政治的無能で日本はますます経済的な競争力を失い先進国でもなくなっていく?

政治的無能で日本はますます経済的な競争力を失い先進国でもなくなっていく?

自民党があまりにも無能な政党であるのは十分に分かっているのだが、岸田政権も無能を引き継いでいるので、今後の状況はさらに悪化するだろう。岸田政権で経済が良くなるとは誰も思っていない。ただ、自民党はこうなっても「腐っても鯛」のような存在であるのが問題だ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com

生活者は「何かを減らす」しか対応の道がない

岸田首相は「日本経済に明るい兆しが見えてきた」みたいなことを言っているのだが、これに対して多くの国民が「どこの世界を見ているのか?」と大きな反発の声がSNSを中心に上がっていった。

コロナ禍におけるグローバルなサプライチェーンの混乱、ロシアとウクライナの戦争によるエネルギー価格・資源価格の高騰によって世界的なコストプッシュ型のインフレが発生して、これまでデフレ状態だった日本でも物価上昇が止まらなくなった。

これによって、日本でもやっと物価に合わせて名目賃金が上がるようになってきているのだが、物価に賃金の上昇が追いついていないので、実質賃金は17か月連続してマイナスとなっている。

その結果、「食品の販売数量が2年前と比べて大幅に落ち込んだ」と報道されるようなことになっている。それもそうだ。実質賃金がマイナスになってしまったら、生活者は「何かを減らす」しか対応の道がない。

日々の食料品などは、もっとも影響が出てくる部分なのだ。調味料も、砂糖も、小麦粉も、インスタント食品も、軒並み販売数量が減っている。調査会社によるとキャノーラ油などは4割以上と、相当な落ち込みになってしまっている。

それだけでなく、スーパーからも「遅い時間に来店し、割引シールのついた品物を購入する客が増加している」という報告がある。賞味期限切れギリギリで安くなった商品を買う客も増えている。

とにかく「安く買いたい」「安く買えないのなら品数を減らす」という消費行動が起きているのが分かる。これによって、大手菓子メーカーも営業利益が軒並み2桁減になってしまっている。

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日本経済は「凋落」の一途を辿っているということ

企業も電気代やガソリン価格の高騰、あるいは政府が「お願い」した最低賃金の引上げ等で、固定費は増える一方だ。とくに追い込まれているのが中小零細やフリーランスである。

固定費が増えると企業の利益が減るのだが、ここに政府はインボイス制度という「ステルス増税」をしたので、中小零細はますます追い込まれていく。

多くの当事者が述べているとおり、インボイス制度は中小零細やフリーランスに大きなダメージを与える。支払いが一気に10%増えるのもさることながら、細かい事務処理で忙殺されて仕事ができないし、その分の経費もかかる。

こうしたことから、インボイス制度に対応するよりも会社を畳むことを考える経営者もかなりいるので、日本経済の地盤沈下は2024年以降からより鮮明になっていく。静かに日本経済の根底が崩れていくはずだ。

そうした現状を見ていると、岸田首相の「日本経済に明るい兆しが見えてきた」がいかに空虚なセリフなのか分かる。

岸田首相は他にも「明日は今日よりも良くなると誰も感じられるような国を目指す」みたいなポエムも根拠なく言い出しているが、これについても「寝言は寝て言え」と世間からもマスコミからも叩かれている。

そもそも岸田首相は首相になる前は「令和の所得倍増」とかぶち上げておいて、首相になったら、まるで言わなかったかのように触れなくなった人間だ。言葉に信憑性がなく、責任感もない。「寝言は寝て言え」と叩かれるのもしかたがない。

