労働

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日本は1時間でできる仕事を10時間かけてやる人間が評価される馬鹿げた社会なのか?

日本企業の一部では今でも「上司が残っているから自分も残る」みたいな、きわめて無駄な時間つぶしが蔓延しているし、労働基準法無視の「サービズ残業」やら「過労死」みたいなものも残っている。その結果、日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中27位なのである。(鈴木傾城)

『縁の下のイミグレ』。技能実習生という存在と矛盾を描く興味深い映画

映画『縁の下のイミグレ』は技能実習生の問題を描く社会派の映画なのだが、映画はブラックコメディの味わいとなっている。「賃金を払ってもらえない」という相談を深掘りすればするほど、登場人物の考え方や思いが二転三転し、終盤に向けて感情がヒートアップしていく。おもしろい映画だった。(鈴木傾城)

ワケの分からないカタカナが出てきて、働く人たちを惑わせて貧困化させていく?

新しい能力を開発して成長産業に転身するというストーリーはとても夢がある。しかし、「正社員として雇っている中高年が邪魔になったので、そういう夢を見させて追い出す」というのが本当の意図であるとすると、なかなか邪悪で陰湿なやり口ではある……。(鈴木傾城)

人手不足でも失業・困窮が減らぬワケ。企業はリスキリングした従業員を雇うよりも、人工知能やロボットに置き換える=鈴木傾城

日本政府は「リスキリング」と言うが、今後は人工知能が仕事をありったけ奪って、資格やら技術やら持った人間よりも人工知能の導入を好む企業の方が増えて、慢性的な失業者・困窮者が増える可能性の方が高いのではないか。そうなると、また税金を上げるのだろうか?(鈴木傾城) プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい) 作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通 […]

死ねば借金がなくなるかも……。学生に数百万の借金を負わせる日本社会の苛烈さ

奨学金…。社会に出た時、300万円以上の借金がのしかかり、借金の返済で押しつぶされそうになって死をも考えるような学生も出てきている。これを「自己投資」という人もいる。それは非常に乱暴な話であるし、当事者のことを何も分かっていない人間の言うことだろう。(鈴木傾城)

中高年は政府が「リスキリング」をゴリ押しする裏に気づけ。会社から切り捨てられ、困窮しても自己責任だと嘲笑される日が来る=鈴木傾城

2000年代からフリーターを選んだ若者たちは現実を知ることになった。フリーターというのは、「企業が低賃金で若者を雇って好きな時にクビを切る使い捨ての人員だった」という現実だ。最近、日本政府は「リスキリング」を強調しているのだが、その意味は何なのか?(鈴木傾城) プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい) 作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精 […]

ジョブ型雇用の転換で、今後は自分の人生の浮沈は否が応でも自己責任になる?

日本企業と日本政府が進めている「ジョブ型雇用」は、終身雇用も年功序列も完全に捨て去る雇用の大転換となる動きである。すごい能力を持つ人間は高給で雇い、そうでもない人間は低賃金で使い捨てるというものであり、これまで日本経営とは完全に決別するものとなる。(鈴木傾城)

  • 2022.10.11

今後も雇われて給料をもらう生き方を続けていたら苦しみしか得られなくなる?

相当なスキルを持っていない限り、「雇われて生きる」という生き方では厳しい戦いを強いられる。場合によっては貧困地獄に落ちてしまうこともあるだろう。グローバル化と多文化共生が止まらないのなら「雇われて生きる」というのは誰にとっても安定した生き方になり得ないのだ。(鈴木傾城)

2023年。避けられなくなってしまった地獄のリセッションに備えはあるだろうか?

景気後退がやってくる。潰れないと思った会社も潰れるし、一生安泰だと思った正社員もリストラの憂き目に遭うし、就職できると思った人は内定がもらえなくなるし、非正規雇用者はまた一時休業や雇い止めに追いやられる。そういう危険が膨れ上がるのが景気後退という時期なのだ。(鈴木傾城)

迫りくるジョブ型雇用の社会では、自分にスキルがあるかどうかが死活問題と化す

ジョブ型雇用が広がっていく。誰も頼りにできない中で生き残るためには、生き残るために必要な武器、すなわち専門知識を必死で手に入れるしかない。ジョブ型雇用が主流の社会ともなれば、高度に専門化・体系化された知識やスキルがないと未来がなくなる。(鈴木傾城)

もう会社は「役に立つ人材を必要な時だけ雇う」という考え方にシフトにしている

社員をリストラするのも、非正規労働者を増やすのも、労働環境をブラック化させて社員を死ぬまでこき使うのも、ジョブ型雇用に転換するのも、すべてコスト削減のためである。だから、特別なスキルを何も持たない人は注意して生きなければ恐ろしいことになってしまう。(鈴木傾城)

学歴社会は特権階級にとって素晴らしい社会。学力はなくても学歴は金で買えるから

学歴が高ければ高いほど社会的に優遇され、そこから特権にアクセスできるようになる。だから富裕層が金でそれを買う仕組みが裏側にあり、彼らの子供たちは馬鹿に見えてもみんな素晴らしい学歴である。学歴も「金で買える」というのが現実で、それを享受する人間たちがいる。(鈴木傾城)

実際に人間の時間を奪っているのは怠惰な時間ではない。やりたくもない仕事だ

人間が生きている時間というのは限りなく長いように見えるが、計算してみると、実はそれほど長いものではない。正味1万日もない人生は刻々と消え去っていく。もしこの期間の間、自分がまったく興味や関心のない仕事に就いているとしたら、それだけで時間の無駄を重ねることになる。(鈴木傾城)

「人間」を派遣しているのではなく、「人材」を派遣していることの意味とは

多くの人は薄々気付いていても、気付かないふりをしていることがある。それは、資本主義社会の中では人間すらも「商品」だという事実だ。人材派遣の会社にとっては派遣する人間はまさに「商品」以外の何者でもない。だから「人間」派遣会社ではなく、「人材」派遣会社なのである。(鈴木傾城)

欧米流の切り捨て経営。「日本企業だから従業員を大事にする」はもう過去の話

日本企業もグローバル化していく中で、外国人の株主、外国人の経営者、外国企業との提携が当たり前になっていき、ROE重視の経営に変化した。日本人はまだ甘い希望を持っているかもしれないが、「日本企業だから従業員を大事にする」というわけではなくなった。(鈴木傾城)

貯金がなく仕事もできないゴールデンウィークは、困窮者にはヘルウィークだ

連休を楽しむためにはそれなりの蓄えが必要だが、経済的に逼迫した人や家庭は楽しむどころではない。楽しむどころか「どうやって生き残ろうか」というサバイバルになる。今回は通常のゴールデンウィークに緊急事態宣言も重なった。これから地獄に突き落とされるも同然だ。(鈴木傾城)

これから非人道的なまでに弱者が切り捨てられる社会がやってくる理由とは?

弱者がより苦しむ社会となっている。社会環境は急激に悪化しており、誰もが生きにくい社会と化している。これはコロナ禍が収束したら解決するわけではない。これからもずっと弱者が切り捨てられる傾向が続いていく。場合によっては、非人道的なまでに弱者が切り捨てられる社会がやってくる。(鈴木傾城)