
パチンコは明らかに日本社会では有害で下品な存在である。それにも関わらず放置され続けてきた。警察も政治家も業界から金をもらって有害性をうやむやにしてきた。いつまで、こんな状態を放置しておくのか? 日本人はそろそろ本気になって社会を良くしようと考えた方がいい。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
いつまで悪質なギャンブルを放置しているのか?
11月3日に『どん底に落ちた養分たち』を上梓したが、この書籍では多くの依存者が登場する。パチンコは今もなお900万人近くのユーザーを抱えた巨大ギャンブル産業であり、問題はまったく終わっていない。
パチンコは人生を狂わせる悪質なギャンブルにも関わらず、いまだ日本の社会に野放しにされているのである。
私は「パチンコの規制・排除・壊滅」を毅然と打ち出す政治家が現れて欲しいと思っているのだが、なかなか登場しない。
パチンコという悪質ギャンブルを完全に撤廃できたら、日本社会はかなり良くなるのだが、今の政治家は誰もが巨大産業と対立を避けて自己保身している。
パチンコは国や地自体が運用しているものではない。私企業が勝手にやっているものだ。しかも、法律逃れの三点方式でそれを実現しており、非常に悪質でもある。そして、警察もそこから利権を得ている。
生活保護を受給しているような人たちが朝から晩までパチンコに入り浸っていたり、家庭の主婦がこれで借金を膨らませたり、さらには運営元が北朝鮮に資金を流していたり、パチンコを巡る胡散臭い話は多い。
パチンコは明らかに日本社会では有害で下品な存在である。それにも関わらず放置され続けてきた。日本人は誰も「こんなものを廃止しろ」と声を上げなかったし、警察も政治家も業界から金をもらって有害性をうやむやにしている。
いつまで、こんな状態を放置しておくのか? 日本人はそろそろ本気になって社会を良くしようと思わないのか?
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彼らは「中毒にさせられてしまった」のだ
こんなものが、日本国中の各駅や幹線道路沿いに9600店近くも林立しているのだから、これだけでも日本という国の異常さは際立っている。
パチンコという異常ギャンブル産業は、年々売り上げを減少させているが、それでも940万人がこんなものに時間を取られているのである。この940万人は時間を無駄にしており、金を無駄にしている。
しかし、逃れたくても逃れられない。彼らは「中毒にさせられてしまった」からだ。日本のギャンブル依存症の80%はパチンコ中毒者である。
彼らはパチンコ屋を訴えてもいい。なぜなら、パチンコによってギャンブル依存にされて人生を破壊されたからである。パチンコによって被害を受けたのだから、彼らはパチンコ屋から謝罪と賠償を受ける資格がある。
ギャンブル依存症というのは、ドラッグ依存症とほぼ同じ状態になる。止められないし、どんなに我慢しようと思っても我慢ができない。
それこそギャンブルをするだけにすべての金を注ぎ込むような病的な状態になることだが、パチンコがそれを生み出しているのである。
パチンコ産業が「事業として成り立っている」というのは、すなわち事業者が儲かる仕組みになっているという単純な事実を示している。
パチンコ中毒者は金持ちになっていない。金持ちになっているのはパチンコ関連会社のオーナーだ。長者番付けには、パチンコのオーナーが顔を出すが、パチンコ中毒者は出てこない。
パチンコにのめり込めばのめり込むほど金持ちになるのではなく、逆にどんどん生活が破綻していく。途中でそれに気付いて止められればいいのだが、パチンコ中毒になった人間がそんな理性があるわけもない。
結局は借金を過大に膨らませていったり、自己破産に追い込まれたり、自殺に追い込まれたりしていく。
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パチンコ産業を批判しなければならない
どうしてもパチンコがやりたくて止められず、母親が車の中に子供を放置したまま死なせるような事件が起きたり、パチンコする金が欲しくて強盗をしたりする人間すらいる。
非難すべきだ誰か。事件を起こした人間よりも、事件の原因を作り出している存在の方だ。大きな社会問題を、パチンコ産業は引き起こしている。日本人はパチンコ産業を批判しなければならないのである。
こんなものが街に溢れているというのは異常であると気付かなければならないし、そもそも政府がこんなものを長年に渡って放置していること自体が異常なのである。
なぜ政治家がこのような賭博場を放置しているのかと言うと、言うまでもなく一部の政治家がパチンコマネーに取り込まれているからだ。政治家は金をもらって黙認している。
こういった議員は「パチンコ族議員」と言われるが、要するに金のためなら日本人がどうなろうと関係ないという無責任さ極まる政治家の筆頭が「パチンコ族議員」である。
自民党も、日本維新の会も、立憲民主党も、こういった議員を大量に抱えている。政治家は腐っていると私たちはよく言うが、具体的に誰が腐っているのかと問われたら、「パチンコ議員」が腐っているのである。
こういった議員が、パチンコという異様な賭博場を日本に蔓延するのを見て見ぬふりをしており、さらにパチンコを取り締まれという良心の声をつぶす役割を果たしている。
例によって、マスコミもパチンコの社会問題を取り上げて糾弾することはないし、ましてパチンコと政治家の癒着を取り上げることも絶対にない。
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日本の中枢をすべて金で押さえたパチンコ産業
パチンコは娯楽ではない。換金できるのだかられっきとしたギャンブルだ。それなのに、なぜマスコミはこれを糾弾しようとしないのだろうか。
マスコミがまったくパチンコを糾弾しないのは、やはり政治家と同じだ。パチンコ屋から広告費をもらって口を封じられているからである。
マスコミは金をもらったら何でも隠蔽するし、隠蔽どころか擁護すらもする。擁護して、「流行っている」とか「人気がある」と逆に煽って国民を誤誘導することもある。
新聞記者は高給取りだと言われるが、その理由を考えたことがあるだろうか。真実を暴く神聖な仕事をしているから高給取りなのではない。真実を知ってもそれを暴露させないための「口止め料としての高給」なのである。
真実を暴けば、職を失う。それはすなわち年収1000万円を棒に振るということなのだ。誰でも1000万円を失いたくないと思うので、こういった真実は書かない。このあたりにも、マスコミがどんどん腐敗していくシステムがある。
マスコミがマスゴミと呼ばれるようになって久しいが、マスコミは広告に縛られ、記者は高給に縛られているのだから、その腐敗の構図は止まることがない。
そんなマスコミの弱点を嘲笑うように、パチンコ産業は広告費としてマスコミを金で懐柔し、政治家を金で操り、警察官を天下りとして受け入れている。その結果、パチンコは野放しになっている。
政治家、マスコミ、警察。日本の中枢をすべて金で押さえて、もう国民がこの賭博場をなくせと叫んでも何もできないまでの巨大な闇となって君臨しているのがパチンコ産業だ。
パチンコ業界は「規制」するのではなく、日本から「完全に壊滅させる」のが本当の姿である。

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