日本政府は日本の復興のために「軍産複合体の創設」を今こそ考える時が来ている

日本政府は日本の復興のために「軍産複合体の創設」を今こそ考える時が来ている

日本が軍産複合体を創設することで得られるメリットは計り知れない。日本政府が何を目指さなければならないのかというと「経済力の底上げ」と「軍事力の向上」である。分かりやすく言えば「富国」と「強兵」の両方をやることが重要なのだ。軍産複合体がそれを実現する。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「防衛したいだと。では増税だ」と国民を恫喝しつつ増税

日本は四方を中国・韓国・北朝鮮・ロシアと、リスクある国々に囲まれている。これらの国はあからさまに軍事力を増強して日本を威嚇にかかっているのだが、こうした状況の変化を受けて、脳天気な日本政府や日本人もやっと「日本も軍事力を増強しないとまずいのでないか?」と考えるようになった。

かくして、日本政府は防衛費を「GDP比2%に引き上げる」と述べるようになり、その財源をどうするのかを巡って話し合いが持たれたのだが、岸田首相は「増税で賄う」と奇妙なことを言い出した。

これには国民からも自民党内部からもいっせいに非難の声が上がった。喫緊に防衛力を高めるのであれば、防衛国債を発行するのは当然のことである。増税はまったく筋違いだ。

すでに日本は税金と社会保障費で国民負担率48%となっており、さらに言えば電気代も省エネ賦課金みたいなステルス税金で跳ね上がり、ガス代も水道代も引き上げられていき、相当な負担を背負っている。

一方、日本政府は男女共同参画事業という訳の分からないものに9兆円以上も使っているし、外国為替資金特別会計=外為特会(円売り・外貨買い介入に伴って取得した外貨資産)を37兆円も貯め込んでいる。増税するくらいなら、これを使えばいいのだ。

要するに、政府は「別に増税しなくても防衛費を増強できる金は持っている」のである。男女共同参画事業を解散し、外為特会の含み益を防衛費に回すだけで一瞬にして防衛費が捻出できる。

それをしないで、ただただ国民に防衛費という増税を押し付けるのは、まさに政府の怠慢であり、ただ増税したいだけとしか思えない。「防衛したいだと。では増税だ」と国民を恫喝しつつ増税するという最低なことを岸田首相はやっている。

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岸田首相は頭がおかしいのではないか?

防衛費増額を巡り「責任ある財源を考えるべきだ」「今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と岸田首相は増税を正当化しているが、これは増税したい岸田首相の詭弁に過ぎない。

男女共同参画事業と外為特会の金を回せば金ができるが、それ以外にも外国にばらまいている金だとか国内の外国人に優遇している制度をやめるとか、日本政府は無駄を切り詰めればいくらでも金を作れる。

それをしないで国民に税金負担だけを押し付けるというのだから、これでは岸田首相は「増税したいだけ」と思われても仕方がない。事実、岸田首相はタガが外れたかのように増税に狂っているのだが、防衛費の財源を増税でまかなうというのも完全に「最初から増税ありき」であったわけだ。

『国防費の増額を増税に結びつけて、ただでさえ生活が苦しくなっている国民に”増税するなら国防費は増額しなくていい”と思わせたいんじゃないか』という人もいるのだが、言い当て妙である。

国防費を増額するにしても、別に増税する必要はさらさらない。男女共同参画事業と外為特会の金を回せばいいだけなのだが、そうしたくないのであれば国債でまかなってもまったく問題ない。

増税しないで国防費を増額する手段はいくらでもあるのに、それをしないで増額するということに「増税したいだけ」の岸田政権の体質が現れている。これでは国民負担率48%にもなっている日本人の家計は疲弊するばかりである。

家計が疲弊したら当然のことだが、経済情勢は悪化する。すでに2022年は物価上昇と増税と光熱費の値上げで国民は疲弊し、実質賃金は7ヶ月連続で減少してしまっているのである。

さらに2023年は世界的に景気後退《リセッション》が避けられない年になる。そんな中で増税をするというのだから、どう考えても岸田首相は日本を逆に脆弱化させようとしているとしか思えない。

そもそも、防衛力の増強のためには核兵器の保有は避けて通れないことなのだが、驚いたことに岸田首相は「防衛力を増強する」と言いながら「核兵器は持ちません」と矛盾したことを言っているのである。頭がおかしいのではないか?

