなりマシな政権だったのだ。だから、第二次安倍政権は長期政権となった。

今後、菅義偉総理が第二次安倍政権を継承して名実共に日本を率いていく存在になるのだが、死角はないのだろうか。

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菅義偉政権はうまく乗り切れるのだろうか

菅義偉内閣がうまく政権運営をできるかどうかは、内閣がきちんとアメリカと密接な関係を保ち、中国・韓国・北朝鮮のような反日国家とうまく対処していけるかどうかにかかっている。

韓国は恐らく真っ先に菅義偉政権に「謝罪しろ、賠償しろ」といつものように攻撃してくることになる。韓国はそういう国だからである。菅義偉がここで下手な妥協や弱腰を見せると、日本国民はすぐに菅義偉政権を見限る。

さらに習近平を「国賓待遇で日本に呼ぶ」みたいなことを言うのであれば、その瞬間に多くの日本人は菅義偉政権を見捨てるだろう。

野党はマスコミと結託して別の観点から政権攻撃を始めるはずだが、中国・韓国・北朝鮮の対応を間違えて国民を味方に付けていなければ、菅義偉政権は恐らく野党とマスコミの攻撃に耐えきれない。

そうすると、また例によってお決まりの短命政権と化して日本の政治は混乱していくことになる。

菅義偉は今回、消費税について、しょっぱなから国民の感情を氷のように冷やすような発言をしている。

『将来的なことを考えたら、行政改革は徹底して行った上で、国民の皆さんにお願いをして消費税は引き上げざるを得ないのかなと思った』と言った。これが批判されると、すぐに「将来的な話」と言って軌道修正した。(ブラックアジア:菅義偉よ、お前もか。日本経済はすでに消費税でダメージを受け回復不可能か?

消費税を引き上げたことによって第二次安倍政権が支持を失っていったのを目の前で見ていたはずなのに、菅義偉は消費税を引き上げるという方向性を「思わず」言ってしまった。これを見ても分かる通り、やや不安の残るスタートである。

世界は激動している。

コロナショックによるグローバル経済の混乱、景気の悪化、倒産・廃業・自殺の増加、消費税の悪影響、オリンピック問題、中国が引き起こす尖閣諸島問題、韓国の執拗な反日、香港問題、北方領土問題、米中新冷戦、次から次へと起こる国際衝突、そして新たに起こり得る閣僚のスキャンダル……。

これから2ヶ月もしないうちに、菅義偉政権はあらゆる深刻な問題に直面し、対応を迫られるだろう。

果たして菅義偉政権はうまく乗り切れるのだろうか。
今日からすでに試練は始まっている。

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