超巨大な時代の変わり目に、どう生きたらいいか分からない人に伝えたいこと

超巨大な時代の変わり目に、どう生きたらいいか分からない人に伝えたいこと

今、まさに目の前で「時代は変わった」のだ。そうした実感を感じているだろうか。こんな時代なのに、今までと同じような生き方を模索しようとしていないだろうか。時代が変わったのであれば、ライフスタイルも、考え方も、そして国際常識もすべて変わっていくのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「超巨大な時代の変わり目」にいるという予感を強く感じる

アメリカがアフガニスタンから撤退していく光景を見て、2001年の同時多発テロから起きたアメリカの軍事戦略もひとつの時代を終えたことをひしひしと感じた。アメリカは勝てなかった。しかし、それでも撤退する。

この終結に、かつてのベトナム戦争を思い浮かべた人も多い。

ベトナム戦争が終結したのは1975年だった。東南アジアが共産国化するのを防止するため、アメリカはベトナムに傀儡政権を作って、ソ連が支援するベトコンを殲滅しようと介入したのだが、思いもよらないベトコンの粘り腰に戦争は泥沼化した。

アメリカは戦争によって莫大な国費を浪費し、国内では反戦運動が吹き荒れ、政治家は信頼されなくなり、ボロボロになった挙げ句、1975年にベトナムから撤退せざるを得なくなった。

この時代、「アメリカの時代は終わった」と言われていた。ところが、である。このような時代に、マイクロソフトやアップルが誕生している。マイクロソフトの創業は1975年、アップルの創業は1976年だった。

当時は「パソコン」などは海のものとも山のものとも分からない「マニアのおもちゃ」レベルのものであり、その可能性は誰も理解できないものだった。しかし、この「よく分からないもの」が文明をも変えてしまう超巨大なビジネスとなり、世界を君臨することになっていくのだった。

「時代の変わり目」のところで生まれた「よく分からないビジネス」が、次の時代を決定づけたのだ。折しも、コロナ禍で時代はステイホームによって大きく変わっていこうとしている。今、「超巨大な時代の変わり目」にいるという予感を、私自身は非常に強い意識で感じている。

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インターネットで最も重要だったのは「検索」の方だった

ところで、1990年代はマイクロソフトの時代だった。ちょうどこの時代、マイクロソフトとはまったく別のところで、ひとつのネットワークが勃興していた。

アメリカ政府が国防のために研究開発していた分散型のネットワーク「アーパネット」が民間で使われるようになり、「インターネット」として広がるようになり、モザイクというブラウザでつながれるようになった。このモザイクが後に「ネットスケープ」となっていく。

マイクロソフトのビル・ゲイツはすぐにインターネットの重要性に気づいて、全力でネットスケープを潰しにかかった。ビル・ゲイツはインターネットの入口となるブラウザを押さえればインターネットを独占できると考えた。

しかし、インターネットで最も重要だったのは「検索」の方だった。

広大で膨大なインターネットのコンテンツは、どんなコンテンツがどこにあるのか誰も辿り着けないほど広大だった。そのため、様々な「リンク集」が生まれたのだが、そのリンク集の最大手が「ヤフー」だった。

しかし、ヤフーは人力でリンクをまとめるサイトだった。そこに「コンピュータでサイトを回って、何かの言葉を検索ボックスに入力したらリストが出てくる」という発想をする会社がいくつか生まれた。

その中のひとつが「グーグル」だった。

「検索ボックスに文字を打ち込んでボタンを押したらリストが出てくる」というシンプルなシステムは、確かに便利なものだったが、後にそれが現代文明で最も重要なシステムになると想像できていた人はほとんどいなかった。

もっと人々が理解できていなかったのは、システムが無料で誰でも使えるというビジネスモデルだった。当時のグーグルは赤字の企業であり、システムは無料だった。

無料で検索エンジンを使わせて広告で運営を維持するというスタイルだったが、モノやサービスは「売って利益を出す」という従来のスタイルが堅実なビジネスであると思われていたので、無料で何でも使わせるというビジネスモデルはなかなか理解されなかった。

しかし、この「よく分からないもの」が文明をも変えてしまう超巨大なビジネスとなり、世界を君臨することになっていくのだった。

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ワクチンでコロナ禍が収束するという楽観的な見通しは遠のいた

