長期投資は時間を味方につける投資法であるとはよくいわれる。長期投資は、投資のゴールを長期的な視点で捉え、時間をかけて資産を形成していく投資法だ。この方法では、短期的な市場の値動きに惑わされることなく、着実に「積み上げて」資産を増やすことを目指す。
私がこの長期投資を気に入っているのは「複利」の効果が働くからだ。
時間を味方につけるというのは、複利を味方につけるということでもある。複利とは、得られた利益が元本となり、さらに利益を生み出す仕組みをいう。
たとえば、年利5%で100万円を投資した場合、1年後には105万円、2年後には110.25万円、3年後には115.76万円と、毎年利益が積み重なり、30年間何もしないで放置していると432.19万円になっている。
100万円をタンス預金で放置していたら30年後も100万円のままだが、5%で複利運用できると4倍以上になっている。しかも、その30年は自分はまったく何の努力もせず、考えもせず、どんな労力も使っていない。
ただ、保有していただけだ。それで資産が雪だるま式に増えていく。
何か努力しなければならないことがあるとしたら、「絶対に引き下ろさない」ということかもしれない。それを保有して、あとは忘れていればいい。何もしないで30年後には資産が4倍になるのであれば、まあまあだと思わないだろうか?
これが複利の力なのだ。
ちなみに、複利を使わないでただ年利5万円をそのまま別に積み立てて単利運用したら、増えるには増えるのだが30年後は250万円だ。約432万円に比べると見劣りがする。その差額の182万円が複利の力なのだ。複利を使わないと損だとわかるだろう。
ところで、100万円を5%で運用して30年後には何もしないで約432万円だが、少し努力してこれを30年後に約2000万円にする方法もある。その場合は、自分の力も必要になるのだが、だとしても誰もできないような小難しいことをするわけではない。とても簡単なことだ。
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