増え続ける災害と少子高齢化が、地方の崩壊と荒廃をもたらすのだ

増え続ける災害と少子高齢化が、地方の崩壊と荒廃をもたらすのだ

2018年の日本は災害に次ぐ災害の連続でもある。

6月には大阪で大地震が起き、7月には岡山・広島で「100年に1度」とも言われる大豪雨、9月には大阪圏に台風が直撃して大きな被害を出し、間髪を入れずに北海道地震が起きて深刻な被害をもたらしている。

もっとも、巨大な災害に見舞われ続けて苦しんでいるのは日本だけではない。

今年に入ってからマグニチュード7以上の地震が起きたのは、ホンジュラス、ペルー、アラスカ、メキシコ、パプアニューギニア、ベネズエラ、ニューカレドニアであり、マグニチュード6規模の地震はもはや列挙できないほど起きている。

そして現在、全世界で台風・ハリケーンが「群れをなして」発生している。フローレンス、アイザック、ヘレーン、バリジャット、マンクット、オリビア……。

これらのハリケーンがそれぞれ「猛烈な強さ」と「規模」を保っており人口の多い場所を直撃すると甚大な被害が出ることが予想される。

その中でも特に危険視されているのが、フィリピンのルソン島に上陸するとされているマンクットと、アメリカのサウスカロライナ州からメリーランド州に上陸するとされているフローレンスだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

ここ数日で、次々と巨大台風・ハリケーンが襲う

いずれも超巨大な台風・ハリケーンであり、甚大な被害をもたらす可能性がある。フローレンスの方は明日14日にアメリカ大陸に上陸する。

「カテゴリー4」の勢力であり、時速215キロの強烈な風と1200ミリの最大雨量である。

これが直撃したら普通の建物やインフラでは持たない。大被害が予測される。

ドナルド・トランプ大統領は「費用はいくらかかろうとも支払うつもりだ」と連邦政府の担当者に伝えているのだが、対策を強化しても、やはり被害は甚大なものになるのは避けられない。

それだけではない。ハリケーン・オリビアは今までハリケーンの直撃がほとんどなかったハワイに上陸する可能性があって、ハリケーン慣れしていないハワイが大きな被害になるのが心配されている。

この災害対策の状況によっては、中間選挙に影響してくるのでトランプ大統領も必死にならざるを得ない。ここ数日、アメリカはハリケーンとその被害に翻弄されることになる。

一方でマンクット(台風22号)も明後日あたりにフィリピンのルソン島を直撃する可能性が高くなっているのだが、こちらの方は最悪4330万人が被災すると予測され、すでにフィリピン政府は警戒態勢に入っている。

最近のフィリピンでは数年ごとに巨大台風に巻き込まれているのだが、今回もまた被害を免れるのは難しそうだ。

これが現在発生している台風・ハリケーンなのだが、これが過ぎれば災害は終わるわけではなく、巨大地震、巨大ハリケーン、そして冬にかけては想像を絶する豪雪などが襲いかかってくることになる。

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時には「東南アジアよりも暑い」と言われる日も

異常気象が年々ひどくなっているというのは、今に始まったことではない。そして災害が巨大化・凶悪化しているのも今に始まったことではない。

たとえば、日本はすでに熱帯化している。

最高気温が35度以上は「猛暑日」と呼ぶのだが、最近は35度どころか、40度を超えるような日がいくらでも観測されるようになった。時には「東南アジアよりも暑い」と言われる日すらもある。

この暑さの中で日本を悩ましているのが「ゲリラ豪雨」だ。熱帯地方には「スコール」という現象があるのだが、ゲリラ豪雨はスコールに相当する。

ゲリラ豪雨が発生すること自体が、日本が熱帯化していることを意味している。

しかし、日本には季節がある。灼熱の夏が終わると、秋が来て冬が訪れる。では冬は暖かいのかと言えば、それがまるっきり逆で厳寒になる。豪雪で身動きが取れなくなる。

2018年1月は東京でも大雪が降って交通機関が麻痺したこともあったが、夏はゲリラ豪雨、冬は豪雪が日本列島を襲いかかる時代になっているのである。

なぜ、こんなことになっているのか。

以前から言われているのが「地球温暖化」なのだが、その理由は人間の自然破壊なのか、それとも自然環境の変化なのかはともかく、「何らかの理由」で海面温度が上がっているのは間違いない。

これによって温められた海面から蒸気が上がり、豪雨や豪雪となって降り注ぐ。温暖化が止まっていない以上、災害が巨大化していくのは避けられない時代に入っている。

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多発する巨大災害は「地方を殺す」可能性がある

日本は4枚のプレートが重なり合っている真上に位置している国であり、世界でも類を見ないほどの地震大国である。いつでも、どこでも地震は発生する。

30年以内には、死者最大32万人になる南海トラフ巨大地震さえも起きることが「予測」されている。日本というのはそのような国なのである。

多くの日本人はあまり意識していないが、多発する巨大災害は「地方を殺す」可能性がある。

財源不足や少子高齢化による人口減が加速している地方で大災害が起きたら、復旧されるよりも見捨てられる地区がどんどん増えていくのではないか。

政府も自治体も財源が無限にあるわけではない。少子高齢化によって税収が減っている上に高齢者にかける社会保障費が膨れ上がっている。

そんな中で災害の起きた場所が過疎か過疎に近い地区だった場合、もはや建物や壊れたインフラの復旧ができなくなる場所が出てきたとしても何ら不思議ではない。

つまり、人口の少ない地方、交通の便の悪い地方は、いったんインフラが破壊されるような災害に見舞われたら、再生不可能になる危険が高まる。限界集落などは被災した時点で、地域ごと捨てられることになる。

少子高齢化と増え続ける災害は、地方の崩壊と荒廃をもたらす危険性はかつてないほど高まっている。

政治家は、空虚な言葉で「地方の再生」や「国土強靭化」を叫ぶが、本当の意味で地方の再生や国土強靭化を成し遂げたいのであれば、20年計画で少子高齢化の解決のために全精力を傾けることであると気付く必要がある。

根本に少子高齢化対策があって、そこに「地方の再生」や「国土強靭化」を絡めなければ日本には未来がない。このままでは、災害が起きるたびに地方は死んでいく。(written by 鈴木傾城)

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災害の起きた場所が過疎か過疎に近い地区だった場合、もはや建物や壊れたインフラの復旧ができなくなる場所が出てきたとしても何ら不思議ではない。

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