コロナ禍が続いている今、「時代の変わり目が来ている」というのは誰もが理解しているはずだ。中国発の新型コロナウイルスのパンデミックは全世界を変え、全世界を混乱に陥れている。人々はステイホームを要請され、外に出る時もソーシャルディスタンスを強いられている。

「集まるな、近づくな、閉じた空間にいるな」と言われ、今までの対人関係や対人距離は「やってはいけない」ものになってしまった。

欧米は、挨拶としてのキスやハグや握手が一般的だったが、それが「感染の元」だと言われるようになり、さらにオフィスで集まって仕事をすることも、会議をすることも「避けるべきこと」になっていった。

レストランで和気藹々と食事することも、パーティーで集まって大声で騒ぐことも、すべて「危険行為」となった。

飛行機に乗ることも、電車に乗ることも、ホテルに泊まることも、遊園地で遊ぶことも、映画館で映画を楽しむことも、デパートでショッピングすることも、すべて危険な行為と化した。

だから、飲食業界も、イベント業界も、航空業界も、鉄道業界も、宿泊業界も、遊戯業界も、映画業界も、デパート業界も、揃って存続の危機に落ちており、次々と赤字に陥り、体力のない会社が叩き落とされるかのように倒産している。

世界はパンデミックによって一瞬で変化したのだ。

2021年の初頭はワクチン接種によってコロナ禍は収束させることができるという希望もあった。しかし、より強力なデルタ株が蔓延するようになると、ワクチン接種者もブレイクスルー感染するケースが増えた。

これにより、ワクチン接種でコロナ禍が収束するという楽観的な見通しは遠のいてしまっている。日本も第五波によって緊急事態宣言を余儀なくされて実体経済の先行きが懸念されている。

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どうしたらいいのか分からない人に伝えたいことがある

しかし、こうした社会の激変の中で、すべての企業が崩壊の危機に瀕しているわけではなく、「よく分からないもの」が社会の片隅で芽を吹き出しつつあるのが興味深い動きでもある。

会社の事務所に行けない従業員は、自宅で仕事をするように要請されたのだが、そこで必要になっているのは「Web会議システム」だ。会社の管理職にある人々は決済のための署名やハンコが必要になっているのだが、そこで使われるようになっているのが「電子契約を管理するシステム」だ。

リモートワークを行わなければならない全社員は、「クラウド」上の様々なシステムにアクセスしなければならないのだが、そこで必要になっているのが「システムのパスワードの管理」や「セキュリティの管理」である。

さらに店舗販売を中心にビジネスをしていた企業は、インターネットでモノを売る方向に転換しているのだが、独自のブランドを生かすためには独自のサイトを作らなければならない。そこで必要になっているのが「ショッピングサイト構築システム」である。

他にも「ステイホーム・リモートワーク・ソーシャルディスタンス」という制約を乗り越えるための解決方法を提案する無数の企業が芽を出しており、ここ半年で一気に台頭するようになっている。

恐らく、この巨大で大きな時代の「変わり目」に台頭しているこれらの分野の中に、かつてのマイクロソフト、アップル、グーグルように世界に君臨するようになる巨大企業が隠れているはずだ。

そして、そうした企業の台頭が時代を変えていき、今回を岐点に新たな時代に入っていくのだろう。

今、まさに目の前で「時代は変わった」のだ。そうした実感を感じているだろうか。こんな時代なのに、今までと同じような生き方を模索しようとしていないだろうか。時代が変わったのであれば、ライフスタイルも、考え方も、そして国際常識もすべて変わっていくのである。

「今、どのように生きるのか」で、私たちは生き残れるのかどうかが変わってくる。どうしたらいいのか分からない人には、ひとことで伝えたいことがある。

ライフスタイルも、考え方も、仕事も、投資も、すべて「デジタルに転換(トランスフォーメーション)せよ」ということだ。自分自身の生き方を「DX(デジタルトランスフォーメーション)」する。

生き方に迷ったら、「DX」の方に向かっていく。それが常に正しい選択となる。逆に言えば、それができるかどうかで生き残れるかどうかが決まる。私? 鈴木傾城もそうするつもりでいる。迷いはまったくない。

書籍
『ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略(及川 卓也)』

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