まともな投資家なら中国に投資なんかするわけがない。投資どころか撤退だ

まともな投資家なら中国に投資なんかするわけがない。投資どころか撤退だ

中国とアメリカが2018年12月1日にブエノスアイレスのホテルで首脳会議を開いているのだが、ここでアメリカは制裁関税の引き上げを一時凍結することで中国と同意している。

その代わり、アメリカと中国はただちに5点の問題について来年の4月まで協議をすることで合意している。5点の問題とは次のものである。

・中国の技術移転の強要の問題。
・中国の知的財産侵害の問題。
・中国の非関税障壁の問題。
・中国のサイバー攻撃の問題。
・中国のサービス業・農業の構造改革の問題。

これを見れば分かると思うが、アメリカは中国に対して「不正な手段でアメリカの技術を盗むのをやめろ」「中国市場をアメリカの多国籍企業に解放しろ」と強力に圧力をかけているのである。

中国はこれを飲めるだろうか?(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

徹底的な関税引き上げは、輸入に生きている中国を殺す

中国はアメリカが突きつけている「5つの問題」を素直に「やめましょう」ということはできない。

なぜか。

なぜなら、中国は自国でイノベーションや進歩を生み出せる国ではないからだ。中国の発展はすべて「国家レベルで他国の技術を盗んで盗んで盗みまくって成し遂げられたもの」だからである。(ダークネス:中国はあらゆる方法で知財を盗みにやってくるが日本も十分に当事国だ

アメリカが中国に突きつけている「技術移転強要をやめろ」「知的財産の侵害をやめろ」「サイバー攻撃をやめろ」というのは、みんな同じことを指している。

「お前たちは不正に技術を盗むのをやめろ」

それがアメリカの言っていることなのだが、「他国から盗む」のが中国の発展の基盤になっている以上、中国はそれをやめることができない。素直にそれをやめるというのは自国の発展を頓挫させ、人口だけは多いただの発展途上国に戻ることを意味するからだ。

アメリカが突きつけている5つの問題は、本来であれば中国は飲むことすらもできないものなのである。

それでも中国が「協議する」と合意したのは、このままいくとアメリカに次々と関税を引き上げられて首が締まり、国内が混乱し、政権崩壊する危機もあるからだ。

中国は「アメリカの関税引き上げに対抗する」と勇ましいことを言っていたが、実際のところ、アメリカは中国から絶対に輸入しなければならないものなどない。アメリカはいつでも中国を切り捨てることができる。

アメリカの徹底的な関税引き上げは、輸入に生きている中国を殺す。

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中国はアメリカの虎の尾を踏んでしまった

「あらゆる手段で盗む」「盗んだものを安く売って独占する」

これが中国のやり方だ。この両方を封じられたら中国はもう経済成長を続けることはできないし、発展もできないし、大国であることもできないし、中国共産党が政権を維持することもできない。

中国は飲めない条件をアメリカに押し付けられている。つまり、中国は今、土壇場に立っている。

そうであれば、今の中国にできるのは何か。

それは「戦略的な問題の先延ばし」だけである。妥協すると見せかけて問題の解決を先に先に伸ばして、何とか生きながらえるように努力する。その間に、強硬なトランプ政権が混乱して崩壊するのをじっと待つ。

中国はそのやり方に切り替えた。それが功を奏したのが2018年12月1日の「新協議開始」である。これについて、アメリカのメディアは「トランプ政権は中国の先延ばし作戦のワナに落ちた」と書いている。

トランプ政権がこの新協議を飲んだ理由は、中国の大きな妥協が引き出せると踏んだからなのか、それとも利上げと貿易戦争で不安定になっているアメリカの株式市場をひとまず数ヶ月落ち着かせてから勝負に出る算段があったのか、そこにはいくつもの理由があるはずだ。

しかし数ヶ月先延ばしになっても、トランプ大統領は相変わらず大統領の地位にあるし、中国が数ヶ月で体質を変えられるはずもないので、結局はただの先延ばしでしかなく、最後に中国はアメリカに屈することになる。

中国はAIIB(アジア・インフラ投資銀行)で決済をドルから中国元に変えようとした。アメリカは中国がドル基軸通貨に挑戦しようとしたのを見て、いよいよ中国を叩き潰すことを決意した。

アメリカはドル基軸通貨に対抗する国には容赦しない。なぜなら、このドル基軸通貨こそがアメリカの覇権の核(コア)であり、アメリカの富の源泉だからだ。中国はアメリカの虎の尾を踏んだ。

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中国に投資する? どうかしている

中国共産党がアメリカに対抗するというのであれば、アメリカは中国共産党を叩き潰して別の政権を据えるだろう。別の政権というのは、言うまでもなくアメリカの言うことを聞く民主的な政権である。

世界はそれを望んでいるし、中国の人民も中国共産党政権にはもう辟易している。

習近平は自身の神格化を進めようとしていたが、中国の街角に大量に貼られた習近平のポスターに墨をぶっかける女性まで出てきて、神格化などまるっきりうまくいっていない。中国共産党は、もう賞味期限が切れているのだ。

中国は湧き上がる政権批判に対しては必死で情報統制しているのだが、この情報統制もまた批判の的にされている。

その上に、チベットやウイグルでの弾圧も国際社会から批判されるようになっている。中国がウイグルの弾圧を弱めると、ウイグル人は中国政府に対して反旗を翻すのは目に見えているので、中国政府は弾圧を弱めることができない。

しかし、このままでは国際社会から非難されるばかりであり、「中国は弾圧国家」と言われて信用を失う。

一路一帯もまた途上国を経済的植民地にするものであると見抜かれるようになって、あちこちの国が中国のカネに物を言わせるやり方を批判するようになっている。他国に莫大な借金を負わせて中国の都合の良い発言をさせることに、当事国からも周辺国からも批判が出ているのだ。

こうした状況を鑑みると、中国の将来はそれほど明るくないことに気づくはずだ。

もちろん、今後の中国が今までのやり方を反省して、より民主的になろうと努力し始め、国際社会のルールをよく守ってフェアな国になる可能性はゼロであるとは言わない。世界はそうなって欲しいと願っている。

しかし、そうでないのであれば、こんな国が世界の覇権を掌握するのは全人類にとって「災厄」でしかない。私たちがしなければならないのは、今の中国とは関わらないことだ。

中国に投資する? どうかしている。まともな投資家なら中国に投資なんかするわけがない。投資どころか撤退だ。(written by 鈴木傾城)

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アメリカは中国に対して「不正な手段でアメリカの技術を盗むのをやめろ」「中国市場をアメリカの多国籍企業に解放しろ」と強力に圧力をかけている。中国はこれを飲めるだろうか?

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