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今の日本が目指すべきなのは「富国強兵」だ

防衛力を本気で増強したいのであれば、どうしたらいいのか。ただ防衛費を増強するだけでなく、自衛隊を日本国軍に格上げし、兵器を増強し、核兵器を保有しなければならない。

しかし、そうすれば軍事費で国が疲弊するのではないかと心配する人もいる。確かに軍事力の増強だけを目指して国の経済力や国民の生活が困窮していくのであれば意味がない。北朝鮮のように「餓死する国民がいる中で軍事力増強」では最終的に国が破綻してしまう。

日本政府は何を目指さなけれあならないのかというと、「経済力の底上げ」と「軍事力の向上」なのである。もっと分かりやすく言おう。「富国」と「強兵」の両方をやることが重要なのだ。

昔の人はこれを、「富国強兵」と言った。まさに今の日本が目指すべきなのは「富国強兵」なのだ。富国強兵の観点から見ると、実は、軍事力を増強しながら逆に国富(国の経済力)を高めるための一石二鳥の案がある。

それが「軍産複合体の創設」だ。

国は国防に関連する民間企業に助成金や技術者を出して育成し、設備費を負担し、国が製品を発注することで企業の売上を支援する。新たなイノベーションを生み出すベンチャーを支援する、あるいは新しい企業を創設して国防に役立てることもできる。

民間企業は国防に貢献しつつ、独自の技術を高めていき、雇用を生み、技術を民間にも移転したり輸出したりして売上を上げる。

こうして、国家と民間が共に得する環境にして富国強兵を目指す。

航空事業、兵器事業、核開発、宇宙事業、ロボット事業、ドローン事業、重工業、精密工業関連、造船事業、ハイテク事業……と軍産複合体で重要な産業は多岐に渡る。国家が明確に「軍産複合体の創設」を決意したら、もともと日本はハードに強い国なので最強の軍事力と経済力を取り戻せる。

政府が軍産複合体の創設を決断したら、防衛力が高まるだけではない。最先端の軍事技術が次々と民間の企業にも人材にも蓄積され、それはやがて自動車産業・ロボット産業・航空産業・IT産業すべてに技術のトリクルダウンが起こる。そして、それが日本の産業界の復活の狼煙《のろし》となる。

政治家はすみやかに日本のために動くべきである

軍産複合体を創設することに決めて、核保有をも進めた場合は、もちろんロシア・中国・韓国・北朝鮮は大反発するだろう。あるいは欧米も「核不拡散条約に違反している」と難癖をつけてくるだろう。

しかし、国益のためにそうした反発を押さえて推進し、欧米にも日本の核保有を納得させるのが政治と外交の仕事であって「違反です」「はいそうですか」では政治家は要らない。

諸外国との軋轢に受けて立って国益のために邁進するのが本当の政治家の仕事である。政治家は使いっぱしりではないのである。日本の真の自主防衛の実現のために戦って富国強兵を成し遂げるのが政治家だ。

「日本は軍産複合体を作って戦争を始めるのか」と国内でも左翼リベラルが大声で叫ぶようになるだろう。しかし、それも間違っている。最強の軍隊、最強の国防、最強の装備が揃えば、日本から侵略戦争を仕掛けない限りは戦争は始まらない。

最強の軍産複合体が日本に誕生すれば、逆説的だが日本は安全になっていくのだ。

防衛の面で言えば核兵器は絶対に必要だ。核兵器の保有にもまだ拒絶感を持つ人がいるが、コスト面で見ても数千発の核保有こそが日本の安全を担保する最も安価な武器でもある。核という反撃能力を持つのは世界の常識である。

反撃能力を行使する(やられたらやり返す能力を持つ)というのは当たり前のことであって、これが議題に上がることそのものが日本という国のおかしさを表している。

さらに専守防衛もおかしい。日本に被害が出て対処するのではなく、被害が出る前に叩くのが本当の姿だからだ。

日本に軍産複合体が登場したら、日本人の精神構造も良い方向に変わる。

なぜなら、国を守り、国を強くすることを仕事にする人が増えるからである。国防が仕事になると、本人も家族も自ずと日本と日本の国益を考えるようになる。つまり、軍産複合体によって日本人は正常な愛国心を取り戻すこともできる。これが本当の意味の「日本を取り戻す」動きである。

「軍産複合体の創設」を主張する人は、恐らく好戦的だとか軍国主義的だとか暴力的だとか罵られて激しく糾弾されるはずだ。ありとあらゆる激しい非難の言葉を浴びせられるだろう。

しかし、本気で日本という国を復活させるのであれば、軍産複合体を産業の基盤に置くのは非常に合理的なのだ。

日本を復活させるために、国民は軍産複合体の創設を求め、政治家は内外の批判など恐れずに、すみやかに日本のために動くべきである。

『邪悪な世界のもがき方』
『邪悪な世界のもがき方 格差と搾取の世界を株式投資で生き残る(鈴木傾城)』

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