日本政府とマスコミが必死になってコオロギやうじ虫を日本人に食わせる理由

日本政府とマスコミが必死になってコオロギやうじ虫を日本人に食わせる理由

世界人口が増えて食料危機が起こるかもしれないというのであれば、「日本人は世界に迷惑をかけることなく日本国内で持続的に食料がまかなえるように自給率を100%かそれ以上にする」というのが正しい。それをしないで「言われるがまま昆虫食」は、まさに売国的な政策だ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com

驚いたことに「うじ虫」まで食わせようとしている

日本政府が「SDGs(持続可能な開発目標=サスティナブル)」の推進で、しきりに昆虫食をアピールし、日本人に食べさせようとしている。

すでに、数十にものぼる企業が「コオロギ食品」を実際に流通しており、マスコミが嬉々としてそれを報じている。学校の給食にもコオロギ食品が出されるようになってきた。

さらに驚いたことに「うじ虫」まで食わせようとしている。実際、すでに「うじ虫おにぎり」も開発されているのである。

そのうじ虫だが、これはマゴットという言い換えをされて、カタカナで日本人を煙に巻いて食わせようとしている。うじ虫はうじ虫であり、名前を変えてもうじ虫には違いがない。

それにしても、なぜこんなことになっているのだろうか。

今後、世界人口は増えていく一方であり、2050年には約100億人になっていくという現実がある。そうなると、牛・豚・鶏などでは人類の食が賄えなくなっていく可能性がある。さらに畜産の飼育はコストがかかる上に環境も破壊するので持続可能ではないというわけだ。

そこでFAO(国連食糧農業機関)は、2013年に「昆虫食を推奨する」という報告を出して、これによって欧米先進国でも昆虫食の推進をサスティナブルの一環として取り組むようになり、日本政府もこれに飛びついたというのが事の起こりだ。

しかし、日本に限って言えば2050年までに人口はどんどん減っていく。農畜産産業も高度に発達し、大豆文化もあって植物性タンパク質が常食できる国である。さらに日本はまわりが海であり海産物も取れやすく魚介類の養殖もできる。

別にコオロギだとかうじ虫とか食わなくてもいいのである。

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「日本人にはそこらへんの虫でも食わせておけ」

しかし、日本政府も外圧に弱くて、欧米の各国政府や国連が「やれ」と言ったら、何の反論もなく疑問を呈することもなく「はい」と従う。

「SDGs」とか言われたら、電気代が上がろうが何だろうが原子力発電所も火力発電所も見捨てて、日本中の山をハゲ山にしてメガソーラーを敷いたりするし、昆虫食だとか言われたら、コオロギだろうがうじ虫だろうがゴキブリだろうが日本人に食わせようとする。

そして、マスコミも日本政府と一緒に昆虫食を「スーパーフード」とか喧伝して踊り狂い、芸能人なんかを広告塔にしてコオロギやらアリやらを食わせて「おいしすぎる」とか「こういうレシピがある」とか報道する。

電通なんかも子会社に昆虫食ビジネスをさせて「昆虫食がブーム」とか言って、盛り上げている。

政治家にも昆虫食を食わせて『小泉進次郎氏も関心』とか書いて煽ったりしている。給食などにも出して学生に食わせて「おいしい」と言わせて記事にしたり、反対意見を偏狭だと切り捨てたりしている。

学校で子供たちにコオロギを食わせるというのは、次世代の子供たちから味覚と食文化を変質させようとする洗脳のように見える。「日本人にはそこらへんの虫でも食わせておけ」という文化破壊にも感じる。

現在、日本では牛乳が余って破棄せざるを得ないような悲しい状況になってしまっているのだが、そんな中で牛を殺すために補助金を出して、昆虫食を推し進めているのだから、日本国民も「バカなのか?」と呆れ果てている。

しかし、日本政府やマスコミが束になって「昆虫食、昆虫食」と朝から晩まで騒ぎ立てて、とにかく日本人にコオロギだのうじ虫だのを食わせようと躍起になっているのである。

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欧米や国連に「虫を食え」と言われたから昆虫食?

「世界人口が大爆発するから食料が足りなくなる。だから日本人が虫を食わなければならない」というのは、よくよく考えたらおかしな理屈である。

食糧危機が心配だというのであれば、日本政府は「日本の自給率を高める」ことに全力を傾ければいいのである。もっと農業や畜産の効率性を高めて生産能力を増やしていけばいいし、そこに資金とイノベーションを傾ければ日本の自給率はいくらでも高まっていく。

タンパク質危機だと言うが、日本は「植物性タンパク質」である大豆文化が根づいており、おからなども廃棄されているのだから、こういうのをしっかりと食に取り入れていくのが先だろう。

まだ食べられるのに期限切れで廃棄される食品も日本は大量にあるが、こうした無駄を改善していけばいい。それと同時に、豊かな海洋資源を利用して魚介類による自給率向上も日本は行うことができる。

そういうことを一切しないで、ただ欧米や国連に「虫を食え」と言われたからコオロギやらうじ虫をマスコミの宣伝で強制・洗脳するというのは、それこそ愚の骨頂である。情けない。

日本人は日本政府やマスコミによって、意味のない昆虫食を仕掛けられている。かなり馬鹿げた状況になっていると言っても過言ではない。

別に昆虫食がすべて悪いというわけではない。世界では昆虫食をする国はたくさんあるし、私が愛する東南アジアでも昆虫食は普通にある。カンボジアでもコオロギは普通に食べられているし、コオロギどころかクモでさえも食されている。

昆虫食を否定しているわけではない。しかし、日本では別に無理してコオロギやうじ虫を食べる必要がないところを、日本政府やマスコミが外圧で無理やり食文化を変えてしまおうとしているのだ。それは、さすがに違う。

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「虫を食え」と言われて「はい」と言っているだけ

外国には外国の文化があり、昆虫食をする国もあって当然だ。その国の風土や地域によっては昆虫食が最適解の場合もある。それは、その国の風土や地域の文化や伝統である。それは別に否定する必要はない。

また、日本人であっても、昆虫食が好きな人がいても当然だ。私たちはそれを否定してはいけない。私もそれを否定するつもりは一切ない。

私が言いたいのは「コオロギやうじ虫を食べないという文化や伝統があるのであれば、それもまた認めるべきである」ということだ。特定の昆虫を食べる文化があるのであればそれは否定しないが、「食べない文化があるのであれば、それもまた否定するな」というのが正しい文化認識ではないのか。

昆虫食というのは、欧米や外国から押し付けられたものである。日本政府はそれを奴隷のように従おうとしている。日本政府は主体性がまったくなく、ただ単に世界政府の日本支部みたいな隷属的な扱いになっていると言える。その姿勢は間違っている。

世界人口が増えて食料危機が起こるかもしれないというのであれば、「それでは日本人は世界に迷惑をかけることなく日本国内で持続的に食料がまかなえるように自給率を100%かそれ以上にしていきます」というのが正しいのである。

それをしないで、ただ言われた通りにコオロギやうじ虫を食わせるというのは、まさに売国的な政策であるとも言える。

日本政府は日本の未来をしっかり考えているように見えない。百年の計はあるように見えない。ただ、欧米や国連に「虫を食え」と言われて「はい」と言っているだけの無能に見える。

無能だから、自給率を高めるとか日本独自の政策を主張するということもなく、日本人に虫を食わせるようなことをしている。日本政府も、マスコミも、昆虫食に安易に便乗する企業も、みんな情けない。もう少しよく考えたらどうなのか?

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