首相を馬鹿と罵って普通に過ごせるのが日本。翌日に連行されて消される国もある

首相を馬鹿と罵って普通に過ごせるのが日本。翌日に連行されて消される国もある

政府の大批判して何事もなく日常が過ごせるというのは、当たり前のことのように見えて当たり前ではない。それは「奇跡」なのだ。中国侵略されてしまったら、果たしてどうなるのだろうか。反中・反政府の人間は間違いなく逮捕され、拷問され、挙げ句の果てに内臓を奪われる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

邪魔だと思った人間はみんな過酷な運命を辿る

かつて、あれだけ中国実業界を賑わしていたアリババの創業者ジャック・マーの噂を聞かなくなった。生きているのは生きているのだが、表に出てこなくなって何の発言もせず、まるで隠遁者のようになってしまっている。

同じようになってしまった人がいる。周庭(アグネス・チョウ)である。香港の民主派(反中派)の活動家として日本でも名が知られていたアグネス・チョウは2020年8月に国安法違反容疑で逮捕された。

彼女は模範囚だとして、2021年6月12日には収監されていた刑務所から出てきたのだが、記者団には何も語らず、その後も決して政治的な発言はせず、最近になってFacebookも削除している。自ら発言する機会を捨てた。

政治的な言動をすると、彼女は再び刑務所に連行されるだろう。彼女は今後もずっと監視され続ける。

中国では、中国共産党政権が邪魔だと思った人間はみんな過酷な運命を辿る。

中国と地続きのチベットやウイグルは、膨張主義を取る中国共産党政権にとって邪魔だという理由で、民族のアイデンティティを奪われるほどの弾圧を受けている。

今、ウイグル人は100万人規模で「強制収容所」に収容され、中国共産党に忠誠を尽くすように洗脳される。言うことを聞かない人間は、強制的に臓器ドナーにされて、臓器を奪い取られる。

内モンゴル自治区では、いよいよ侵略工作が始まって、言葉を奪われようとしている。こうした侵略行為に抗議し続けていると、チベットやウイグルと同じように、民族弾圧が始まるはずだ。

中国共産党の支配下では、政権批判など絶対に許されない行為なのである。もしするのであれば、それは命がけの行為である。

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あちこちの国で、政権批判者は暗殺されている

中国共産党政権は宗教を認めない。その理由は表向きは「中国は共産主義だから」というものだが、本音は違う。宗教は中国共産党政権「以外」の権威を崇めるものである。キリスト教であれば、教会やバチカンを崇めることになる。

中国共産党政権はそれを許さない。自分たちが「崇められる唯一無二」の存在であると考えているので、それ以外の存在の権威をいっさい認めないのだ。

しかし、中国には国土に広がる拝金主義や、共産党政権に愛想を尽かした人々がキリスト教徒となって地下で広がっている。

しかし、中国共産党は絶対にこれを認めない。

そのため地下教会に通う人間を強制的に連行して思想の転向を迫る。もし中国共産党よりもイエス・キリストを信じるというのであれば、やはり臓器を奪い取られることになる。

習近平の独裁政治に反対して、そのポスターに墨をぶっかけた女性がいた。彼女もまた公安当局に連行されて精神病院にぶち込まれ、出てきたら精神的におかしくなってしまって、その後再び行方不明になるという末路を辿った。

中国共産党と対立した法輪功学習者もまたずっと強制収容所で拷問・臓器ドナーの対象にされている。

中国は毛沢東の時代からそうだった。政権批判は絶対に許さない。政権を批判するというのは、まさに「死に直結する行為」なのである。ただ単に死ぬのではない。強制収容所に隔離され、連日の凄まじい拷問を受けて死ぬのだ。

人権も何もあったものではない。圧倒的な暴力、圧倒的な残虐さで、自分たちに反対する人間を叩きつぶそうとする。その残虐さは、おおよそ日本人の想像を超えるものである。

「独裁国家」の恐ろしさを、今の日本人はまったく分かっていない。

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誰も何も言わない。死にたくないからだ

この中国と同じことをやっている国がある。北朝鮮だ。北朝鮮もまた極端なまでの金一族独裁国家である。まともな政治ができず、国家は機能していない。当然のことながら国民は貧困や飢餓に苦しむことになる。

