最近、ベーシックインカムを訴える経済学者やアナリストが増えてきた。そして、ベーシックインカムを望む国民も多くなってきた。ベーシックインカムとは「政府が国民の必要最小限の生活を保障する制度」である。
2020年はコロナによって経済が大打撃を受けることになったので、政府は「特別給付金」として国民ひとりあたり10万円を一律に配ったのだが、ベーシックインカムはこれを毎月行う形のものだ。
しかし、結論から最初に言っておこう。
ベーシックインカムを期待したらアテが外れる。政府や官僚は国民に生涯「一定金額を口座に振り込む」ような政策を取り入れるとは思えないし、もし取り入れたとしても「それを実現するために消費税を20%にする」だとか「資産税や死亡税やスマホ税を取り入れる」だとか言い出すに決まっている。
ベーシックインカムでもらう以上の税金が取られるということだ。
そもそも、ベーシックインカムが取り入れられなくても消費税はこれからもどんどん上がっていく。「財源がない」「社会保障のために必要だ」「少子高齢化のために……」「福祉のために……」と何かと理由をつけて消費税を上げようとする。
まさか、消費税はもう上がらないと思っていないだろうか。政府は何らかのきっかけを待って必ず消費税を上げる。安倍元首相は「消費税は今後10年間引き上げを検討しない」とか言っていたが、約束は守られると思っている方がどうかしている。
「あの時はそう言ったが、状況は変わった」と言われれば終わりだ。政府の口約束というのは、そういうレベルなのである。
そんなわけでベーシックインカムを期待するのはやめた方がいい。ベーシックインカムが、もし仮に取り入れられたとしても、今よりもずっとひどい状況になる可能性も高い。
どういうことか?
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