日本人もやがては社会的な不満を背景に、政権や政治家に激しい抗議を行う日がくる

日本人もやがては社会的な不満を背景に、政権や政治家に激しい抗議を行う日がくる

自民党は問題を解決できる政党ではない。解決どころか悪化させるばかりだ。だから、それが最後に社会的な破壊を生み出すことになって誰が驚くのだろうか。閉塞した時代は、必ず最後には広範囲な社会的暴力が広がっていく。日本でも環境が整えば起きる暴力が台頭する日が来る。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com

日本を成長させることも国民を豊かにする能力もない

自民党は主義主張が一致した議員が集まった一枚岩な政党ではなく、保守からリベラル、愛国者から売国者までが揃ったよりどりみどりの大所帯である。

人材が揃っていると言えば聞こえが良いが、結果として保守でもリベラルでもなくなってしまうので、どちらかを期待して票を入れてもどちらも裏切られるという結果になる。

自民党が保守だと思って票を入れても、時の自民党政権は「多文化共生」だとか言って隠れ移民政策を進めたり、やたらと中国や韓国に媚びを売って相手に妥協したり弱腰になったり、北朝鮮には強く出られなかったり、パチンコ業界に取り込まれてギャンブルを放置したりする。

内閣の外で自民党の議員が保守的なことを言ったりしているのだが、結局のところそういう議員の発言で保守派の国民の票を取り込んで、保守的な政治はほとんどしないという結果に終わる。

その保守派議員も多くが朝鮮系カルト教団に選挙活動を支援してもらったりしていたという情けない実態も明らかになって信頼はガタ落ちとなった。

「自民党の保守派議員はただのガス抜き」と冷たく言い放つ人もいるのだが、確かに結果としてはそのようになっている。結局、国民は「保守っぽいことを言う自民党」に延々と騙され続けていたということになる。

そんな中で、自民党は財務省の言いなりのままに増税路線にひた走るようになっている。岸田政権は特にその傾向が非常に顕著で、いまや「岸田政権は増税政権」と言われるほどになっているのだ。国民をATM化して金を吸い上げているのである。

税金を吸い上げまくっても社会福祉が充実するわけでもない。充実どころか、生活環境はひたすら悪化し続けるばかりである。自民党は日本を成長させることも国民を豊かにする能力もなくなったと言うことだ。賞味期限は切れた。

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いつか必ず格差問題に起因する社会破壊が起こる

日本の選挙制度は機能していない。自民党が日本を豊かにすることも成長させることもできない政党であると分かったとしても、野党は自民党以下の集団であり、政党と言うよりも活動家の集団である。それも売国と反日の活動家の集まりだ。

「選挙で世の中を変えよう」と言っても、選択肢がない。識者の中には「もう一揆しかないのではないか?」と嘆息する人も現れているが、自民党の機能不全が鮮明化していくと、抗議デモなどの激しい突き上げが起こる世の中になっていってもおかしくない。

社会はいつの時代でも何らかの社会矛盾が発生し、それに対する不満が社会に充満していくと、必ず国民の激しい突き上げが起きて、どこかのタイミングで体制が転覆するものだ。

それはいつの時代でも、どこの時代でも起こり得る。
日本もそうなって何がおかしいのか?

日本は貧困が拡がり、格差が広がり、人々は分断され、それぞれが激しく対立し、中傷も、罵倒も、誹謗も普通に行われるようになっている。また、成功者が社会でうまく生きられない人たちを「馬鹿」とか「負け犬」とか嘲笑する現象も起きている。

そして、地位を持った人間や言論に長けた人間に暴力を向ける人間も出てきている。社会の空気が何も持たざる者の不満を焚き付けており、それが日本の国内でも大きな潮流となっているのだ。

こうしたギスギスした社会の中で、日本の凋落を止められない自民党がふざけた政治を続けていたら、最後には貧困や格差に苦しむ国民の不満の矛先が自民党に向かうのは当然だ。

日本人もやがては社会的な不満を背景に、政権や政治家に激しい抗議を行う日がくる。それは社会的なムーブメントとなり、やがては社会のあり方そのものを極めて「暴力的」に変えていくことになるはずだ。

社会不満は、やがては象徴となる反体制派のリーダーを生み出していく。

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公民権運動は、非暴力から暴力煽動に変質した

かつて1960年代にアメリカで起きた、公民権運動を振り返って欲しい。公民権運動は、黒人への差別・黒人への経済格差の是正を求めた息の長い運動だった。実際には黒人だけではなくユダヤ人等の権利尊重をも含まれている。

最初に運動を平和的に進めていたのは、マーチン・ルーサー・キング牧師だった。キング牧師は粘り強く、そして明確な非暴力で巨大な権力と対峙し、そして支持を広げていった。

しかし、相変わらず白人による黒人差別が続いたことに、徐々に苛立ちを隠せなくなった黒人たちからキング牧師の説く非暴力主義から離れる一派が生まれた。

その中でもネーション・オブ・イスラムのスポークスマンであったマルコムXがその雄弁で攻撃的な演説で人々の心を奪っていくようになった。

マルコムXはいまだに多くの黒人たちの心を捉えているが、その演説は非常に攻撃的だった。ストレートであり、容赦がなく、非暴力を否定し、暴力を示唆するものもあった。

「今や黒人はアメリカの敵であり、あなたがアメリカのトラブルなのだ!」

「非暴力で得られるのはトイレを使っていいかどうかだけだ。本当は我々黒人は土地を要求しなければならない」

「黒人の中にはハウス・ニグロという人種がいて、彼らは白人のご主人様のご機嫌を窺って生きている」

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日本でも環境が整えば起きる暴力が台頭する日が来る

マルコムXの挑発的で暴力的な扇動はしばしば物議を醸し出して、白人にとっては悪魔のような存在になった。しかし、そうなればなるほど、逆に黒人層の支持者が増えていき、キング牧師が主導していた公民権運動の最初のイメージである「非暴力」が消し飛んでいった。

やがてマルコムXは暗殺され、マーチン・ルーサー・キング牧師も暗殺されていった。そうなると、さらに暴力性は増していって、次に黒人の心を捉えたのは、「暴力には暴力で対抗する武闘組織」であるブラックパンサー党だった。

非暴力から始まった公民権運動は、最後には徹底した暴力が支配する運動へと変質していったのだ。平和デモが限界を見せて、人々が「いくら非暴力で何かを言っていても無駄だ」と思ったとき、いつでも暴力が伴う革命へと変質していく事例となった。

そして世の中が動乱に落ちていく。

現代社会の大きな問題は、資本主義が生み出した「格差」というひずみだ。今の日本社会もまた格差が大きな不満と対立を引き起こしている。

若者たちは次々と貧困に突き落とされて這い上がれなくなった。それが2000年代から始まった問題であった。今は貧困と格差が広がったので、今度は問題が格差の中で、成功した人間とどん底にいる人間の対立(叩き合い)となっているのだ。

この問題はいずれ持たざる人々の不満と憤怒を危険なまでのレベルに引き上げて、やがては臨界点を突破させる。そして、誰かが「暴力」で社会に対抗しようと立ち上がる。マルコムXを見ても分かる通り、たったひとりの男でも世論を震撼させることができる。

自民党は問題を解決できる政党ではない。解決どころか悪化させるばかりだ。だから、それが最後に社会的な破壊を生み出すことになって誰が驚くのだろうか。閉塞した時代は、必ず最後には広範囲な社会的暴力が広がっていく。

日本でも環境が整えば起きる暴力が台頭する日が来る。
それは、時間の問題であるとも言える。

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