狂った猿の作り方。徹底的に人間を依存症に追い込むのがパチンコという世界 │ ダークネス：鈴木傾城

何も持たない人間が、手っ取り早く金を儲けたいと思ってのめり込むものがある。パチンコやパチスロである。パチンコは学歴も、職歴も、人間性も、性別も、出身も、年齢も、障害の有無も一切問わない。

資格も問わなければ人間性も問わない。犯罪者だろうが、自己破産寸前の経営者だろうが、ニートだろうが、無職だろうが、まったく関係ない。朝起きて、小金を持っていって、台に座れば誰でも稼げるチャンスはある。

しかし、本当に稼げるのだろうか……。

「一日に10万円儲かった、いや50万円儲かった」「必勝法がある」「極めれば副業にできる」「副業どころかそれでメシを食っているパチプロやスロプロがいる」「勝てる台を見つけ、データを分析すれば勝てる」……。

「勝てる優良店がある」「ネットの掲示板で情報を収集して、朝イチで狙い台を取ると勝てる」「勝てる台が取れたら14時間打ちまくると勝てる」「秘密の必勝法がネットに出ている」……。

実のところ、うまくやれば勝てるという「うわさ」は山ほどある。興味深いことに、パチンコだけでなく、ありとあらゆるギャンブル、競馬、競艇、競輪、オートレース、賭け麻雀……等々は必勝法がある。そして、プロがいて、それで生活しているという話も聞く。

仮にパチンコで一日に10万円儲かるとする。1ヶ月20日、パチンコを打って毎回うまく10万円が儲かるのであれば月200万円の儲けだ。年間で2400万円になる。年収2400万円なら大した収入だ。うまくいかない時もあって年収2000万円だったとしても、それでも大したものだ。

国税庁が公表している「平成26年分民間給与実態統計調査」で見ると、年収2000万円を超える人の占める割合は、日本の人口の0.4％である。パチプロが毎日10万円を儲けているのであれば、経済ピラミッドの頂点に立つスーパーエリートである。しかし、実際はどうなのか。（鈴木傾城）

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