岸田首相は平和とか言ってないで、G7で「日本も核を保有したい」と爆弾発言しろ

岸田首相は平和とか言ってないで、G7で「日本も核を保有したい」と爆弾発言しろ

岸田首相が夢見る少女のごとく「平和」だとか「核兵器なき世界」とか、そういう理想論をあれこれ言っても、まったく何の意味もなく、日本の国益にもならない。核兵器は「最大の攻撃」であると同時に「最大の防御」なのだから、絶対に核兵器の保有を目指すべきなのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com

「最大の攻撃」であると同時に「最大の防御」

岸田首相は2023年5月19日に開幕するG7広島サミットを前にして、「核兵器のない世界へ向けてのあらゆる取り組みの原点・基本になるのが被爆の実相に触れてもらうことであると思っています」と言っている。

サミットでは、平和公園の原爆慰霊碑では各国首脳が献花することが予定されており、その後も植樹などを通して、岸田首相は「核兵器のない世界」なるものを世界にアピールすることになる。

岸田首相がここまでするのは、首相自身が「核兵器なき世界」を訴える政治家であるからでもある。

しかしながら、岸田首相がやっていることは「ただのお花畑の空想」に過ぎない。アメリカも、ロシアも、イギリスも、フランスも、中国も、インドも、パキスタンも、イスラエルも、「核を全廃しましょう」と言われて「はい、そうします」と言うわけがない。

全世界に経済制裁されても威嚇と防御のために核兵器の開発と保有を進めていく国もある。イスラエルと対峙するイランも秘密裏に核兵器を開発しようとしているし、シリアやミャンマーも核開発疑惑国となっている。

それだけ核兵器は軍事攻撃と国防のために求められている兵器なのである。

核兵器は使えない兵器だと言われる。不用意に核保有国を攻撃すると核兵器で報復される可能性がある。核兵器で攻撃されると、一瞬にして都市一つが丸ごと吹っ飛び、数十万人〜数百万人もの死者が出る。

だから核保有国に対しては軍事攻撃ができない。核兵器を保有するというのは「最大の攻撃」であると同時に「最大の防御」でもあるということだ。北朝鮮のような小国でも核を保有したがるのは、それこそ独裁国家を守るための「最大の防御」になるからなのである。

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「核兵器のない世界」というキレイ事の裏側で

しかし、だからと言ってあらゆる国が核を保有するようになると、些細なことで核兵器が使用される恐れがある。だから世界は、核兵器が無防備に広がらないように、「核兵器の不拡散に関する条約(NPT)」という縛りをかけて、核兵器の削減または廃絶を目指すようにしている。

核兵器不拡散条約(NPT)において、非核兵器保有国は核兵器を保有しないことになっている。そして、核を保有している国家は核を削減することになっている。

ところが、インド、パキスタン、イスラエルは条約に加盟していないし、北朝鮮やイランも勝手に核兵器を保有しようと画策している。さらに、アメリカ、ロシア、英国、フランス、中国と言った核保有国は、核軍縮を本気でやろうとしていない。

確かにこの条約は、日本を含めて多くの国が核を持たないように縛っているのだが、そもそも核兵器を保有している国が核兵器を削減しようと「したがらない」ことに大きな問題がある。

これは、言ってみれば不公平な条約なのである。

「持っていない国は絶対に持つな、その代わり我々は核兵器を削減する」と言いながら、核兵器を削減しないのだから、はっきり言って核保有国は軍事的優位を維持するために世界を詐欺にかけていると言っても過言ではない。

世界で最も多くの核弾頭を保有しているのはアメリカとロシアである。アメリカは5428個、ロシアは5977個の核弾頭を持つ。これを見るとロシアの方が多いが、実際に配備している数はアメリカが1744個で、ロシアが1588個となっている。(Wikipedia「各国の核兵器の概数」より)

岸田首相は能天気に「核兵器のない世界へ向けてのあらゆる取り組み」とかキレイ事を言っているのだが、日本というよりも世界を支配しているアメリカがまったく核軍縮する気がない。

オバマ元大統領は「核兵器のない世界に向けて、具体的な措置を取る」とか言っていたが、トランプ大統領はそんなものを一掃してINF全廃条約を破棄して、核兵器の保有強化に乗り出していた。

