インターネット内でも、いよいよ「検閲と排除」が鮮明化してきた

インターネット内でも、いよいよ「検閲と排除」が鮮明化してきた

私たちの社会は対立と衝突と矛盾と不正で満ち溢れているのだが、これがいつか是正される日がくるとは思ってはいけないし、夢想しても意味がない。

なぜなら、人々は「考える自由」があり「主張する自由」があるのだから、誰かが考えたことは必ずその反対の意見が存在するからである。

それであれば「互いに違いを認め合って共存すればいいではないか」と短絡的に考える人もいるのだが、「自分の考え方は絶対なので共存の余地はない」と強く思う人の前では途端に無力になる。

「違いを認め合って共存する」ということすらも反対意見があって、結局は共存できないのである。

たとえば、「我々の神が唯一絶対」と思っている人は、他の宗教の神は全否定になる。「この領土は我々のもの」と思っている人は「この領土は他者のもの」と主張する人の意見は絶対に受け入れられない。

思っていることが自分のアイデンティティや財産に関わるものであったら、共存は自分自身の存在価値や財産を失うことになるので不可能なのだ。

これが意味することは、「違いを認め合って共存する」というのは、ただのファンタジーであって現実ではないということなのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

極端な思想信条のプロパガンダを垂れ流す拡声器

自由で平等な社会は私たちが生きている間どころか、100年たっても1000年経っても絶対に実現しない。「人々は異なり、社会は異なり、国は異なる」のである。

だから対立と衝突で満ち溢れ、それは是正されることは絶対にない。

インターネット時代になって情報が広く拡散される時代になってから、むしろこうした対立構造はますます先鋭化して過激さを増している。

それは当然のことだ。インターネットは個人の発信力を極限まで高め、人々を効率的に結びつけたからだ。

「人々が効率的に結びつく」というのは、異なる思想信条、異なる社会、異なる世界に生きている人間が分け隔てなく結びつくということなのだ。

特にフェイスブックやツイッターを始めとしたこうしたSNSは、誰でも誰かに絡めるという点で、「むすびつき」を極限まで効率化されたシステムであると言える。

だから、これらのSNSでは対立と衝突と矛盾と不正が醜悪な形でぶつかり合う場と化した。対立は簡単に起こり、憎悪は簡単に拡散し、暴力の温床となっていく。

今、SNSは岐路に立っている。

フェイスブックもツイッターも極端な思想信条のプロパガンダを垂れ流す拡声器となっており、主張する人間と反対する人間の罵詈雑言が飛び交う言論暴力の場となっている。

もちろん、健全で有意義なつながりや対話もあるのだが、そういった健全さが吹き飛ぶような誹謗中傷が凄まじく飛び交ってしまっている。

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特定の思想信条が「検閲・排除」される時代に

フェイスブックもツイッターも、こうした対立と衝突を何とか押さえ込んで、SNSを「健全な場」にしようと努力しているのだが、これは想像以上に難しい。

なぜなら、個人の思想信条のどれを「健全」で、どれを「不健全」にするのかという判断には100%正解がないからだ。

これを象徴する事件が、最近あった。陰謀論者アレックス・ジョーンズの排除である。

日本ではアレックス・ジョーンズという人物はあまり知られていないのだが、欧米では最も人気のある陰謀論者である。ウィキペディアには、アレックス・ジョーンズのいくつもの主張が書かれているが、たとえばこのような文章もある。

『ナチスのホロコーストがあまりに露骨であったため、現在は水道水へのフッ素添加や、遺伝子組み換え作物、人工甘味料などによる人口の強制不妊化、人工的なエイズウイルスなどの拡散、国連主導の強制避妊や一人っ子政策推進などより洗練され見えにくい形で人口削減が行われている』
ウィキペディア:アレックス・ジョーンズ

それが真実かどうかは別にして、こうした主張をする著名人がいて、この人物がフェイスブック、アップルのポッドキャスト、グーグルのユーチューブ、スポーティファイなどに自らの主張を映像や音声で発信していた。

ところが、である。

ここにきて、フェイスブック、アップル、グーグル、スポーティファイは、次々とこのアレックス・ジョーンズのアカウントを削除していったのである。

グローバル多国籍企業による、事実上の「検閲・排除」であると考えてもよい。いよいよ、特定の思想信条が「検閲・排除」される時代に入ったのだ。

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フェイスブックは敵意を持たれやすい立場にある?

私のコンテンツも、様々なプロバイダーから問答無用で「検閲・排除」されてきたし、グーグルでは2度アカウントを失い、ツイッターは1度「凍結」された経験もある。

そのため、最初から社会やインターネットに自由な言論や表現があるとはまったく考えていないし、そんなものが公正に守られるとも思っていない。

「誰か」が都合が悪いと考えた表現はいつでも「検閲・排除」されるのが現実なのだ。

現在の検閲者、つまり絶対権力者はフェイスブックであり、アップルであり、グーグルである。これらの企業はグローバル企業である。グローバルである以上はリベラルである。

だから、傾向的には「リベラルではない側の極端な意見」が検閲・排除される流れになっていると認識しても、それほど間違いではない。アレックス・ジョーンズの排除も、そうした流れの中で起きているものである。

しかし、フェイスブック、アップル、グーグル等がこうした「検閲・排除」を行ったことによって、インターネットを支配する企業も「中立ではない」ということに人々は気付くようになっている。

この次に起きるのは何か。

それは、「検閲・排除」される側が、その不公平感に鬱積や不満を持ち、徐々にフェイスブック、アップル、グーグル等の大手を信用しなくなる流れだ。

検閲や排除された側は、必ず自分たちを排除した側に大きな敵意を抱くようになる。この中でも特に敵意が向きやすいのはフェイスブックであると言える。

フェイスブックは「SNSの健全化」を成し遂げるために、どうしても極端な思想信条を持った人を排除せざるを得ず、それが徹底化されればされるほど恨みを買うからだ。

フェイスブックはすでにフェイクニュース騒動で信用を失っており、ユーザーの伸びも頭打ちになり、若いユーザーも次々に去っている。

私はもともと「人々が結びついたら対立と衝突が爆発的に増えていく」と予測していたので、今の動きはまったく意外でも何でもない。

検閲・排除が鮮明化するという動きも起こるべくして起こったことであると考えている。それが現実だからだ。(written by 鈴木傾城)

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アレックス・ジョーンズ。ここにきて、フェイスブック、アップル、グーグル、スポーティファイは、次々とこのアレックス・ジョーンズのアカウントを削除していった。

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