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現在は「弱肉強食の資本主義」である。この「弱肉強食」というのは、企業の経営者や株主が「投下した資本に対してどれだけ利益を得られるか」という数字に着目して、徹底的な利益増とコスト減に走ったことによって発生した。
徹底的な利益増とコスト減は、会社にとっては非常に良いことである。しかし、従業員にとって良いことであるとは限らない。
企業が利益を増やすというのは、従業員を徹底的に酷使することにつながるし、企業がコストを削減するというのは、従業員の切り捨て使い捨てにつながるからだ。株主や経営者と、従業員の立場は違うのである。
弱肉強食の資本主義では、従業員を犠牲にする形で「徹底的な利益増とコスト減」が行われる。
だから、経営者や株主は数十億、数百億の利益を手にして「超大金持ち」になっていくのだが、切り捨てられた従業員は「極貧化」してしまう現象が全世界、同時並行的に起こっている。
そのため、労働環境が悪化して社会が不穏な状態になっているのである。日本だけで起きているのではない。もともと終身雇用がなかった海外でも、労働環境は悪化していく一方である。
特に先進国の労働環境は、それが顕著になる。これが次々と大きな社会問題を引き起こして私たちの社会を変質させてしまう。もう変質は始まっているのだが、毎年のように悪い方、悲惨な方に向かっているのが恐ろしい。
やがて、これは荒廃した修羅の社会を生み出すのは「ほぼ確定した」と言っても過言ではない。
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