少子高齢化を放置してイノベーションを拒絶すると日本に何が生まれるか?

少子高齢化を放置してイノベーションを拒絶すると日本に何が生まれるか?

資本主義の社会になると、一部の人間が「カネのなる木」のポジションを手に入れる。そのポジションは事業家であったり、官僚であったり、政治家であったり、芸能の世界だったりして多岐に渡る。

特徴的なのは「ただその肩書を所有しているだけでカネが入る仕組み」になっていることだ。そのポジションを手に入れるには才能と努力と幸運が必要なのだが、いったんそこに辿り着くと、後は大したことをしなくてもカネが入ってくる。

そうであれば、永遠にその地位にしがみつくのは人間の性(サガ)であると言っても過言ではない。

しかし、問題がある。人間は100%の確率で老いる。そして死ぬ。

そうであればどうするのか。そうなのだ。自分の子供にそのポジションを「継がせる」のである。そのため、カネがうなる世界のあちこちで、そのポジションを独占するために世襲が生まれる。

多くの国で、政治家の子供が政治家になっている。また、高級官僚の子供が高級官僚になっている。経営者の子供が経営者になっている。

なぜなら、そこに利権と大金と権力が転がっているからである。だから、世襲ができる仕組みがそこに生まれて、どこの馬の骨とも分からない人間を排除するようになっている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

今の日本は格差で分離されている「だけ」

日本は「一億総中流」と言われる時代が戦後から数十年にも渡って続いていたが、いまや「世襲」が社会のあちこちに生まれて固定化している。

この「世襲」は何を生み出すのか。

それは「超えられない格差」である。職業や身分が「固定化」されて、乗り越えることができない壁となって立ちふさがっていく。

格差が極まれば階級になる。具体的に言えば「上流階級」と「下流階級」が完全に別個な世界を作り出して、身分制度の社会となって表れていく。

まだ日本は格差で分離されている「だけ」なので気が付いている人は少ないが、この方向性が示す最終形は明確な「階級社会」なのである。

この動きがはっきりしてきたのは1990年からだ。この年にバブル崩壊が起きて、日本は明確に社会が変質していった。(ダークネス:1971年〜1974年生まれは、自分たちは過酷な時代に生きる世代だと認識せよ

そしてバブル崩壊から10年後、自民党小泉政権に入ってから一億総中流だった社会が一気に崩壊し、格差の問題が大きく表れることになった。この当時は、正社員になれない人が増えて、「正社員が勝ち組」「派遣が負け組」と言われていた。

しかし、さらにそれから10年経って、時代はさらに進んだ。今は正社員ですらも終身雇用が保障されなくなり、事業が少しでも利益を減らすと簡単にリストラされる時代に入っていくようになった。

「一生を保障された堅い職業」と言われていた銀行員ですらも、事業が時流に合わなくなっていくとリストラされていく時代になっているのである。(ダークネス:想像以上の環境の悪化で苦しむ日本の銀行は生き残れるか?

だから、企業は自らの破綻を回避する必要性に迫られ、今度は「正社員」を放り出す時代が始まったのだ。

「事業家と株主が勝ち組」「サラリーマンは全員負け組」となる社会がすでに動き始めている。上層の経営者や企業のオーナーは、そのポジションにいることで莫大な利益を得る。そして、そのポジションを絶対に手放さない。

自分が老化してポジションに留まれないのであれば、子供に引き継がせてカネのうなるポジションを維持し続ける。

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エリート階級が利権と大金のうなるポジションを独占

イノベーションが次々と起こせる社会では、実は世襲は大した問題になることはない。

なぜなら、新しいイノベーションが次々と起きる社会では、新しいことに挑戦した人間がカネのうなるポジションに就けるからだ。さらに、そのような社会ではパラダイムシフトが頻繁に起きるので、親が築いた「カネのうなるポジション」は衰退する確率は高い。

しかし、イノベーションが停滞し、内需が縮小し、パイが縮小していく社会になると新しいことに挑んでもなかなか成功しにくくなる。それよりも、すでにあるポジションを維持した方が効率が高い。

日本は明確に「超」が付くほどの少子高齢化社会に突入している。(マネーボイス:日本人は地方を見捨てるのか。2024年、少子高齢化で認知症が這い回る地獄絵図となる=鈴木傾城

少子高齢化で日本はイノベーションも社会の活力も喪失してしまう。キャッシュレスのような基本的なイノベーションですらも拒絶する人間もいるのだから、イノベーションどころではない。

だから、イノベーションを失った日本社会では、カネのうなるポジションを世襲して「エリート階級」と「下層階級」という格差社会になっていくことになっても不思議ではないのである。

政治家の子供が政治家になっている。
高級官僚の子供が高級官僚になっている。
経営者の子供が経営者になっている。

エリート階級が利権と大金のうなるポジションを独占するようになり、身分が固定化されている。

エリート階級の身分が固定化されると同時に、貧困者の身分も固定化されつつある。貧困層の家庭の子供は、やはり貧困層でしかないという現象が始まっているのだ。

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イノベーションが起こりやすい国に変えていく

普通のサラリーマンは将来がない。格差社会から階級社会に入っていくと、今のままでは「労働者階級」に落とされて、そこから這い上がれなくなるのは必然だからだ。階級は身分の固定化だ。だから這い上がれない。

固定化した社会を打破するのは「革命」だが、資本主義の中では「イノベーションで社会を変えることが真の革命」であると気付いている人はこれまた少ない。資本主義での身分制度の破壊は、イノベーションで行わなければならないのである。

だから、イノベーションが次々と起きる社会はまだ希望はある。

イノベーションに背を向けて「現状維持」のみを求める社会は、格差がやがて階級となり、よりイノベーションから遠ざかって後退する。

懸念すべきは、日本は「現状維持」を願う高齢者で覆われている国であるということだ。いまだに日本では紙の新聞、紙の書籍、紙幣にこだわっている人間が大勢いて、社会を停滞させている。

さらに高齢者はインターネットはおろかスマートフォンですらも拒否する。情報の遅くて偏向している新聞とテレビのみしか接しないので、どんどん世の中の主流であるインターネットからも取り残されてしまっている。

日本社会はイノベーションという「下剋上」を起こせなくなりつつある現状維持の社会になっている。だからこそ現在成功している人間がそのポジションを子供に譲って世襲化を図り、社会は階級化に向かっているのである。

日本を階級社会にしたくなければ、イノベーションが起こりやすい国に変えていかなければならない。そのためには、インターネットを核としたイノベーションでどんどん変えていかなければならない。

そして、最終的には超少子高齢化を絶対に解決していかなければならない。少子高齢化を放置し、イノベーションを拒絶して現状維持で生きるというのであれば、日本はもう終わりだ。(written by 鈴木傾城)

日本を階級社会にしたくなければ、イノベーションが起こりやすい国に変えていかなければならない。そのためには、インターネットを核としたイノベーションでどんどん変えていかなければならない。

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