ドル円レートの急激な動きで阿鼻叫喚にあるFXトレーダーを見つめながら思うこと │ ダークネス：鈴木傾城

ここ数日の日本円の動きは凄まじかった。4月29日には1ドル160円台に到達したら、5月1日に入って一気呵成に153円台までの下げとなり、5月2には156円に戻したと思ったら、5月3日には一時151円台に到達するという状況だった。

アメリカ雇用統計が予想を下回ったことによって、FRBの利下げが見えてきてドル安になるのではないかという観測もこの円高の要因にはなっているのだが、実際のところは日本政府・日銀による為替介入があったことはほぼ間違いない。

これだけの乱高下があっても、1ドルも持っていないほとんどの日本人は他人事だと思う。為替相場の乱高下があったことすらも知らない人もいるはずだ。

ドルで外国株を買っていた人は、円高ドル安になった分だけもちろんマイナスになっているが、そもそもこれまでは150円台であったのだ。4月後半から一気にドル高になっていた分が消えただけで、それほど大きな問題もないはずだ。

しかし、この為替相場で大きな影響を受けたのがFX（外国為替証拠金取引）をやっている連中だ。爆益を得たトレーダーも一部にいるはずだが、ほとんどのトレーダーは証拠金が用意できなかったり、ロスカットされたりして爆損しているはずだ。

介入があった5月1日はちょうどGWの真っ最中でもあり、対応できない人も多かったはずだ。旅行に行っていて、気がついたらロスカットされて5月2日には突っ込んでいた資金が煙のように消えていた人も多く、SNSなどで阿鼻叫喚の叫びを見ることができる。

だいたい、数十万円から数百万円単位を失って嘆いている投資家が多いのだが、それなりに知られていた個人トレーダーが数千万円のロスカットで退場したケースも報告されている。

この一週間で人生が終わった人も多いだろう。今ごろ呆然として、これからどう生きるか、それとも死ぬか考えているはずだ。

私もほぼドル資産しか持っていないので8円も9円も乱高下したらダメージもありそうだが、実はほとんど影響らしき影響はない。FX（外国為替証拠金取引）でトレードしていた人間と、私と、いったい何が違うのか説明したい。

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