では、北朝鮮を支配している金正恩一族に対する政権批判をしたらどうなるのか。隣組の監視社会がある北朝鮮ではすぐに「反乱分子」として逮捕され、やはり強制収容所行きになる。

そして、いったん強制収容所送りになったら、ほとんどの場合は生きて出られない。北朝鮮でも政権批判は「死に直結する行為」である。

ロシアはどうか。ロシアでも状況は同じだ。現在のウラジーミル・プーチンはロシアの支配者であり、独裁者でもある。この独裁者もまた政権批判を許さない。

政権に批判的なジャーナリストがいると次々と暗殺し、対抗する野党の指導者をも確実に抹殺していく。ジャーナリストや指導者が身の危険を感じて国外に逃亡しても、暗殺者を送り込んで始末する。それほど、入念に批判者を葬っている。

最近では反プーチン派の指導者であるアレクセイ・ナワリヌイが、毒を盛られて危うく殺されそうになった。ロシアに戻れば、今度は収監されて生きて出てこられるのかどうかも分からない。

ロシアでも政権批判は「死に直結する行為」である。プーチンを批判するというのは、その瞬間から死が身辺に付きまとうことでもある。

サウジアラビアでも、王族を批判すると命がない。サウジアラビアの政権を鋭く批判していたジャーナリストのジャマル・カショギ氏は暗殺者15人に拷問され、殺され、遺体はバラバラにされてしまった。

アフリカでもそれぞれの国で汚職が蔓延し、権力を手中に収めた独裁者が腐敗の限りを尽くしているのだが、それを批判すると政府が殺しにやってくる。政権批判は「死に直結する行為」なのである。

だから誰も何も言わない。死にたくないからだ。そして汚職はいつまで経っても消えることはない。本当に腹をくくった人間が、死ぬ覚悟で政権批判をする。

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「日本人で幸せだった」などで終わる問題ではない

日本もそうだ。国民が自民党を激しく罵っても何も起きない。安倍前首相をなじっても、菅首相に罵詈雑言を投げつけても、やはり何もない。日本人も言いたいことをいつでも言えるし、何でも言える。言論の自由が保障されている。

国民はそれを空気のように当たり前に思っているのだが、実のところ、多くの国では政権を批判するというのは「死に直結する行為」なのである。

ミャンマーでも政権批判は死に直結する行為だ。政府が国民に銃を向けて容赦なく引き金を引く。批判する人間を連行して刑務所で拷問する。

独裁政権は自分たちに都合の悪い言動をする人間をことさら嫌う。なぜなら、こうした声を放置すれば、やがてはひとりの声が集団の声となり、自分が打倒される恐れがあるからだ。

民主主義ではない国の為政者は、打倒されるくらいなら最優先で危険分子を破壊しようと動く。だから、政権批判は「死に直結する行為」になる。

政府の悪口を言って、首相を馬鹿だと罵って、それでも何事もなく日常が過ごせるというのは、当たり前のことのように見えて当たり前ではない。それは、奇跡的に素晴らしいことなのだ。

「ああ、日本人で幸せだった」と思うはずだ。しかし、それで終わりにしたらいけない。もし、この日本が中国のような容赦ない独裁国家に侵略されてしまったら、果たしてどうなるのだろうか。

反中の人間はひとり残らず凌遅刑《りょうちけい》に処せられたり、内臓を奪われたりするだろう。

残りの日本人は中国共産党政権に忠誠を誓わされ、中国語を学ばされ、日本文化を捨てさせられて中国文化に入れ替えられることになる。ウイグルで起きていることが日本でも起こる。

そうなれば、中国共産党政権の批判など、もちろんできるはずもない。ところで、凌遅刑とは何か? 生きたままナイフで肉を削いでいく残虐な刑だ。「日本人で幸せだった」などで終わる問題ではない。

書籍
『中国の正体: 知ってはいけない「歴史大国」最大のタブー(黄 文雄)』

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