「米国連合」と「反米枢軸」で世界は明確に分離されていく。日本を中国分離を!

「米国連合」と「反米枢軸」で世界は明確に分離されていく。日本を中国分離を!

今、世界は「米国連合」と「反米枢軸」で大きく二分化されようとしている。今後は軍事だけでなく、経済圏もまたこのブロックで分離されていくことになるだろう。原油や天然資源の供給も、それぞれがブロック内で完結するようになる。そして、互いに牽制し、対立し合う。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

中国と共に欧米と対立しているのがロシアとイラン

国際社会は中国が危険な国家であることを認識して、アメリカはもはや隠すこともなく中国を国際社会からデカップリング(切り離し)しているのだが、アメリカだけでなく、今後はEU(欧州連合)もオーストラリアもそれに続く。

中国はこれに反発して欧米を口汚く恫喝しているのだが、これがますます欧米との離反を招く要因ともなっている。

今もなおオミクロンによって全世界を揺るがせている新型コロナウイルスにしても、中国共産党が生物兵器として研究していたものが武漢ウイルス研究所から漏れたことから始まっているわけで、すべては中国が発端なのである。

中国共産党政権は「人類の敵」と化している。

そして、この中国と共に欧米と対立しているのがロシアとイランである。ロシアはウクライナ侵攻をするかしないかで欧米と一触即発の状態にある。NATO(北大西洋条約機構)がウクライナを取り込むかどうかを巡って、ロシアもNATOも互いに一歩も譲らない姿勢を見せている。

ロシアが本当にウクライナに進行するかどうかは、まだ何も分かっていない。しかしながら、こうした状況の中で欧米はロシアの脅威を改めて認識することになっている。イランも核開発問題で欧米と鋭く対立しているのだが、このイランと関係強化を結んでいるのが、中国とロシアである。

この三ヵ国は2022年一月21日、インド洋北部で合同軍事演習を行っているのだが、これは3ヵ国が明確に「反米枢軸」となって、米国連合と対立することを宣言したことに他ならない。

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反米枢軸はもともと米国連合と価値観を共有していない

世界は「米国連合」と「反米枢軸」で大きく二分化されようとしている。今後は軍事だけでなく、経済圏もまたこのブロックで分離されていくことになるだろう。原油や天然資源の供給も、それぞれがブロック内で完結するようになる。そして、互いに牽制し、対立し合う。

すでに中国はイランとエネルギーに関する戦略協定も結んでいる。米国連合と対立していく中国は、経済制裁の中でエネルギーの供給を絞られる可能性もある。

そのため、中国はイランにエネルギー・通信・交通などの莫大な投資を行い、その見返りとしてイランの石油を安価に供給してもらうという約束を取りつけている。これは欧米に長く執拗な経済制裁を受けているイランにとっても渡りに船の協定である。

このイランに兵器を供給しているのがロシアだ。中国の投資でイランが潤ったら、イランを相手に武器弾薬を売ってロシアも間接的に潤う。

中国・イラン・ロシアの中で密接な軍事・経済関係ができあがり、この3ヵ国は離れられなくなる。この3ヵ国の強固な結びつきは「アメリカ中心の反資本主義」にもつながっていくことになる。

米国連合は現在の資本主義を支配する強大な勢力だが、中国もロシアも元はと言えば共産主義国家である。今は資本主義という形態を取ってはいるのだが、国家の権限は非常に強く、いびつな資本主義であるのは間違いない。

イランはイスラム主義である。最初から欧米の資本主義とは違う社会形態でやってきている。反米枢軸はもともと米国連合と価値観を共有していない。また資本主義が絶対であるとも思っていない。

そのため、「米国連合」と「反米枢軸」で対立が広がっていくと、間違いなく現代のアメリカ中心の資本主義に対する攻撃も生まれる。

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 日本はこれを機に中国から足抜けしておくべきなのだ

これから何が起こるのかというと、世界の分離だ。「米国連合」と「反米枢軸」で世界は明確に分離されていくのだ。お互いに大国であり、核保有国なので、正面切っての戦争はできない。そのため、外交的な小競り合いが長く続いていく。

そんな中で文化も経済も何もかもが分離していくので、地球上でまったく違う2つの文明が離反して互いに争い合う完全分離に入っていくのだろう。

恐らく今後は、すべての国が「どちらの陣営なのか」を迫られることになる。中国は一帯一路でアフリカや東欧などに莫大な金を貸し付けて開発を行っているのだが、こうやって中国に取り込まれた国は反米枢軸に組み込まれるだろう。

一方で欧米と関係が深い国々は自動的に米国連合に組み込まれることになる。言うまでもないが、日本は米国連合である。

この対立が激化していけば、いずれ日本が迫られるのは「反中の鮮明化」である。今、日本は米国連合に所属しながらも、中国の経済圏で儲けることも考えているのだが、やがて中国経済圏から足抜けすることを迫られるはずだ。

日本政府と経団連はこれに頑強に反対するだろう。

しかし、日本はこれを機に中国から足抜けしておくべきなのだ。中国は知的財産を侵害しながら成長してきた国家である。国家レベルでハッキングを行っており、個人にも外国企業や大学の情報スパイを強要して情報を盗み取っている。

重要施設(防衛関係施設等)や国境離島や沖縄や北海道の土地を買い、各地の水源地も日本で買い漁っている。歴史プロパガンダで攻撃し、尖閣諸島に侵犯し、沖縄や北海道に分離工作を仕掛けている。

関われば関わるほどトラブルに巻き込まれていく。そうであれば、世界が「米国連合」と「反米枢軸」で分離し、日本は明確に米国連合に所属しているのであれば、対立の根源となる中国から足抜けしておくのが合理的な判断となる。

アメリカが中国を国際社会からデカップリングさせようとしているように、日本もまた中国をデカップリングしておくのが重要なのだ。いつまでも中国に関わっている場合ではない。

『文明の衝突(サミュエル・ハンチントン)

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