悪いことが起きている時は、トレンドとして悪いことが続くと考えるのが自然

悪いことが起きている時は、トレンドとして悪いことが続くと考えるのが自然

不確実性が増している時、どのように生きればいいのか。最も最適な答えは「自衛に徹する」ということではないか。「コロナで社会が混乱する」というとコロナだけが社会問題のように見えるが、実は世の中はすべて関連して動いているので、コロナで社会が混乱したら、その混乱から玉突きのように別の混乱が生まれ、さらにその混乱が別の混乱を生み出すという「負のスパイラル」が登場する。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

2020年1月1日の段階で混乱は分からなかった

新型コロナウイルスで起こる事態を予測するのは勝手だが、その通りの予測になることは決してない。現実は紆余曲折と予想外が次々と起きる。世の中は一筋縄では動かない。世の中は自分の思うように動かない。

世の中は予期しない事件に満ちている。

そもそも、2020年1月1日の段階で「今年は悪性のウイルスで世界が大混乱する」と言っていた人はひとりもいなかった。何が起こるのか分からなかったのである。では、新型コロナウイルスの問題がなければ世界は何もなかったのか。

それも分からない。

何しろ74億人以上もの人間が世界にいて、それぞれが世の中を構成している。74億人がどのように行動し、どのように社会を動かし、何がどれくらいの影響力を及ぼすのかは誰にも読めない。

だから、予言や予測はいつでも外れるし、専門家が何を言っても当てにならない。グラフやチャートを持ち出しても無駄だ。世の中は過去の統計通りに動かない。

今年はアメリカ大統領選挙の年だが、トランプ大統領が再選されるのかどうかすらも定かではない。2019年まで、トランプ大統領の再選は確実なのではないかと言われていた。株式市場は空前の上昇を見ていたからだ。経済が強い大統領は再選の確率は高いのである。

しかし、2020年に入ってコロナショックが襲いかかると、あっという間に状況は混沌かしてしまった。不確実性は、全世界を覆い尽くしたのである。

【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)

不確実性を一番実感するのが株式市場の世界

人々が不確実性を一番実感するのが株式市場の世界だ。たとえば、私たちが何かの株式を買うとする。この時点で、世の中を「自分とは真逆に見ている人」を見つけることができる。なぜなら、自分が「上がる」と思って買った株は、恐らく誰かが「下がる」と思って売った株だからだ。

持っている株がこれから上昇するのが分かっていたら、誰も売らない。持っていた方が儲かるからだ。だから、あなたが株を買ったというのは、すなわち誰かが「下がるからもう手放したい」と思ったものであることが多い。

自分が「上がる」と思って買った株は、誰かが「下がる」と思って売った株だ。自分が「下がる」と売った株は、誰かが「上がる」と思って買った株だ。

これが意味するのは、世の中は常に自分とはまったく逆のことを考えて、そちらに人生を賭けている人が山ほどいるということなのである。カネがかかっているから誰もが真剣だ。それぞれに思惑を持って動いている。

そして、これらは「お遊び」ではない。自分の生活がかかっている。

それぞれの立場の人間が、自分の信じる方向にカネを賭けている。時には人生を賭けて勝負している。そして、結果を自分のほうに引き寄せようと人生をかけて「誘導」している。

だから、経済の世界では激しい舌戦が繰り広げられて、互いに壮絶な叩き合いになっていく。

現在の状況で言えば「コロナの脅威は過ぎ去った」と考える投資家と、「コロナの脅威はまだ続く」と考える投資家が激しくぶつかり合っている。コロナの脅威が過ぎ去ったのであれば株は買いだ。コロナの脅威が続くのであれば株は売りだ。

どちらが正解なのか? そんなことは分からない。

トランプ大統領は再選するためにコロナよりも経済を優先したが、それによってアメリカはコロナ汚染大国になって逆に実体経済のダメージを深めることになってしまった。どうしても再選したいトランプ大統領だが、不確実性はトランプ大統領をも翻弄している。

これからも状況は二転三転するだろう。波乱がさらなる予想外を生んで、想像もつかない結末になっていたとしても不思議ではない。

【ここでしか読めない!】『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』のバックナンバーの購入はこちらから。

「どうなるのか分からない」とWHOは言っている

不確実性は日に日に増しているように見える。

世界の指導者の間では、3月、4月、5月の3ヶ月で全世界の主要都市が都市封鎖(ロックダウン)されて、これによって一時的にコロナの感染者を減らすことができたので、「後は感染者をコントロールしながら経済再開を慎重に行えばいい」というシナリオができていた。

世の中はその通りになると思われていた。

ところがロックダウンを解除すると途端に感染者が増えていき、パンデミックは止まらない状況だ。コロナ感染者は2020年7月の段階で、累計1300万人となり、さらに増え続けている。アメリカも、南米も、インドも、感染は止まるのではなく広がっているのである。

今ではすっかり信用を失ったWHO(世界保健機関)だが、この組織は初動で中国人がどこにでも出かけるのを止めずに世界中にコロナをばらまいた。

そして、今になって『現実は厳しく、この状況は終息に近づいてさえいない』とか言い始めて、問題は「国の結束のなさや世界的連帯の欠如、世界の分断が原因」と他人事のように声明を発している。

「もう、どうなるのか分からない」とWHOは言っているのだ。

コロナのワクチンも「今年中に何かが開発されて、来年から流通して、コロナはもう過去の話になる」という楽観論もあるのだが、「ワクチン開発はそんな簡単なものではない、来年どころか2年経っても、3年経ってもワクチンは開発されないかもしれない」という悲観論もある。

やはり、状況は分からない。

ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』

悪い時はじっと待つ。悪い時はじたばたしない

不確実性が増している時、どのように生きればいいのか。最も最適な答えは「自衛に徹する」ということではないか。

「コロナで社会が混乱する」というとコロナだけが社会問題のように見えるが、実は世の中はすべて関連して動いているので、コロナで社会が混乱したら、その混乱から玉突きのように別の混乱が生まれ、さらにその混乱が別の混乱を生み出すという「負のスパイラル」が登場する。たとえば、

1. コロナで社会が混乱すると貧困層が増える。
2. 貧困層が増えれば暴動が起きやすくなる。
3. 暴動が起きやすくなったら政権批判が起きる。
4. 政権批判が高じると政権が倒れる。
5. 政治が混乱すると社会全体が無秩序になる。
6. すべての国がその方向に向かっていく。
7. 暴動・内戦・侵略・戦争が起きやすくなる。

このような動きが起きたとしても不思議ではないのだ。

もちろん、楽観的な何かが起こり得るかもしれない。たとえば、全世界の製薬会社・バイオ会社が開発しているワクチンのどれかが超絶的にコロナに効いて、あっと言う間に問題が解決して、それを好感して株式市場が大暴騰し、実体経済でも人々が以前のように買い物したり、人々と触れ合ったりする生活が戻るかもしれない。

しかし、悪いことが起きている時は、トレンドとして悪いことがずっと続くと考えた方が確率が高いのだから、やはり「時代が悪い時は防御に徹する」という姿勢を堅持するのは合理的な判断である。

私自身は「まだ最悪のピークが来ていない」と思っている。コロナに対する特効薬や治療薬ができておらず、経済は本格的に戻っておらず、これから人々の経済的な苦境が本格化するのだから、まったく楽観していない。

だから、私は2020年は無理なことは何もせず、防御に徹することが大切な生き方であると考えている。悪い時はじっと待つ。悪い時はじたばたしない。ダウングレードも受け入れる。今はそうやって生きた方が楽ではないだろうか……。

『アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド』

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

一般カテゴリの最新記事