2022年5月5日、総務省は子供の人数が1465万人と過去最少を記録し、子供の数が41年連続で低下したことを報告している。こんなにも長く少子化をとめられないのが今の日本の現状だ。少子高齢化は亡国の道なのである。この国は自滅を避けることができるか?(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
「子供を育てにくい社会」にすれば自ずと人口が減る
2020年からのコロナ禍によって人々の動きは極度に制限された。2022年8月に入った今もなお第7波によって正常には戻っていない。
これによって大ダメージを受けたのは宿泊業界や旅行業界や飲食業界なのだが、目立たないところで深刻なダメージを受けているのがブライダル業界であり、婚活業界である。
人と人のコミュニケーションが避けられ、付き合いが避けられ、ステイホームが強制されてしまう時代には、出会いも激減し、実る恋も実らない。
日本は1972年以後、婚姻件数は俯瞰して見るとずっと減少し続けている。特に非正規雇用者が増え始める2000年代から、婚姻件数は激減していく一方である。当然、出生数も減っている。
日本を破壊するためにはどうするか。日本人をこの世から消し去ればいい。日本をこの世から消し去るためにはどうすればいいのか。
日本人を戦争で皆殺しにするのか。それとも、テロを引き起こして日本人を殺すのか。もちろん、そういった荒っぽい手もあるだろうが、実はもっと簡単な方法がある。
日本人に子供を産ませなければいい。
子供を作らせないような社会構造にして、子供を減らせばいい。結婚をさせなようにし、結婚しても子供を産んだら親子ともども困窮化する環境にし、どんどん「子供を育てにくい社会」にすれば自ずと人口が減る。
そうやって少子化にすれば放置しても高齢化社会になる。少子高齢化が極まると、日本人の人口は確実にじわじわと減る。すでに日本社会はそうなっている。すると、日本は文化も経済も何もかもが老衰し、弱体化していく。
そこで移民を大量に入れていけば、日本から日本民族も、日本の歴史も、みんな消し去ってしまうことができる。日本を侵略したい国は、戦争しないでも日本を乗っ取ることができる。
日本を破壊するための「意図的な少子高齢化の放置」を、日本人はいつまでも許すつもりなのか。
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本来であれば、国家存続の危機とも言えるべき問題
日本はすでに空前の少子高齢化社会になって、世界で類を見ないほど早く人口が消失していく社会となる。
2022年5月5日、総務省は子供の人数が1465万人と過去最少を記録し、子供の数が41年連続で低下したことを報告している。子供たちが減っており、それが少子高齢化を深刻化させている。
日本の裏側でじわじわと起きているこの動きには危機感を持つ人は非常に少ない。本来であれば国家存続の危機とも言えるべき問題であるにも関わらず、放置され続けている。
日本の政治家は日本人が子供を産みにくいような政策ばかり取っている。行政も何の対応もしない。したがって、この人口減少の流れは一過性のものではなく、継続するのは確定している。
2048年には日本の人口は1億人を割って9913万人になると予測がある。もっと深刻なのは、その頃になると人口の3人に1人は高齢者となっていることだ。
人口に3人に1人が高齢者となった社会が、ダイナミックな未来を築き上げることが可能だろうか。次世代に向けて新しい冒険ができる社会となるだろうか。日本の経済的優位性は保つことができるだろうか。
むしろ、すべてを失う可能性の方が強いと思わないだろうか。
中には「悲観しなくてもロボットに働かせればいい」とか「人口が減っても生産性を高めればいい」という物事を一面からしか見ていない浅はかな人間もいる。
ロボットが消費するのか。ロボットが恋するのか。ロボットが子供を産み育てるのか。ロボットが税金を支払うのか。すべて「ノー」だ。ロボットは人間の代用にならないのである。
日本から活力が失われている原因が少子高齢化にあることを知っていて容認発言しているのであれば、その裏には「日本民族が消失していってもいい」という思想が隠されているのは間違いない。
多くの日本人は、少子高齢化が重大問題であるという認識を持てないのは、問題が隠されているからである。したがって、このままでは、いずれ日本は立ちゆかなくなっていく。