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「平和」なんかよりも「覇権」が優先している国

アメリカが事あるごとに核軍縮を拒絶して逆に核兵器の保有強化をするのは、やはり核兵器が他国を威圧・恫喝するための最強のツールであることが分かっているからである。

現実を見て「核兵器こそが安全保障のための最強のツールである」ということをアメリカは理解している。

アメリカに張り合うようにして核兵器を保有しているのがロシアだが、このロシアの支配者はウラジーミル・プーチン大統領である。

プーチン大統領は国際協調や西側諸国の思惑などまるっきり無視して傍若無人に振る舞う独裁者なのだが、この危険な人物が1588個の核弾頭の行方を握っているのだから、アメリカも核兵器の保有強化を図ろうと思うのは無理もない。

では、プーチン大統領がウクライナ戦争の失敗などで大統領の座から引き摺り下ろされるようなことになったら、アメリカは安堵して核軍縮に戻るのだろうか。つまり、世界が平和になったらアメリカは核軍縮するのだろうか。

いや、それもない。アメリカは軍産複合体国家であり、核兵器産業もまた巨大な国家産業のひとつとして成り立っている。軍需産業は多くの雇用と収益を生み出しているわけで、核兵器の研究・開発・製造はこれからも続いていくだろう。

そして、この軍産複合体によって、アメリカは大きな政治的利益をも得ることになる。核兵器で他国を威圧・恫喝できるのである。「ヒロシマ・ナガサキみたいになりたいのか?」と威嚇することができる。

核兵器を保有することで、アメリカは国際社会において大きな影響力を維持することができるわけで、それがアメリカの覇権を維持するためのツールともなっている。「平和」なんかよりも「覇権」が優先しているのだ。そういう意味で、アメリカは超現実国家であると言える。

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岸田首相は平和の空想ばかりしてないで現実を見てほしい

そういうわけで、岸田首相が夢見る少女のごとく「平和」だとか「核兵器なき世界」とか、そういう理想論をあれこれ言っても、まったく何の意味もなく、日本の国益にもならない。

何度も言うように、核兵器は「最大の攻撃」であると同時に「最大の防御」なのだから、もし日本の指導者が本気で日本の国防を思うのであれば、絶対に核兵器の保有を目指すべきなのである。

ロシアも、中国も、北朝鮮も、日本にとって潜在的に危険な隣国は、すべて核兵器を保有していて日本を「火の海にする」とか言って威嚇してきている。今後、これらの国家と本気で対峙するのであれば、「最大の攻撃」も「最大の防御」も持たない日本は圧倒的に不利なのである。

そうであれば、岸田首相がやるべきことはG7広島サミットという最も重要なイベントの中で「日本も核兵器を保有する」と宣言することである。間違えても「核兵器なき世界」を訴えるのはない。逆だ。「日本も核が必要だ」と訴える必要がある。

「日本は世界で唯一、核兵器で被害に遭った国であり、核の恐ろしさが身に染みている。だからこそ、日本は核兵器を保有して最大の防御を行いたい。核兵器の被害に遭った日本だけが核兵器を保有する正当な理由を持つ」

このようにG7の首脳たち、ならびに全世界に対して宣言すればいいのだ。核兵器不拡散条約(NPT)なんか核保有国も守っていない。

日本はすでに中国にも北朝鮮にもロシアにも軍事的な威嚇を受けている。目の前に「今そこにある危機(Clear and Present Danger)」があるのに「平和がー」「核のない世界がー」と言っている方がどうかしている。

日本の国防のために、そろそろ日本もアメリカと同様に軍産複合体国家を目指し、核保有を急ぐ時が来ている。かつての右派の論客だった野村秋介氏は30年も前にこのように言っていた。

『平和と暴力とは表裏一体のものであり、平和のみが独立して存在することはありえない。逆に暴力のみが独立して存在することもありえない。戦後、日本の平和はその裏側の暴力の部分を日米安全保障条約によってアメリカに委ね、世界に類を見ない奇形の平和主義を生み、飽食と惰眠を貪ってきた』(さらば群青: 回想は逆光の中にあり)

完全にその通りであると同意したい。だからこそ、日本は今すぐアメリカに委ねていた軍事を取り戻し、軍事的な自主独立を考える必要がある。岸田首相は平和の空想ばかりしてないで現実をしっかり見てほしい。

G7で「日本も核を保有したい」と爆弾発言しろ。

軍産複合体
軍産複合体。日本は今すぐアメリカに委ねていた軍事を取り戻し、軍事的な自主独立を考える必要がある。岸田首相は平和の空想ばかりしてないで現実をしっかり見てほしい。
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