これまで順調に値を上げていたアメリカの株式市場だが、9月に入ってから突如として暴落を始めた。
特に激しく売られているのが今まで市場を牽引してきたナスダック市場のハイテク銘柄、そしてテスラのような極限まで買われてきた銘柄だ。
ちょうどアップルやテスラは株式分割を行ったばかりだったのだが、これによって1株あたりの価格が安くなって「買いやすい」と感じるようになった個人投資家が殺到して、すでに高値圏にあった株価をさらに押し上げていた。
そして、プロはこれを見て一気に株式を売却し、怒濤のハイテク株の下落が始まった。結局、調子に乗って買い上げていた素人がプロに食われるというお馴染みの光景が出現したのだった。
特にテスラの高騰ぶりはひどかった。PER(株価収益率)は一時「1054.89」となっていたのである。これは他の自動車メーカーよりも50倍から100倍も高値で買われていたということを意味する。
テスラに関して言えば、明らかにバブルだった。しかしながら、いつ破裂するか分からないのがバブルであり、先に降りていた人は「運が良い」ということでもある。
もっとも、今回弾けたのはテスラだけではない。アップルも、マイクロソフトも、アマゾンも、フェイスブックも、アドビも、そして比較的若い小型ハイテク株も軒並み売り飛ばされている。
ハイテク株は銘柄に関係なくすべて調整が入ったのだ。そのため、明らかに高値圏だというのに、ただただ決算が良いからと言ってこういう株を買い上げた投資家たちも軒並み火だるまになっている。
リスクを取った投資家が、リスクに飲まれた。そういう局面だ。(鈴木傾城)
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