折しもIMF(国際通貨基金)は、ドル換算での日本の名目GDP(国内総生産)は「2023年にドイツを下回って4位に転落する」と発表している。

要するに日本経済は「凋落」の一途を辿っている。日本の政治が30年にもわたって「日本を成長させることができない」ので、とうとう凋落が目に見えるようになってきた。

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自民党は「移民党」と吐き捨てられるようになっている

自民党があまりにも無能な政党であるのは十分に分かっているのだが、岸田政権もその無能を引き継いでいるので、今後の状況はさらに悪化するだろう。

岸田政権で経済が良くなるとは誰も思っていない。「異次元の少子高齢化対策」にしても、何が異次元だったのか分からないし、結局は何も対応できないのであれば、このまま日本は急激にじり貧になっていくのも見えている。

すでに産業界は「少子化」で人手不足が深刻化しており、事業を何とかしたくても人を集められないという現象まで出てきている。それで政府はどうしているのかというと、外から外国人を連れてきて働かせる方策を進めるようになっているのだ。

コンビニなどでは外国人労働者が大量に働いているのだが、建設現場でも販売でもありとあらゆるところで外国人が働くようになっている。留学生を働かせ、技能実習生を働かせ、単純労働者をどんどん拡充している。

中国人や韓国人などは「インバウンドで入って短期で日本で働いて稼いで帰る」みたいなこともやっているので、インバウンドも「短期移民」だと考える人もいる。

日本政府は自分たちの少子高齢化対策に失敗したので外国人を大量に日本に入れて何とかしようとしているわけで、それが外国人の犯罪の大量発生だとか、地域の乗っ取りだとか、文化的軋轢などの問題を引き起こすようになっている。

自民党は「移民党」と吐き捨てられるようになっているのは、こういうところにある。

しかし、自民党は反省などしない。反省どころか、これを「多文化共生」みたいな美辞麗句で正当化して日本人に押しつけ、日本が日本でなくなるような政策を批判させないようにしているのだ。

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回復不能な状態になる臨界点を超えてしまう可能性

こうした中、「自民党は本当に保守なのか?」「保守派もエセ保守派だったのではないか?」という疑念が一気に湧いて出てきている。

それもそうだ。萩生田光一みたいな保守派の代表とされていた議員は、日本をサタンの国と罵っている韓国カルト教団『世界平和統一家庭連合(旧統一教会)』とべったりだったし、他にも多くの自民党の保守派議員もほとんどが韓国カルトと関係があった。

LGBT法案を取っても、自民党の保守派であったはずの稲田朋美みたいな人間が率先して進めていたし、日本の家族制度をバラバラにしてしまう夫婦別姓も稲田朋美が進めている。

あまりにも不甲斐ない動きである。

一連の動きを見ると、たしかに自民党の保守派はエセ保守としか思えないような動きになってしまっている。

そういうこともあって、自民党を支持していた岩盤保守層はすっかり自民党に愛想を尽かすようになってしまった。それが「何となく保守っぽい」と感じる『日本維新の会』だとか、新興の保守政党である『参政党』や『日本保守党』などに保守層が流れていく動きとなっている。

ただ、自民党はこうなっても「腐っても鯛」のような存在である。今はどの野党も政権を任せるほど力量があるわけではない。そのため、いざ選挙になったら他に入れるところがない状態になる。

人々はしかたなく自民党に票を入れ、結局は自民党が勝ち続ける状況が何年も続くことになるのだろう。

そうやって日本は、無能な自民党を選択し続けて、国そのものも回復不能な状態になる臨界点《ティッピング・ポイント》を超えてしまう可能性が高まっている。

これから起こるのは、日本がますます経済的な競争力を失って、先進国でもなくなっていく現象だと私は考えている。その臨界点は遠くないはずだ。

だから、最悪を考えて、それなりの経済的防衛はきちんとしておいたほうがいい。客観的に見ても、日本の凋落はもう避けられないかもしれないからだ。

実は『鈴木傾城のダークネス・メルマガ編』は、日本が好きでも日本政府を信用していない私たちが「どのように経済的防衛をするのか」を詳細に書いているので、興味があったら購読して欲しいと思っている。あなたも、無能な日本政府の道連れにされたくないでしょう?

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