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ストローのようにすべてを吸い取られて何も残らない
人口が急激に減少することによって、日本社会は崩壊していくが、崩壊は末端から始まっていく。末端とはどこか。言うまでもなく地方である。
日本は、地方から崩壊していくのである。したがって、日本がどうなるのかは、地方がどうなっていくのかを観察すればいいということになる。
現在の地方は、コミュニティは崩壊し、シャッター通りや過疎村・限界村ができ、ビジネスが成立しない。農村も荒れ果て、新しい人口もなく、それがますます寂れる原因になっている。
都市は多くの人を呼び込み、活力がある。しかし、地方はすべてを吸い取られて衰退するしかない。ストローのようにすべてを吸い取られて何も残らない。
郊外型のショッピングモールのビジネスモデルも、地方都市が以前から持っていた村や小さな町のコミュニティを破壊してしまうことは様々な人が指摘している。
巨大ショッピングモールは、地方に残っていたわずかな人間を吸い寄せて、地方の町の最後のコミュニティすら破壊してしまうのだ。そして、日本は末端から壊れていく。その起こり得る惨状はこちらにも書いた。(マネーボイス:日本人は地方を見捨てるのか。2024年、少子高齢化で認知症が這い回る地獄絵図となる=鈴木傾城 )
ちなみに巨大ショッピングモールと言えば誰もがイオンを思い出すが、このイオンの取締役兼代表執行役社長は岡田元也氏である。その弟が岡田克也で、「1000万人移民受け入れ構想」に賛同していた政治家だった。
日本を破壊したい人間たちの多くは「日本は人口が減った方がむしろ良い」「今の日本は人口が多すぎ。こんな狭い日本で人口を増やす必要はない」としたり顔で言う。
この「日本人は減った方がいい」という主張の真意は、どこにあるのか。それは「日本人を減らして外国人を増やして日本を乗っ取る」というものである。
彼らの主張は意図的に日本破壊に導くものであり、彼らが非常に危険なものであることに気付くはずだ。日本人の人口は減った方がいいという人間は信用できない。
【マネーボイス】読むと世の中がクリアに見える。鈴木傾城の経済を中心とした必読の記事がここに集積。
懸念を取り去って上げれば出生率が急上昇するのは当然
では、少子高齢化はもはや解決できない問題なのだろうか。いや、そうではない。少子高齢化は政府がその気になれば、簡単に解決できる可能性が高い。
ロシアでもオランダでもフランスでもイギリスでも少子高齢化が進行していた。こうした国々で効果を上げたのは「子供を持つ家庭に金を与える」「子供を産んだら優遇する」の徹底だった。
それぞれの国で細かく見れば方策は違うが基本は同じだ。子供を産んだ家庭に徹底した優遇措置を与えるというものだ。
「子供を産んだら見舞金を与える」「児童手当として現金を支給する」「義務教育等の教育費を無料にする」「妊娠・出産にかかる費用を無料にする」「子供の医療を無料にする」「出産休暇・育児休暇中の所得を政府が保障する」「ベビーシッターを格安で派遣する」
つまり、「子供を産んだら得する」「子供を産んでも経済的に困窮することがない」「子供を産んだ方がむしろ得だ」という優遇を徹底的に与えることによって出生率を高める。
子供を産んでも困らないという環境を作れば、少子化は一気に改善できる。少子化が改善できれば高齢化も自動的に改善されていく。
子供を作らない理由の大部分は「子供を産んだら経済的に苦しむ」「経済的に育てる自信がない」というものだから、その懸念を取り去って上げれば出生率が急上昇するのは当然のことである。
財源は、世界中にばらまいている下らない無償援助や円借款を止めてしまえばいくらでも捻出できる。外国人に与えている生活保護を打ち切ってもいい。あるいは少子化解決国債として年1兆円を起債するのもいい。
日本政府は少子化問題を解決しようと思えば、いつでもそれができる立場にある。
しかし、いつまで経ってもやろうとしないし、検討にも入らない。真剣に検討するのは「留学生・実習生・単純労働者・インバウンド(短期移民)を大量に入れる」ような日本の文化や歴史を破壊するようなものばかりである。いかに日本は売国者に支配されているか、少子高齢化の放置だけ見ても分かるはずだ。
「子供を増やそう」「多子社会を作ろう」「子供を守ろう」と言ってくれる政治家を私たち日本人は必死で支援する必要がある。