労働

日本は1時間でできる仕事を10時間かけてやる人間が評価される馬鹿げた社会なのか?

日本企業の一部では今でも「上司が残っているから自分も残る」みたいな、きわめて無駄な時間つぶしが蔓延しているし、労働基準法無視の「サービズ残業」やら「過労死」みたいなものも残っている。その結果、日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中27位なのである。(鈴木傾城)

死ねば借金がなくなるかも……。学生に数百万の借金を負わせる日本社会の苛烈さ

奨学金…。社会に出た時、300万円以上の借金がのしかかり、借金の返済で押しつぶされそうになって死をも考えるような学生も出てきている。これを「自己投資」という人もいる。それは非常に乱暴な話であるし、当事者のことを何も分かっていない人間の言うことだろう。(鈴木傾城)

ジョブ型雇用の転換で、今後は自分の人生の浮沈は否が応でも自己責任になる?

日本企業と日本政府が進めている「ジョブ型雇用」は、終身雇用も年功序列も完全に捨て去る雇用の大転換となる動きである。すごい能力を持つ人間は高給で雇い、そうでもない人間は低賃金で使い捨てるというものであり、これまで日本経営とは完全に決別するものとなる。(鈴木傾城)

実際に人間の時間を奪っているのは怠惰な時間ではない。やりたくもない仕事だ

人間が生きている時間というのは限りなく長いように見えるが、計算してみると、実はそれほど長いものではない。正味1万日もない人生は刻々と消え去っていく。もしこの期間の間、自分がまったく興味や関心のない仕事に就いているとしたら、それだけで時間の無駄を重ねることになる。(鈴木傾城)

欧米流の切り捨て経営。「日本企業だから従業員を大事にする」はもう過去の話

日本企業もグローバル化していく中で、外国人の株主、外国人の経営者、外国企業との提携が当たり前になっていき、ROE重視の経営に変化した。日本人はまだ甘い希望を持っているかもしれないが、「日本企業だから従業員を大事にする」というわけではなくなった。(鈴木傾城)

これから非人道的なまでに弱者が切り捨てられる社会がやってくる理由とは?

弱者がより苦しむ社会となっている。社会環境は急激に悪化しており、誰もが生きにくい社会と化している。これはコロナ禍が収束したら解決するわけではない。これからもずっと弱者が切り捨てられる傾向が続いていく。場合によっては、非人道的なまでに弱者が切り捨てられる社会がやってくる。(鈴木傾城)

自分の好きな方面で生きていけるように、あれこれ試行錯誤する方が有益だ

自分に向いている「好きな仕事」で完全燃焼できている状態は最良の状態である。明日から「やりたくない仕事」を考えて憂鬱になるのであれば、明らかに向いていない。そうであれば、その仕事を惰性で続けて憂鬱な気持ちになるより、自分の好きな方面で生きていけるようにあれこれ試行錯誤する方がよほど有益だ。(鈴木傾城)

誰もあてにできず、誰も助けてくれず、仕事も消えていく時代はどうするのか?

急激に起きている時代の変化はとても危険なものだ。人々が自らの能力で生き残ることを社会が強制するようになっているからだ。社会はそのように変わった。「要らない人間を捨てる」のが今まさに起きている。誰もあてにできず、誰も助けてくれず、仕事も消えていくのだから、最後は自分で自分を生かすしかない。(鈴木傾城)

皮肉なことに、終身雇用が崩壊することによって新しい日本が生まれていく

本当に好きなものがあれば、組織に属している間から狂気のようにのめり込んで、社内でも変人扱いされているくらい話題になっているはずだ。他人から変人扱いされるほど好きなものは、実は自分の人生を切り開く「大きな武器」となる可能性が非常に高い。(鈴木傾城)

トヨタでさえも「このままでは終身雇用は難しい」と言う時代になっている

2019年5月13日。トヨタ自動車の豊田章男社長は、都内で開いた記者会見で「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べている。 いよいよ、日本を代表する企業が「終身雇用は難しい」と言うようになっているのだ。時を同じくして、日本経済団体連合会の中西宏明会長もまた「終身雇用をこれ以上維持するのは無理」という趣旨の発言をし […]

外国人労働者による安い労働力と同一労働同一賃金が生み出すものとは?

2019年4月15日。文春オンラインは博士号を取得した人たちの貧困を取り上げている。世間からあまり評価されない学問を選んでしまった博士号取得者が、貧困に落ちて使い捨てされたり、自殺したりしている。 大学院出身者のような高学歴でも貧困に落ちているのであれば、大学を卒業しただけで何とかなるというのはいかに甘いかというのが分かるはずだ。 大学卒という学歴は「あまりにも陳腐化」してまったく意味をなくしてし […]

同一労働同一賃金のワナ。正社員の賃金を非正規やパートに合わせる

2018年4月6日、安倍内閣は「働き方改革関連法案」を可決させたのだが、この法案はあまり人々の話題にのぼらなかった。しかし、この法案は今後の日本社会のあり方を一変させる大きな動きとなる。 何がどうなるのか。今後は正社員と非正規社員の賃金格差を同一のものとする「同一労働同一賃金」が法制化される。大企業は2020年4月から。中小企業は2021年4月からの実施となる。 「同一労働同一賃金」とは、簡単に言 […]

雇用の75%が消えると社会は私たちの面倒を見るのを止める

マーティン・フォード氏の著書『テクノロジーが雇用の75%を奪う』では、今後の労働市場では、「低賃金の熟練工だけでなく、今後はホワイトカラーなどの中間層も収奪の対象となる」と述べている。 グローバル化が荒々しく世界を飲み込み、日本でも終身雇用や年功序列という伝統的な経営が廃れて、人材の使い捨てになった。 しかし、このグローバル化による雇用の減少は「序章」であり、今後迫り来るロボット化・AI化は、さら […]

サービス残業、過重残業、過労死に追い込まれていく時代だ

日本人の8割はサラリーマンに落ち着くのだが、日本人の全員がサラリーマンで満足しているわけではないのは確かだ。 多くの日本人は何も考えずに義務教育を経て、大学に行ってサラリーマンになる。本人がそうなりたいと思ってサラリーマンになっているわけではない。 親、教師、友人が、みんな寄ってたかって「それが普通だ」というので、ただそれに乗っているだけなのだ。4月になれば多くの若者が何も考えずにサラリーマンにな […]