現在、ドル円のレートは122円台に突入している。3月8日まで円は115円台であったことを考えると、たった数週間で7円もの円安になっているというのが分かる。円安であるということは、逆の言い方をすると「ドル高」である。
今起きているのは、まさに「ドル爆上げ」である。
コロナ禍、石油・資源価格高騰、アメリカの利上げ、ウクライナ侵攻などのさまざまな要因が同時並行で進んで、資金がアメリカに向かっている。
今、中国ではコロナ禍で5000万人がロックダウンによる強制隔離が実施されているのだが、これによってグローバルなサプライチェーンが停止している。石油価格や資源価格の高騰もグローバルなサプライチェーンを減退させる。
ロシア・ウクライナは小麦の一大生産地なので、ここが紛争にまみれたら当然、農作物・畜産物の価格の上昇も起こるわけで、これもまたグローバルなサプライチェーンを混乱させる。
世界中を物価高が襲いかかっていて、インドやスリランカではとうとう物価高で抗議デモが起こったりしているわけだが、途上国での暴動や抗議デモはこれから激化していって、政情不安を引き起こすだろう。
そうなると、ますます世界情勢は混沌としていくことになり、先が読めなくなっていく。日本でもじわじわと物価高が広がっていて、4月も5月もより物価上昇が鮮明になっていく。
円安というのは、海外からの輸入するモノの価格が上がってしまうことを意味しているわけで、円安になればなるほど物価上昇にブーストがかかる。実体経済にとって今の円安は「弱り目に祟り目」なのである。
ところが、円安になればなるほど狂喜乱舞する人たちもいるのだ。それは……
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