大半の日本人が気付かないところで、日本はヤミ民泊に覆い尽くされていく

大半の日本人が気付かないところで、日本はヤミ民泊に覆い尽くされていく

日本がインバウンドに舵を切って海外から大量の外国人を呼び寄せるようになると、当然のことながらホテルが足りなくなっていくのだが、この足りなくなるホテルを埋めるように広がっていったのが「民泊」というスタイルである。

「民泊」とは何か。これは、個人が個人に部屋を貸すサービスを指す。

このサービスが急激に世界に広がっていったのは、泊まりたい人と貸したい人をマッチングさせるための信頼できるサイトが登場したからである。

現在、民泊のマッチングサイトはいくつかあるが、その中でも民泊の草分けになったサイトが「Airbnb(エア・ビーアンドビー)」である。使いやすいサイトだ。

鈴木傾城も民泊の実態を知りたくて、何度かこうしたサイトを使って実際に民泊に泊まって、普通のホテルに泊まるのとどう違うのかを確認している。取引は想定以上にスムーズで、セキュリティも確保されていた。しかも普通にホテルに泊まるよりも30%から40%も安く泊まれる。

ホテル特有のフロントがなく、ルームサービスもないのだが、そんな「余計なサービス」を省いて安くなるのであれば、ホテルよりも民泊の方が良いと考える人は多いはずだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

規制すればホテルに客が戻るのではない

きちんとしたホテルに泊まって、きちんとルームサービスも受けたいと考える旅行者も多い。しかし、ホテルが満室だったり、価格が高すぎると考える旅行者は、必ず「民泊」に目を向ける。

最初から徹底的に旅費を削減しようと思う旅行者に至っては、もはや普通のホテルを検討することすらもない。最初から民泊を検討する。

日本には中国や韓国からの旅行者が圧倒的に多いのだが、彼らは食費と買い物にカネを使いたい。そこに予算を集中させるがゆえに宿泊費を徹底的に削減しようと考える。

民泊でも普通のホテルよりも安いのだが、その民泊よりも安く設定された宿泊施設がある。それが「ヤミ民泊」である。

民泊が乱立されるようになって、日本政府も民泊に法の網を強くかぶせるようになっている。

住居・台所・浴室・トイレ・洗面所などの設備が備えられていることや、自動火災報知器や消防設備の設置が為されていることの他に、「宿泊させる日数が1年間で180日を超えないこと」という決まりも入れている。

なぜ、宿泊させる日数が1年間で180日なのか。「他住民に配慮するため」「適正な管理や安全面・衛生面を確保するため」という理由が入っているのだが、ホテル業界のロビー活動でそうなったという噂も流れている。

欧米でもそうだが、ホテル業界は客を取られる上に値下がり圧力がかかる民泊には激しい敵愾心を抱いていることもあって、民泊を規制させて自らを防衛しようとしている。

しかし、民泊を規制しても、すでに民泊というスタイルは社会に定着しているので、規制すればホテルに客が戻るのではなく、社会にもっといびつなものを生み出したのだった。

それが「ヤミ民泊」である。

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日本はヤミ民泊に覆い尽くされる

「ヤミ民泊」は、民泊としての設備がきちんと整えられていなかったり、「1年間で180日だけ」というルールもすべて無視して営業されている。

その代わり、かなり「安い」のだ。民泊は通常のホテルよりも安いのだが、ヤミ民泊はその民泊よりも安い価格が設定されていることが多い。

こうしたヤミ民泊はAirbnb(エア・ビーアンドビー)のようなメジャーなマッチングサイトに何食わぬ顔で掲載されることもあるが、監視が厳しくなると、SNSやチャットアプリで客を捜すようになっていく。

通常のマッチングサイトに載らないのだから、借りる方もそれがヤミ民泊であることを知っているので、最初から「安かろう悪かろう」「トラブル覚悟」を想定して借りる客ばかりである。安ければ、法律無視だろうが何だろうが関係ないという人種だ。

つまり、ヤミ民泊は貸す方も借りる方も「タチが悪い」外国人が多いのである。

借りる段階から「法律無視」なのだから、彼らが日本の常識や社会ルールや近所迷惑を考慮することもない。

部屋を好き放題に荒らすというのであれば貸す側だけが被害に遭うのだが、大きな物音を立てるとか、夜中まで騒ぐとか、廊下や入口にゴミをまき散らすとか、犯罪の拠点にするとかになると、隣近所だけでなく地域にも被害が広がっていく。

実際、夜中まで大声で騒ぐヤミ民泊の住民と近所の住民とがトラブルになったケースも見受けられる。

そうでなくても、自分の住むマンションにいつも不特定多数の外国人がたむろするようになると、住民はみんな「どうなっているのだ」と不安や恐怖に駆られるようになっていく。

しかし、民泊を規制すればするほどヤミ民泊の方が増えていくのが現状であり、インバウンドも増える以上、日本で民泊のトラブルが本格化するのは「これからだ」と考えた方がいい。

観光立国に舵を向けた国のアンダーグラウンドは不良外国人の群れで覆い尽くされるのだが、彼らが拠点にするのは言うまでもなくヤミ民泊である。大半の日本人が気付かないところで、日本はヤミ民泊に覆い尽くされると私は考えている。(written by 鈴木傾城)

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しかし、民泊を規制すればするほどヤミ民泊の方が増えていくのが現状であり、インバウンドも増える以上、日本で民泊のトラブルが本格化するのは「これからだ」と考えた方がいい。

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